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フィルムの乾燥技術、乾燥プロセスの最適化とトラブル対策

フィルムの乾燥技術、乾燥プロセスの最適化とトラブル対策

~高品質かつ生産性を保つフィルムの上手な乾かし方を確立するために~
オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2024年12月16日〜27日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2024年12月16日まで承ります。

概要

本セミナーでは、乾燥プロセスのイメージ作りができるよう、乾燥現象の基礎と留意点についてわかりやすく解説いたします。
基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介いたします。
更に、風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説いたします。

開催日

  • 2024年12月3日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • フィルムメーカー、コンバーター、Roll To Roll工程に携わる技術者
  • 塗工研究や製造に携わる方
  • これからRoll To Rollに関わる方

修得知識

  • Roll To Roll製造における乾燥現象の考え方
  • 乾燥工程の設計方法
  • 乾燥設備の違いと特徴
  • 高分子膜の溶剤調湿
  • 実験室から量産にスケールアップする際の留意点

プログラム

 機能性フィルムをRoll To Rollのウェット工程で製造する際、塗って乾かす工程が必ず必要になる。この中で、乾燥工程は膜質に大きく影響し、新製品開発をスケールアップして量産機で試作しても、少量品の品質性能を再現しにくい一因である。更に乾燥速度は生産能力速度に直結するので、品質を損なわずに生産性を保つ乾燥方法と条件を見つめなければならない。
 このように乾燥工程はフィルム製品を作る上で重要な要因であるにもかかわらず、多くの研究者や工程技術者は「乾燥は難解」という印象を持っているであろう。何故ならば、乾燥を解説した書物や論文は特殊な現象を取り扱っていたり、厳密さを突き詰めるがあまり、数式が羅列して難篩過ぎるからである。また、塗工液には水系と有機溶媒系があり、乾燥現象を共通して取り扱う書物が少ない。しかし、乾燥現象は洗濯や風呂あがりのドライヤーなど、日常生活で経験する現象であり、乾き方や乾燥時間について誰もがイメージを持っているし、水系・有機溶媒系に関わらず移動現象として共通した説明が可能なはずである。
 そこで、「程ほどにイメージを持てる丁度良い解説」を目指して、このセミナーでは「乾燥プロセスのイメージ作り」ができるよう、乾燥現象のツボを難篩過ぎず解りやすく解説する。基礎理論を紹介した上で、演習ツールを活用して、実際の乾燥条件の計算方法を紹介する。更に風ムラやベナールセルなど塗工品で発生する面状トラブルの原因と対策についても解説する。

  1. はじめに
    1. はじめに
    2. 「減率乾燥」と「限界含水率」
    3. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)
    4. フィルムが利用されている製品は?
    5. 製品に占めるフィルム要素
    6. フィルムの構成要素 〜 厚みと層数 〜
    7. 塗る 〜 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)
    8. 開発のステップ
    9. 実験室とRoll To Rollの違い
    10. 乾かし方も色々
    11. 日常生活で関わる乾燥
    12. 家庭の乾燥機器
    13. 乾燥の支配因子
    14. このセミナーの進め方
  2. 【基礎編】乾燥設備と溶媒の寄与
    1. 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
    2. 乾燥風の供給方法 (並行流)
    3. 乾燥風の吹き出し方式 (二次元ノズル)
    4. 乾燥風の吹き出し方式 (多孔板)
    5. 乾燥風の吹き出し方式 (浮上系)
    6. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)
    7. 乾燥に関わる物性値
    8. 水系の乾燥速度
    9. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
    10. 比エンタルピー (=潜熱+顕熱)
    11. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱
    12. 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧
    13. 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度
    14. 各溶媒の空気線図
    15. 等湿球温度線 (1) 水はLewis近似式
    16. 等湿球温度線 (2) Colburn – Chiltonの相関
    17. 物質と熱の拡散 (ルイス数)
  3. 定率期間と減率期間
    1. 限界含水率と固形分濃度
    2. 乾燥中の膜内の溶媒移動
    3. 減率乾燥の実測 (水〜PVA)
  4. 【演習】乾燥計算の練習 (第1ラウンド)
    1. 風量の影響
    2. 湿度の影響
    3. 風温の影響
    4. 溶媒の影響
  5. 減率乾燥速度
    1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)
    2. 乾燥係数をN=1にすると? (収束しない)
    3. 減率乾燥を実測で見積もるために
    4. 減率乾燥を実測で見積もる手順
    5. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
    6. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
      1. 成分系の減率乾燥 (MEK+トルエン)
      2. 成分系の室温乾燥 (MEK+シクロヘキサノン)
      3. 成分系の溶媒比率 (MEK+EB)
      4. 成分系の乾燥挙動
      5. 成分系の乾燥見積もり
    7. 粒子〜高分子の混合系 (SiO2+PVA)
    8. 共沸混合物の乾燥
  6. 乾燥設備
    1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)
    2. 乾燥方式と伝熱係数
    3. 各方式の能力比較
    4. 乾燥効率の支配因子 (噴流)
    5. 噴流の距離と減衰
    6. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)
    7. 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
    8. 多孔板の孔形状
    9. 幅要因 (どこで排気するか?)
    10. 風の分配と風向 (傾斜ノズル)
    11. フローティング (浮上系)
    12. 風の取り回し (直列と並列)
    13. 風の取り回し (品質と省エネと投資)
  7. 【演習】 乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)
    1. 並行流
    2. 二次元ノズル
    3. 多孔板
    4. 複合ゾーン
  8. 乾燥起因の面状トラブルと対策
    1. ベナールセル (ゆず肌)
    2. ベナールセル (マランゴニ効果に影響する物性)
    3. ベナールセル (マランゴニ数による診断)
    4. ハジキ (メカニズム)
    5. クリーン化による異物対策
    6. クリーン度を維持する換気と風速
    7. 塗工室の換気が誘発する風ムラ
    8. レベリングの理論 (Orchard 式)
    9. 塗工室の換気による風ムラのレベリング
    10. 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度
    11. 工程クリーン度の診断
    12. 工程クリーン度の診断例
    13. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
    14. 塗工室の気流の数値解析
    15. 塗工室内の要因と気流のシミュレーション
    16. 塗工室前後の差圧の影響
    17. 気流の履歴
    18. 数値計算結果まとめ
    19. 乾燥初期の風ムラ (風速の影響)
    20. 乾燥初期の風ムラ (風温の影響)
    21. 風ムラ対策 (遮風)
    22. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
    23. レベリング (基板の凹凸ムラ)
    24. 乾燥中の発泡トラブル対策
    25. 白化現象の原因と対策
    26. マイグレーションによる白化 (封止層)
    27. マイグレーションによる白化 (鹸化工程)
    28. 不相溶による白化 (表面保護フィルム)
    29. 延伸による白化 (ボイド)
  9. 調湿 (膜中の残留溶媒の調整)
    1. 残留溶媒の調整 (絶乾と調湿)
    2. 調湿時の含水率履歴
    3. 調湿曲線の表現方法
    4. 平衡含水率と湿度
    5. 調湿の支配因子 (風速に依存せず)
    6. 調湿の支配因子 (湿度と温度)
    7. 表面抵抗による簡易評価
    8. 乾燥炉内の調湿
  10. よくある質問
    1. 膜面温度やガス濃度は、どのように評価するの?
    2. 溶媒を選定する際、沸点だけを機にすれば良いのか?固形分との相性は?
    3. 限界含水率の見積もり方は?
    4. 始めから減率期の場合はどう評価する?
    5. 表面に皮張りが形成されて乾燥が遅くなる?
    6. 活物質とバインダーは膜内で均一に分布できるか?
    7. 乾燥方式と設定条件を決めるための基準はあるのか?
  11. 困り事への対策
    1. 塗工速度アップすると膜質が悪化する
    2. 多成分溶媒の種類選定に迷っている
    3. 実験室で風紋を再現できない
    4. 異物やハジキなど面状トラブルの解析と対策
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 36,200円 (税別) / 39,820円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 36,200円(税別) / 39,820円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
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  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2024年12月16日〜27日を予定しております。
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本セミナーは終了いたしました。

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