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パワーデバイスSiC結晶欠陥の基礎知識とその観察・評価技術

パワーデバイスSiC結晶欠陥の基礎知識とその観察・評価技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、SiC結晶やその欠陥の種類、デバイス特性への影響から結晶欠陥の評価手法までを解説いたします。

開催日

  • 2025年10月17日(金) 13時00分16時00分

受講対象者

  • SiCウェハの結晶欠陥とその評価手法について理解を深めたい技術者・研究者

修得知識

  • SiC結晶欠陥に関する基礎知識
  • SiC結晶の評価技術の具体的手法
  • 実務における結晶品質評価や欠陥制御に活かすことができる知識、ノウハウ

プログラム

 SiCパワーデバイスは次世代の電力エレクトロニクスを支える重要材料ですが、その性能を十分に引き出すにはSiC基板に含まれる結晶欠陥の理解と制御が欠かせません。
 本セミナーでは、最新のSiC基板市場の動向や課題を踏まえつつ、SiC結晶構造と欠陥に関する基礎知識を体系的に解説します。また、透過電子顕微鏡やX線トポグラフィ、偏光顕微鏡などを用いた多様な観察・評価技術を詳しく紹介し、マルチモーダル解析や画像処理を用いた欠陥自動検出の具体例についても解説します。さらに、溶液成長法やイオン注入技術による欠陥の抑制・制御の最前線を取り上げ、高品質SiC基板実現に向けた技術的展望について議論します。

  1. SiC基板の市場動向と最新トピックス
    1. SiC基板市場の現状と成長予測
      1. 2024年市場実績とその背景
      2. 2030年に向けた市場規模・成長見通し
        • EV
        • 再生可能エネルギー市場等
    2. 最新トピックス (2025年)
      1. 200 mm (8インチ) SiCウェハ量産1年
      2. 最大手Wolfspeedの破産リスク
      3. 中国勢の台頭と価格崩落の影響
  2. SiCパワーデバイスと結晶欠陥の基礎
    1. SiCパワーデバイスの特性と実用化
      1. SiCとSiパワーデバイスの性能比較
        • 耐圧
        • 熱伝導
        • バンドギャップ等
      2. 実用化の代表例 (新幹線N700SのブロアレスCIユニット)
    2. SiC結晶欠陥の重要性
      1. 欠陥がパワーデバイスに与える影響
        • 性能
        • 信頼性
        • 歩留まり
      2. Si基板と異なるSiC基板の欠陥管理の重要性
  3. SiCの結晶構造と多形 (ポリタイプ)
    1. SiCの結晶多形の基礎知識
      1. Ramsdell、Zhdanov記号による分類法
      2. 主な多形 (4H, 6H, 3C) の特徴と応用
    2. SiC基板表面の構造
      1. Si面・C面の特徴と安定性
      2. オフ角 (off-angle) の役割とエピタキシャル成長への影響
  4. 結晶欠陥の種類とその物理的性質
    1. 欠陥の基本分類
      1. 点欠陥
        • 空孔
        • 不純物
      2. 線欠陥
        • 転位
          • 刃状
          • らせん
          • 混合転位
      3. 面欠陥
        • 積層欠陥
        • 異相界面
      4. 体積欠陥
        • ボイド
        • 割れ
        • 析出物
  5. SiC結晶欠陥がパワーデバイスに与える影響
    1. 主要欠陥によるデバイス特性劣化
      1. マイクロパイプによる耐圧劣化
      2. 貫通転位 (TSD/TMD/TED) のリーク電流増加
      3. 基底面転位 (BPD) の積層欠陥拡張 (バイポーラデバイス劣化)
    2. 結晶品質とデバイス歩留まり・信頼性
      1. 酸化膜信頼性との関係
      2. MOSFET歩留まりと欠陥密度の相関関係
  6. SiC結晶欠陥の観察・評価技術
    1. 顕微鏡を用いた欠陥評価
      1. 透過電子顕微鏡 (TEM/STEM) による評価
      2. KOHエッチング法の実例と特徴
    2. 光学的評価技術
      1. フォトルミネッセンス (PL) による欠陥評価
      2. 偏光顕微鏡 (光弾性・複屈折) を用いた評価手法
    3. X線トポグラフィによる非破壊欠陥評価
      1. 放射光X線トポグラフィの原理と応用
      2. 実験室X線トポグラフィの活用事例
  7. マルチモーダル解析と欠陥自動検出技術
    1. マルチモーダル解析手法の活用
      1. 複数の評価技術の組み合わせによる欠陥特定
      2. 同一箇所に対する多角的評価の有効性
    2. 画像処理アルゴリズムを用いた欠陥の自動検出
      1. 画像処理による偏光観察像の自動検出
      2. テンプレートマッチングによるPL画像からの欠陥検出
  8. 結晶成長技術による欠陥制御・低減 (溶液成長法)
    1. 溶液法 (TSSG法) の基本と高品質化の原理
      1. 昇華法との違い (原理・特徴)
      2. 溶液成長における転位低減メカニズム (TSD/TEDの基底面欠陥変換)
    2. 溶液成長法による高品質SiC結晶の実現
      1. Si面/C面二段階成長法による転位密度低減
      2. 溶液成長法の現状と課題 (バルク化への取り組み)
  9. 積層欠陥の拡張抑制技術 (イオン注入によるアプローチ)
    1. 積層欠陥拡張メカニズム
      1. Quantum-wellモデルによる積層欠陥の駆動力説明
    2. プロトン注入を用いた欠陥拡張抑制
      1. 転位ピンニング効果の原理と実証結果
      2. ドーズ量とキャリアライフタイムに関する最適化

講師

  • 原田 俊太
    名古屋大学 未来材料・システム研究所 附属未来エレクトロニクス集積研究センター 未来デバイス部
    准教授

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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