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共有結合性有機構造体 (COF) の合成、薄膜形成技術とその評価

共有結合性有機構造体 (COF) の合成、薄膜形成技術とその評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ガス吸着・分離や触媒、電極材料などへの応用が期待される新しい多孔質材料を取り上げ、その合成、基本的な物性、デバイス応用に向けた薄膜化、性能評価までを解説いたします。

開催日

  • 2024年2月2日(金) 10時30分 16時15分

修得知識

  • COF膜の蒸着重合による合成法
  • 気体透過と分離にかかわる原理
  • 気体分離性能の実験的評価法
  • 分子動力学シミュレーションによる気体透過の計算法
  • COF合成の基礎と実際
  • COFの高効率な成膜に関する最近の研究事例
  • COFの特徴
  • COFの合成法
  • COFの設計法
  • COFの構造解析法
  • COFの応用例

プログラム

第1部 交互蒸着重合法によるCOF膜の作製と気体分離性能の評価

(2024年2月2日 10:30〜12:00)

 COF (共有結合性有機構造体) は、共有結合でできた2次元以上のネットワーク構造をもつ高分子で、官能基の自由度や熱的化学的安定性など魅力的な特性をもつ物質である。2種類以上のモノマーからなることから合成時のストイキオメトリーの管理が重要である。われわれは高分子の蒸着重合法を改良しストイキオメトリーを高度に制御できる「デジタル交互蒸着法」を開発し、厚さ数十nm、面積cm2オーダーの自立膜を作製することに成功した。この手法を用いて合成したCOF膜のCO2を中心としたガス分離性能を評価している。
 本講座では、関連する実験手法の紹介に加えて気体分離膜の原理、評価法、分子動力学シミュレーションによる微視的理解について解説する。

  1. COFの蒸着重合による合成
    1. 高分子の蒸着重合
    2. COFの特殊性と交互蒸着重合による合成
  2. 気体の膜分離の原理
    1. 気体の膜透過の基礎
    2. 分離メカニズムと様々な分離膜
  3. COF膜による気体分離性能の測定法
    1. 測定手法
    2. COF膜の性能
  4. 分子動力学シミュレーション
    1. 手法と気を付ける点
    2. 結果と解析、新物質設計への指針
  5. まとめと展望
    • 質疑応答

第2部 塗布重合法によるCOF薄膜の形成とその物性評価

(2024年2月2日 13:00〜14:30)

 COFは良好な構造秩序と高い設計自由度を兼ね備えた有機多孔ポリマーであり、ガス吸着・吸蔵から触媒やエレクトロニクスに至るまで、幅広い分野での応用が期待されている。一方、COFは一般に不溶性の微粉末として得られるため薄膜化などの加工が難しく、そのことが応用開発における大きな制約の一つになっている。
 本講演では、合成化学的視点からCOF研究の基礎と先端事例を概観したあと、デバイス応用を志向したCOF薄膜の作製と評価に関する代表的な研究例を解説する。さらに、我々が取り組む「塗布重合法」によるCOF薄膜の形成について、直近の成果を紹介する。

  1. COF合成の基礎
    1. 構造設計
    2. 反応および単離
    3. 構造評価
  2. COF合成の実際
    1. 代表的な化合物
    2. 結晶性の向上
    3. 複雑性の導入
  3. COFの成膜研究
    1. 初期の研究例
    2. 「塗布重合法」
  4. COF薄膜の物性
    • 質疑応答

第3部 3次元網目構造を有するCOFの合成と構造、物性評価

(2024年2月2日 14:45〜16:15)

 本講座では、前半部においてはCOFの基礎の学習を、後半部においては最近の研究例の学習を目的としている。具体的には、COFの特徴、合成法、設計法、構造解析法、応用例などについて学習する。

  1. 序論
  2. COFの特徴
  3. COF の合成
  4. 我々の最近の研究成果
    1. 合成
      1. scuトポロジー
      2. ptsトポロジー
      3. stpトポロジー
      4. sqlトポロジー
    2. 応用
      1. ドラッグデリバリー
      2. 水洗浄
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 島田 敏宏
    北海道大学 大学院 工学研究院 応用化学部門
    教授
  • 鈴木 充朗
    大阪大学 大学院 工学研究科
    准教授
  • 根岸 雄一
    東京理科大学 理学部 第一部 応用化学科
    教授

主催

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