技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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PET樹脂を原料とする加工品として、PETフィルムやPETボトルは最もポピュラーなプラスチック製品であろう。本書では、PETフィルムは「包装用PETフィルム」と「工業用PETフィルム」に大別してそれぞれについて直近の動向を分析した。
包装用PETフィルムは、2020年までの数年を見ると、内需全体としてはほぼ横ばい推移となっている。その中でのタイプ内訳としては、バリアータイプのPETフィルムの場合、2019年までは増加推移を続けていたものの、2020年は横ばいにとどまっている。2020年の場合は新型コロナウイルスの影響から「巣ごもり需要」が増加し、増加に対応した食品タイプに採用されたバリアーフィルムが増加し、それ以外は低調だったという特殊な事情があった。バリアーフィルムは今後長期的には基本的に増加推移が見込まれる。また、バリアーフィルム以外の包装用PETフィルムは、残念ながら微減推移となった。
工業用PETフィルムは、2020年までの数年を見ると、内需全体としては微減推移となっている。これは好調用途と低調用途がはっきりと分かれており、好調用途数が低調用途数に比較して多くないことから、全体として微減推移という結果となった。好調な工業用PETフィルムの代表的なものは、特に「離型フィルム用途」であり、光学用やセラミックチップコンデンサ用、メディカル貼付薬用などでは大きな増加となっている。
また、PETボトル市場については、本書では大別して「飲料用PETボトル」と「食品用PETボトル」に分類した。
飲料用PETボトルは2020年、やはり新型コロナウイルスの影響により、家庭内需要が増加したのに対して、アウトドア需要が減少した。そのため「大容量ボトル→増加、小容量ボトル→減少」という傾向が顕著となった。そのため本数市場規模では、2020年は前年比減少という珍しい現象が起きている。
食品用PETボトルは、主として液体調味料類に採用される。ボトルタイプの液体調味料としては、PETボトルの他にガラス瓶やポリオレフィン (ポリエチレンやポリプロピレン) ボトルがあり、これら素材間競合の中でPETボトルが他を代替して伸長しているという構図になっている。
本書が包材サプライヤー、包材ユーザーの事業戦略のヒントになる資料に仕上がっていれば幸いである。
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