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セルロースナノファイバーの樹脂との複合化技術とその応用

セルロースナノファイバーの樹脂との複合化技術とその応用

~無水マレイン酸変性PPの相溶化剤適用とCNFの樹脂への複合化事例の解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、セルロースナノファイバーについて基礎から解説し、セルロース/PP複合材料開発における無水マレイン酸変性PPの機能と役割、高耐衝撃PP・摺動材料・高バイオ難燃材料を実現する京都プロセス、疎水化CNFの調製とUV硬化性モノマーとの複合化による屈曲性の高いハードコート材の開発について詳解いたします。

開催日

  • 2025年9月11日(木) 10時30分15時40分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方

修得知識

  • 無水マレイン酸変性PP (MAPP) の相溶化剤としての機能
  • MAPPの添加効果
  • CNF強化プラスチック一貫製造プロセス「京都プロセス」の概要
  • セルロースナノファイバー (CNF) の基本知識
  • CNFの疎水化技術
  • 疎水化CNF複合化ハードコート材の物性

プログラム

第1部 セルロース/PP複合材料開発における無水マレイン酸変性PPの機能と役割

(2025年9月11日 10:30〜12:00)

 ポリプロピレン (PP) 系複合材料設計において「相溶化剤」は必須添加剤であり、一般に無水マレイン酸変性PP (MAPP) が使用されている。
 MAPPは“たかが“添加剤ではあるが、分子量/グラフト量バランス、ベース樹脂等の違いにより、複合材料の機械的物性に大きな影響を与える。昨今、活発に研究開発が進められているセルロースナノファイバー (CNF) やミクロフィブリル化セルロース (MFC) とPPの複合化においてもCNF、MFCの分散性向上や界面結合形成等の重要な役割を担っている。
 本講演では、無水マレイン酸変性PPの相溶化剤としての機能について、また、当研究室で行っているセルロース/PP複合化に関する研究内容について紹介する。

  1. 無水マレイン酸変性PP (MAPP)
    1. グラフト反応メカニズムとその構造
    2. 分子量/グラフト量バランス
  2. MAPPの添加効果
    1. ガラス繊維強化ポリプロピレン (GFRPP)
    2. ウッドプラスチック (WPC)
    3. 各種フィラーとの複合材料
  3. セルロース/PP複合材料の開発
    1. セルロース/PP複合化の課題と解決へのアプローチ
    2. セルロースナノファイバー (CNF) /PP
    3. ミクロフィブリル化セルロース (MFC) /PP
    • 質疑応答

第2部 京都プロセスの最近の成果

〜高耐衝撃PP、摺動材料、高バイオ難燃材料〜

(2025年9月11日 13:00〜14:00)

 セルロース繊維強化プラスチックの社会実装には、目標製品ごとに、プラスチック種を選択し、セルロース繊維を上手く複合化しなければなりません。
 本講演では、最近の複合化例の中で、要求性能に応えられるように上手く複合化できた材料 (高衝撃PP、摺動ナイロン、高バイオ度材料) の特性とメカニズムについて紹介します。
 いずれの材料もセルロースの特徴を反映させた材料となっています。CNF/プラスチックスの用途展開のヒントを得ていただければ幸いです。

  1. CNF強化プラスチック一貫製造プロセス「京都プロセス」の概要
  2. 京都プロセスによる高弾性率CNF/PPの複合化
    1. セルロース解繊促進技術
    2. 相容化技術
    3. 曲げ特性など
  3. 京都プロセスによる高耐衝撃PP
    1. 要求性能
    2. 耐衝撃性、曲げ特性
    3. 耐衝撃性発現メカニズム
  4. 京都プロセスによる高摺動性リサイクルポリアミド
    1. 要求性能
    2. 材料構成
    3. 摺動性評価
  5. 京都プロセスによる高バイオ度難燃材料
    1. 要求性能
    2. 力学的特性
    3. 難燃性
  6. その他材料事例
    • 質疑応答

第3部 疎水化CNFの調製とUV硬化性モノマーとの複合化による屈曲性の高いハードコート材の開発

(2025年9月11日 14:40〜15:40)

 植物由来の機能性ナノ繊維であるセルロースナノファイバー (CNF) は、透明な補強材料として期待されています。さらに、CNF繊維表面の疎水化により、材料の強度を上げるだけでなく靭性も向上させられることが分かっています。
 東亞合成では、独自の酸化技術で分散性の高いCNFを開発し、「アロンフィブロ」として上市しています。当社では、疎水化したCNFと、UV硬化性モノマー「アロニックス」を複合化することで、本来は硬いが脆いハードコート材に、硬くて曲がる機能性を付与させられました。本講演では、その内容に関して紹介します。

  1. セルロースナノファイバー (CNF) の基本知識
    1. セルロースの高次構造
    2. CNFの種類
    3. 東亞合成のCNF「アロンフィブロ」とその水系応用展開
  2. CNFの表面修飾技術
    1. 対イオン交換による疎水化
    2. 水酸基の変性による疎水化
  3. CNFとUV硬化性モノマー「アロニックス」との複合化
    1. UV硬化性モノマーの基本とその用途例
    2. ハードコート材の構造とその応用展開
    3. CNFとハードコート材の複合化と各種物性評価
    • 質疑応答

講師

  • 青木 憲治
    静岡大学 グローバル共創科学部
    准教授
  • 仙波 健
    地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
    研究主幹
  • 齋藤 涼
    東亞合成 株式会社 川崎フロンティエンスR&Dセンター 次世代材料研究所
    主任

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 180,000円(税別) / 198,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 210,000円(税別) / 231,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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