技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

基礎から学ぶ分析法バリデーション

品質トラブルを未然に防ぐための

基礎から学ぶ分析法バリデーション

~QCに必要な評価方法を正しく理解するための関連知識修得~
オンライン 開催
  • ライブ配信セミナーには、特典としてアーカイブ配信が付きます。
  • アーカイブ配信の視聴期間は2025年2月12日〜18日を予定しております。
  • ライブ配信を受講しない場合は、「アーカイブ配信」をご選択ください。

概要

本セミナーでは、分析バリデーション (メソッドバリデーション) 、分析パラメーター、統計的な知識、注意すべきポイント、官能検査での注意事項、標準品管理について、豊富な経験に基づき、具体的事例を交え詳しく解説いたします。

開催日

  • 2025年2月5日(水) 10時00分 16時30分

修得知識

  • 分析バリデーション (メソッドバリデーション) の基礎
  • 分析パラメーター
  • 分析バリデーションに必要な統計
  • 分析方法の基本
  • 分析で注意すべき点
  • 官能検査での注意事項
  • 標準品管理
  • データインテグリティ

プログラム

 小林化工での健康被害を起こしたロットでは、普段ないピークが検出されていた。ところが、分析の原理を十分把握していなかったため、問題に気付きませんでした。また統計の基礎知識が弱かったため、データの持っている意味を理解できませんでした。本セミナーでは分析バリデーションという狭い定義の内容だけでなく、試験そのものについて理解を深める内容としています。
 分析バリデーションは、新規申請資料の試験方法設定時に必須になります。実際は申請だけでなく、日常の試験検査や品質トラブル解決のための新しい評価方法確立、洗浄バリデーションの試験方法作成、官能検査の実施など、多くの場面で重要な役割を担っています。また、分析バリデーションには統計的な知識も必要になります。医薬品開発・製造では分析そのものへの知識があって実際に意味ある試験方法ができ、問題への対応が可能となります。そのための基本から総合的に学ぶ機会としたい。その他、官能検査、標準品管理についても説明します。
 最近PMDAによる無通告査察などに関する試験の不備/齟齬から製品回収になっており、その対策についても紹介する。品質トラブルが発生した時、分析の基本知識は必須です。QCの結果を100%信用していると大きなトラブルを招きかねません。QAの方で分析の経験がない方にも知っておいて欲しい基本的な内容を網羅しています。
 試験法についての齟齬の範囲について当局から考え方が出されており、それについても紹介する。分析バリデーションとそれに関連する分析のトラブルを取り上げ、分析での品質問題にきちんと対応できる学びにしています。

  1. 分析バリデーションは何故必要か
    1. バリデーションされていないと何が起きるか
    2. 分析方法は手段
      • 何を分析したいのか
      • どこまで分析したいのか
  2. 分析バリデーションのいろいろ
    1. 新規分析法作成時のメソッドバリデーション
    2. 試験方法移管時のサイトバリデーション
    3. 代替試験法設定のバリデーション
    4. 洗浄バリデーションの試験方法のバリデーション
    5. 機器のキャリブレーション
    6. 機器の適格性評価 (DQ、IQ、OQ、PQ)
    7. トレーサビリィティ
    8. 官能検査のバリデーションとは
      • 注射剤の不溶性異物試験
  3. 知っておきたい統計の知識
    1. 統計確率の重要性
      • 競馬と宝くじ、どちらが儲かるか
      • ナイチンゲールは統計学者だった
      • ゴルゴ13は弾の品質保証を行っていた など
    2. バラツキの概念 (正規分布/ニ項分布/ポアソン分布) と分析バラツキの要因
      • データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること
    3. 統計学の基本定理 (中心極限定理と大数の法則)
    4. 基本統計量 (平均値と分散、標準偏差/不偏標準偏差)
    5. 工程能力指数
    6. 95%信頼区間
    7. 相関係数と回帰式
    8. F検定&t検定
    9. 分散分析
    10. 抜取り試験/OC曲線
  4. 分析能パラメータ (Validation Characteristics)
    1. 真度 (Accuracy/Trueness)
    2. 精度 (Precision)
    3. 特異性 (Specificity)
    4. 検出限界 (Detection limit)
    5. 定量限界 (Quantitation limit)
    6. 直線性 (Linearity)
    7. 範囲 (Range)
    8. 頑健性 (Robustness)
    9. 分析バラツキと規格設定の考え方
    10. 公定書への適用 (Qualification) について
    11. 日本薬局方の規格値設定で考慮すべきこと
    12. 製造所は分析バリデーションレポートを研開または製販からもらい、試験法を知る
    13. 分析法バリデーション関連の2つのGLがステップ4到達、ICHプラハ会合で
  5. 分析方法の基本を知る
    1. 滴定
    2. 比色反応
    3. 誘導体の作成
    4. 分離分析
      • GC
      • HPLC 検出器 (UVなど)
    5. 結晶径の違いを知る
      • TG
      • DSC
      • X線回折
    6. 異物の同定
      • FT-IR (顕微鏡IR)
      • X線マイクロアナライザー
      • ラマン分光
  6. 標準品の設定と管理
    1. 国の標準品とのトレーサビリティ
    2. 二次標準品設定
    3. 製剤の標準品は99.0%以上の活用
    4. 標品の管理 (類縁物質)
    5. 標準品の変更管理での品質トラブル事例
  7. 分析バリデーションとサンプリングの関係
    1. “原則品質部門がサンプリングする“の意味 (GMP逐条解説&事例集から)
    2. QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証
    3. サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う
    4. 承認書や日局にn数が規定されていない理由
    5. サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点
  8. 分析方法の設定事例
    1. UV法をHPLC法へ
    2. 糖の滴定をHPLCへ
    3. 分析の自動化
    4. 特殊な分析方法の開発
  9. 分析方法の失敗事例
    1. 標準品の評価が分析方法で異なる
    2. 古い試験方法の対応
      • 製造販売承認書の機器廃棄
      • OOSを起こしやすい製剤
      • OOSを起こしやすい試験
    3. カラムの変更について (オレンジレターから)
    4. フィルム錠のフィルムが粉砕されない
  10. OOS発生時のラボエラー調査
    1. 標準品変更時のOOS
    2. ラボエラーに気付かず製品回収
    3. PMDAによる試験不備による製品回収
    4. 日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
    5. 規格限界値付近のデータの意味とその対応
    6. FDAの最新のOOSガイドライン紹介 (和訳)
  11. 代替試験方法使用時の注意事項
    1. 製造段階の管理値との関係 (OOT設定)
    2. 経年での評価
    3. 最近のPMDAによる代替試験に関する製品回収
    4. 代替試験法は原則禁止 2022年GMP事例集より
    5. 代替試験法を認める「通知」&「Q&A」
    6. 試験方法の軽微変更と一部変更申請の記述
    7. 試験法の齟齬解釈
  12. 日本薬局方 (JP) 変更時並びに新規収載時の対応
    1. JP変更時の対応
    2. 新規収載申請時の注意点
  13. 分析バラツキと規格設定の考え方
    1. 含量試験
    2. 類縁、不純物
    3. 溶出試験
  14. 安定性試験の経年低下防止
    1. 回帰式での予測
    2. 過量仕込み対応
  15. FDAの査察/Warning Letterとデータインテグリティ
    1. FDAの査察
    2. Warning Letter
    3. 欧米のデータインテグリティガイドライン紹介
      • PIC/SDIガイダンス
      • FDAガイダンス
  16. PMDAの無通告査察で指摘される前にQCの試験法などについて確認したいこと
    1. 試験の齟齬による回収
    2. 齟齬確認のポイント
  17. 小林化工の事例から学ぶ
    1. 普段ないピークへの正しい対応できず
    2. OOSの対応不備
    3. 承認書の試験方法と正しい試験方法の違い
    4. 判定値の統計的意味
      • 含量の値
      • 溶出試験の値
      • 該当ロットは含量低下&逆に溶出試験の高い値の矛盾について
    5. 分析バリデーションの真値の失敗
    6. 習慣性医薬品の管理
  18. QCで防ぎたい品質トラブル
    1. 溶出試験の統計確率のリスクの考え方
    2. 主薬の結晶形の影響
    3. 主薬の物性の溶出試験への影響
    4. 類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響
  19. 試験者の教育訓練と認定
    1. 認定制度
    2. 試験方法のノウハウ集 (研修資料)
  20. 人が創る品質/FDAのQuality Culture
  21. 質疑応答

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 40,000円 (税別) / 44,000円 (税込)

受講者の声

  • 品質について過去の事例や統計学的な観点から詳しくお話いただけたことは非常に勉強になりました。分析法バリデーションについては、実施する意義などから話していただけたため、フォローしやすかったです。また、質問に対してタイムリーにリアクションいただけたことは幸いでした。
  • 参考になる内容でした。ボリュームが盛りだくさんでしたが、事例も多く参考になりました。
  • 講師の先生のQA、QCに対する熱意が伝わってきました。改めて身が引き締まる思いでした 。
  • 事例を交えた内容であったため、理解しやすいと感じました。ありがとうございました。
  • 例示が何個もあったので、わかりやすかったです。

複数名同時申込割引について

複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。

  • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
  • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 80,000円(税別) / 88,000円(税込)
  • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 120,000円(税別) / 132,000円(税込)

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

  • 「Zoom」を使ったライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルを配布予定です。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

ライブ配信セミナーをご希望の場合

  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

アーカイブ配信セミナーをご希望の場合

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • アーカイブ配信の視聴期間は2025年2月12日〜18日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/13 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/13 分析法バリデーションのための統計解析入門と分析能パラメータ計算法入門 東京都 オンライン
2024/12/13 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2024/12/13 現場の視点で考える効果的な洗浄バリデーションのポイントと継続的な検証 オンライン
2024/12/13 承認申請プロセスに関わるPMDA提出資料 (CTD/照会事項回答) 作成のポイント オンライン
2024/12/13 ストレス・感性・快適性の評価技術と商品開発への応用と実際 オンライン
2024/12/13 分析法バリデーションの統計解析入門 オンライン
2024/12/13 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2024/12/13 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/18 GMP省令改正に対応した供給者管理の留意点 東京都 会場・オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/10/20 食品賞味期限設定における商品別事例と官能評価対応ノウハウ
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/3/31 “使いやすさ”の定量評価と製品設計への落とし込み方
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ