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窒化ホウ素の分散、配向制御と高熱伝導材料の開発

窒化ホウ素の分散、配向制御と高熱伝導材料の開発

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、窒化物系フィラーの剥離、分散、充填、表面改質、配向制御技術を解説いたします。

開催日

  • 2025年5月9日(金) 10時30分 17時20分

受講対象者

  • 熱伝導性ポリマー系コンポジット開発に携わる方
  • 電気機器の絶縁材料、放熱設計技術者

修得知識

  • フィラーの分散・充填技術
  • フィラーの表面改質技術
  • フィラーのハイブリッド化技術
  • 高熱伝導球状窒化ホウ素フィラーの開発
  • 窒化ホウ素の剥離技術とナノシートの創出
  • 樹脂材料の放熱材料設計指針
  • パワーモジュールの放熱構造

プログラム

第1部 窒化物フィラーの分散、充填、表面改質、ハイブリッド技術

(2025年5月9日 10:30〜12:00)

 近年、サーマルマネージメント材料として熱伝導性フィラーを用いたポリマー系コンポジットが幅広く使用されている。ポリマー系コンポジットの熱伝導率を向上させる微視構造設計手法として、フィラーの最密充填技術、フィラーのハイブリッド化による伝熱ネットワーク構造形成技術が注目されており、現在、窒化物フィラーが有効な熱伝導性フィラーとして期待されている。
 本セミナーでは、窒化物フィラーを中心として、フィラーの分散、充填、表面改質、ハイブリッド技術について概説し、高い熱伝導率を有するポリマー系コンポジットの開発ノウハウを習得することを目指す。

  1. フィラーの種類と熱伝導率
    1. フィラーの種類と熱伝導率
    2. フィラーの形状
    3. フィラーの粒度分布
  2. フィラーの高充填技術
    1. フィラー粒度分布を考慮した粘度予測理論
    2. フィラー最密充填理論
    3. フィラー最密充填によるポリマー系コンポジットの高熱伝導率と低粘度の両立
    4. 数値シミュレーションを活用した新しいフィラー充填構造設計手法
  3. フィラーのハイブリッド化技術
    1. ナノフィラー活用によるネットワーク構造形成事例
    2. ナノ・ミクロハイブリッドフィラーを用いた熱伝導率向上事例
  4. フィラーの表面改質技術
    1. フィラーの表面改質方法
    2. 窒化物フィラーの表面改質事例
  5. 高熱伝導性ポリマー系コンポジット開発事例紹介
    1. 窒化物フィラーを用いたポリマー系コンポジットの開発動向
    2. アルミナとカーボンナノチューブのハイブリッド化
    3. 窒化ホウ素とアルミナナノワイヤーのハイブリッド化
    4. 窒化ホウ素とアルミナ粒子のハイブリッド化
    • 質疑応答

第2部 異方性を改善した高熱伝導球状窒化ホウ素フィラーの開発

(2025年5月9日 13:00〜14:00)

 わずか0.2W/mK程度の絶縁体有機樹脂の熱伝導を向上させるために、高熱伝導セラミックスとの複合化が研究されている。しかし、市販のセラミックス粉末は焼結性を重視して作製されているため、一般的に粉末としての熱伝導は低いものであった。
 本研究では、高熱伝導を有する窒化ホウ素 (BN) フィラーを化学合成し,エポキシ樹脂に添加することにより作製した高熱伝導樹脂複合材料について講演する。

  1. 高熱伝導非酸化物セラミックス
    1. 高熱伝導フィラーの選択
    2. 代表的な材料の熱伝導度
    3. 窒化アルミニウム (AlN)
      1. AIN焼結体の熱伝導度
      2. AlNセラミックスの熱伝導における粒径の影響
    4. 窒化ケイ素 (Si3N4)
      1. Si3N4焼結体の熱伝導度
      2. Si3N4セラミックスの平均粒径と熱伝導度の関係
    5. 窒化ホウ素 (BN) の熱伝導率
    6. その他非酸化物の熱伝導率
      1. SiCセラミックスの熱伝導度
      2. 非酸化物セラミックスの熱伝導度と電気伝導
  2. 等軸状BNフィラー添加エポキシ複合材料の開発
    1. 等軸状BNフィラー添加エポキシ複合材料
    2. 球状BN添加フィラー添加エポキシ複合材料
    • 質疑応答

第3部 窒化ホウ素の剥離技術とナノシートの創出

(2025年5月9日 14:10〜15:40)

 窒化ホウ素などの層状鉱物は、面内の強度は高いもののの、層間はファンデルワールス力で弱く結合しているため、外力を付加することで剥離が進んで厚み10nm 以下のナノシートを得ることができる。グラファイトナノプレートや窒化ホウ素ナノシートは強度に優れ、かつ熱伝導も高いために、機械材料と複合化させることで、高強度化や高熱伝導化をはかることができる。他の材料とナノシートを複合化する際に、ナノシートのアスペクト比 (大きさ / 厚み) が最も重要なファクターとなる。アスペクト比が高いほど熱伝導パスの形成に有利であり、そのため、可能な限り面内の大きさを保ちつつ、剥離を進行させるプロセス開発が求められる。
 本セミナーでは層状鉱物を剥離してナノシートを生産するための手法について概説するとともに、熱伝導シートへと応用した事例を紹介する。

  1. 熱伝導フィラーについて
    1. 熱伝導フィラーの種類
    2. ナノシートを利用した材料開発の事例
    3. 熱伝導性を高めるためのナノシートの要求仕様
  2. 窒化ホウ素の剥離技術
    1. 剥離分散性を高めるためのポイント
    2. 剥離分散プロセスの最先端
    3. フィラーの構造変化による剥離分散性の向上
  3. 高熱伝導シートの開発
    1. 高アスペクトナノシートの作製とフィルム化
    2. 内部構造と熱伝導率の関係について
    3. 高熱伝導フィルムの最先端
    • 質疑応答

第4部 窒化ホウ素の配向制御による低充填量での複合材料の高熱伝導化とパワーモジュールへの適応

(2025年5月9日 15:50〜17:20)

 パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっている。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素 (h-BN) 粒子を充填した樹脂複合材料が用いられる。このh-BN粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有する。そのためh-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要がある。
 本講演では、樹脂複合材料中でのh-BN粒子の配向とその熱伝導率の関係を明らかにし、パワーモジュール機器に適用した時の効果について紹介する。

  1. 電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ – パワーモジュール適用例を中心に –
  2. 高熱伝導複合材料の基礎と応用
    1. 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
    2. モールド型パワーモジュールへの応用
  3. 複合材料の熱伝導率向上技術
    1. 鱗片BN、AlNフィラーの高充填化
    2. 凝集BNフィラーによる配向制御 (低充填化)
  4. 高熱伝導複合材料のパワーモジュールへの適用に向けて
    • 質疑応答

講師

  • 真田 和昭
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    教授
  • 楠瀬 尚史
    香川大学 工学部 材料創造工学科
    教授
  • 荒尾 与史彦
    早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科
    准教授
  • 三村 研史
    三菱電機 株式会社 先端技術総合研究所 マテリアル技術部
    主席技師長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
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  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
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