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自動車用途に向けたバイオマスプラ・バイオ樹脂の設計と技術動向

熱硬化性樹脂、ポリ乳酸、不飽和ポリエステルなどの

自動車用途に向けたバイオマスプラ・バイオ樹脂の設計と技術動向

東京都 開催 会場 開催

熱硬化性樹脂、ポリ乳酸、不飽和ポリエステルなどのバイオプラスチックの残された課題を解決し、さらなる高性能・高機能化を図るための技術セミナー!

概要

本セミナーでは、バイオプラスチックの基礎から解説し、高性能化、高機能化を実現するための手法、自動車部材、部品への応用について詳解いたします。

開催日

  • 2011年1月27日(木) 12時30分 16時40分

受講対象者

  • 自動車部品、自動車ボディに関連する技術者
  • バイオプラスチックの応用に関連する技術者

修得知識

  • バイオプラスチックの基礎
  • バイオプラスチックを取り巻く課題と対策
  • バイオプラスチックの高性能化、高機能化のアプローチ

プログラム

第1部 (12:30~14:00)

バイオプラスチックの高性能・高機能化材料設計
~高L組成ポリ乳酸 (LLA-rich PLA) を中心に~

趣旨

 近年における地球環境・資源問題の時代背景下、バイオプラスチックに対する関心が高まっている。ここで言うところの「バイオ」とは広義には原料ソースがバイオマス由来であることと、最終的には自然界の微生物・酵素系により完全生分解され二酸化炭素として無機化されるという二つの概念を包含している。これらは基本的には独立したものであり、近年様々なバイオプラスチックが開発されつつある。
 バイオプラスチックの中でも、植物由来でかつ生分解性であるポリ乳酸は耐久性構造材料とバイオリサイクル材の双方で展開が可能であるところから最も潜在的可能性の高いものとして注目されている。
 本講ではポリ乳酸の残された技術的課題を解決し、さらなる高性能・高機能化を図る上でのキー・テクノロジーとして最も期待される高L組成ポリ乳酸について最新の研究成果を解説する。

  1. バイオプラスチックの分類と特徴
    1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) における認証基準 (識別表示制度)
      • グリーンプラ (生分解性)
      • バイオマスプラ (バイオマス由来)
    2. 原料ソース (横軸) と生分解性 (縦軸) を指標とした4象眼分類
    3. 非生分解性バイオマスプラの最新開発動向と市場・用途展開
    4. 生分解性プラスチックの分解機構と材料設計指針
      • 酵素分解型
        • PHA
        • PBS
      • 非酵素分解型 (PLA)
        … 耐久性構造材料とバイオリサイクル材としての可能性
    5. 環境負荷低減のライフサイクルアセスメント (LCA)
  2. ポリ乳酸の高性能・高機能化技術の現状と将来展望
    1. ポリ乳酸そのものの改質
      • 耐熱性 … 現状到達レベルと用途別要求性能
        • 食品容器
        • 自動車
        • 電子機器 ほか
      • 耐久性 … 現状到達レベルと用途別要求性能
      • 耐衝撃性 … 現状到達レベルと用途別要求性能、耐熱性との両立
    2. ポリマーアロイ化による改質
      • 難燃性
    3. ポリ乳酸に残された技術的課題
      • 成形加工性
      • 寸法安定性
      • 透明耐熱性
      • ガスバリア性
    4. ステレオコンプレックス型ポリ乳酸 (sc-PLA) の可能性と限界、問題点
    5. 高L組成ポリ乳酸 (LLA-rich PLA) への期待
  3. 高L組成ポリ乳酸の結晶化挙動と性能・機能に及ぼす影響
    1. 結晶性高分子の結晶化過程
      … 溶融結晶化と冷結晶化
    2. 熱可塑性プラスチックの成形法と成形加工プロセス
      … 冷却速度と変形速度
    3. ポリ乳酸中のD-乳酸共重合比率 (XD) が結晶化挙動と性能・機能に及ぼす影響
      • 結晶化速度パラメータ
        (ts:結晶化開始時間、t1/2:半結晶化時間その他)
      • 結晶化度
      • 融点
      • 耐熱性
      • 成形加工性
      • 寸法安定性
    4. 高L組成ポリ乳酸の製造法とコストパフォーマンス
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 (14:10~15:10)

液化バイオマス由来ネットワークポリマー (熱硬化性樹脂)
成形品の開発と自動車部材への適用

趣旨

 バイオマス特に未利用或いは廃バイオマスの材料化法の一つとして各種アルコール類を媒体とし酸触媒、中温での処理によるバイオマス成分の加溶媒分解を利用した方法がある。講師の研究室で十数年前から研究されてきた方法である。最近になって外部でも取り上げられるようになってきた。
 その一つとして技術雑誌「機能材料」平成22年11月号に、三菱自動車工業(株)の材料部の研究開発者が車載部材への応用について発表している。講師の研究室の先代教授が共著者に加わっていることもあり、今回の講演会の講演者の一人に指名された。
 本講演では、フェノリシス液化物の利用であるその報文内容を紹介すると共に、そこで取り上げられていない媒体に多価アルコールを用いるアルコリシス液化とそのネットワークポリマー成形品の自動車部材への適用の可能性についても解説の予定である。

  1. 液化バイオマス由来ネットワークポリマーとは
    1. バイオマスの液化についての現象論的解説
    2. バイオマス液化の機構の研究結果の解説
    3. バイオマス液化法の改良 … 触媒の改良
    4. 他種バイオマス利活用技術との比較
      … 簡便であり合目的な手法という側面
  2. フェノール類を媒体とする液化と成形品の開発及び自動車部材への適用
    … 三菱自動車工業(株) の発表内容紹介
  3. 多価アルコールを媒体とする液化と成形品の開発
    1. 多価アルコールを媒体とする一般的バイオマス液化
    2. 演者らの最近までの取組 … 液化とウレタン樹脂化及び成形材料
    3. 他機関での取組 … 液化中心
    4. 液化とエポキシ樹脂化 … 兵庫県立大学
    5. 演者らの最近の進歩
    6. ウレタン樹脂のバイオポリマー化と自動車部材への適用
    7. バイオマス度の考え方と取扱い
    8. 若干の将来展望
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 (15:20~16:40)

バイオマス不飽和ポリエステル樹脂の特性と自動車部品としての可能性

趣旨

 カーボンニュートラルの概念により、温室効果ガス (CO2) 削減効果のある、バイオマスを含有した不飽和ポリエステル樹脂を上市した。現在各業界で、このバイオマスの使用比率の増加と、CO2削減のための様々な試みがなされている。
 本講演では、弊社のバイオマス不飽和ポリエステル樹脂「BIOMUP (バイオマップ) 」を中心に、現在参入を計画している自動車産業への検討内容およびその可能性について報告する。

  1. 複合材料について
    1. 複合材料とは
    2. 繊維強化プラスチック (FRP) の構成
    3. FRPの特長と用途、販売実績
  2. 自動車材料に使用されているFRP
    1. バンパー
    2. 鋼板代替
    3. カーボンFRP
    4. その他のFRP使用事例
  3. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂について
    1. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂のコンセプト ~ カーボンニュートラル
    2. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂の構造
    3. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂の特長と既存銘柄・開発品
  4. 自動車材料分野への取り組み
    1. 自動車材料に要求される性能
    2. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂の取り組み ~ サンドイッチパネル
    3. バイオマス不飽和ポリエステル樹脂複合材料の今後の可能性について
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 望月 政嗣
    高分子学会
    フェロー
  • 吉岡 まり子
    京都大学 大学院 農学研究科 森林科学専攻 複合材料化学分野
    講師
  • 吉田 信貴
    日本ユピカ 株式会社 技術研究所 開発グループ
    副主査

会場

大田区産業プラザ PiO

6階 C会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 40,000円 (税別) / 42,000円 (税込)
複数名
: 33,000円 (税別) / 34,650円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

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