技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高速高周波用フッ素樹脂基板の材料開発と接着性向上技術

高速高周波用フッ素樹脂基板の材料開発と接着性向上技術

~接着性・分散性を有するフッ素樹脂、接着性を高める表面改質技術~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、5G・ミリ波対応に向けた高周波基板材料について取り上げ、低誘電損失を実現する樹脂設計のポイントと実際の開発事例について詳解いたします。

開催日

  • 2024年9月30日(月) 10時30分 16時15分

修得知識

  • B5G/6Gの要求機能と低損失な部品材料への期待
  • 低損失材料 (フッ素樹脂・フィラー材料) の特性
  • B5G/6G市場への低損失材料の使用例、FPC・リジッドPCB等アプリケーション例
  • エキシマランプおよび波長172 nmの遠紫外線の特徴と応用事例
  • 紫外線によるフッ素樹脂の親水化と応用事例
  • マイルドプラズマTM表面処理 (特に少エッチング (アブレーション) 処理) の効果と表面状態
  • 表面状態と直接接合メカニズム
  • マイルドプラズマTM表面処理の他樹脂への応用

プログラム

第1部 高速高周波用プリント基板材料の開発動向

(2024年9月30日 10:30〜12:00)

 プリント基板用の材料選択において、高周波信号の伝送損失が小さい低損失材料が注目を浴びている。その中でもフッ素系材料、特にフッ素樹脂は、比誘電率と誘電正接が小さい材料として知られている。しかし従来のフッ素樹脂はその不活性な性質により、他材料との接着・分散などの複合化が困難であり、回路基板としては一部の用途への適用に限られていた。また回路基板の電気特性、機械特性などを調整するために様々なフィラー材料が用いられるが、電気信号の高周波化が進む現在、低誘電性と機械強度を兼ね備え、さらに配合時に良好な分散性を有するフィラー材料が求められている。
 このような状況下、AGCでは独自のフッ素樹脂設計技術により、接着性や分散性を有するフッ素樹脂、Fluon+TM EA-2000と低誘電シリカフィラーを開発した。これら材料を他の回路基板材料と多様な形で複合化することにより、フッ素樹脂・低誘電シリカの電気特性と他材料の機械特性を補い合った、B5G/6G周波帯に適した基板材料の実現が可能となる。
 本講座では、まずB5G/6G回路基板材料の要求性能について述べた後、AGCのFluon+TM EA-2000および低誘電シリカフィラーの高周波回路基板への適用法とその性能について詳述する。

  1. B5G/6Gの要求機能と部品材料への期待
  2. 接着性フッ素樹脂 Fluon+TM EA-2000 のご紹介
    1. EA-2000の基本特性
    2. B5G/6G市場への低損失材料構成、FPCへのアプリケーション例
    3. リジッドPCBへのアプリケーション例
    4. 伝送損失評価・シミュレーション
  3. 低誘電シリカフィラーのご紹介
  4. 総括・今後の展望
    • 質疑応答

第2部 エキシマランプによるフッ素樹脂の表面改質と接着強度の向上

(2024年9月30日 13:00〜14:30)

 フッ素樹脂はさまざまな優れた性質をもちながら、接着性が低く、接着性を向上するための表面改質が難しいという課題があります。従来いくつかの表面処理方法が提案されていますが、本講演では波長172nmの紫外線を用いた表面処理について、その原理と事例を紹介します。

  1. はじめに
  2. エキシマランプについて
    1. エキシマランプの構造と発光原理
    2. エキシマランプによる表面洗浄・表面改質の事例と原理
  3. フッ素樹脂の表面改質
    1. フッ素樹脂の特徴と課題
    2. フッ素樹脂の表面改質の事例
  4. エキシマランプによるフッ素樹脂の表面改質
    1. 反応性化学種の選択
    2. 有機溶媒蒸気中での紫外線処理による親水化
    3. 酸素・水を活用したさらなる親水化
    4. 接着・接合への応用
    • 質疑応答

第3部 低温プラズマ処理によるフッ素樹脂/銅箔の直接接合技術

(2024年9月30日 14:45〜16:15)

 次世代5G・6G通信が切り拓く高速通信は、IoT機器の通信を飛躍的に向上させSocity5。0の基盤技術の1つで、先進運転支援/自動運転技術に使用される車載用ミリ波レーダーの基板としても、「低損失基板」の必要な市場が、年々大きく拡大している。本基板調製技術として、安価かつドライプロセスの特長をもつプラズマ処理技術がある。表面改質の難しい素材への高エネルギープラズマの利用は、表面ダメージが大きく、脆弱層の進展や必要な官能基導入とエッチングの競争で、しばしば接合に十分な官能基を確保できない場合がある。共同研究先企業 (エステック 株式会社 :島根県松江市) が開発した短時間に数m2レベルでの処理と量産が可能マイルドプラズマTMはこの課題を解決しつつある。従来とは逆方向のアプローチでもある新法の技術と応用展開の解説から、フッ素樹脂にとどまることなく、量産型プラズマ表面改質技術の原理と幅広い応用技術から、プラズマ処理技術の応用指針を得ることを目的とする。

  1. 本研究開発の背景
    1. 低損失基板によるアンテナ部品
    2. 周波数利用の状況と高周波基板の使用状況
    3. 5G・6G機器/ミリ波レーダー用低損失基板の開発課題
  2. 接合技術
    1. 従来のフッ素樹脂/銅箔基板の製造方法との比較
    2. マイルドプラズマTM処理による直接接合
    3. プラズマ照射による表面処理の原理 (概要)
    4. マイルドプラズマTM処理とは
    5. マイルドプラズマTM処理したフッ素樹脂の特性
    6. 接合メカニズムの解明
  3. 低損失基板の性質
    1. 接合サンプルの界面分析
    2. 低損失基板の性能 (伝送損失の測定)
    3. 低損失基板のまとめ
  4. その他
    1. 他樹脂の表面改質への応用
    • 質疑応答

講師

  • 森野 正行
    AGC株式会社 化学品カンパニー 企画部 材料開発室
    室長
  • 島本 章弘
    ウシオ電機 株式会社 事業創出本部 研究開発部門 基盤技術開発部 プロセス開発グループ
    リーダー
  • 白石 浩平
    近畿大学 大学院 システム工学研究科
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/10/28 射出成形技術の基礎と不良対策 オンライン
2024/10/28 エポキシ樹脂を中心とした高耐熱樹脂の設計技術 オンライン
2024/10/28 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2024/10/28 ゴム・プラスチック材料のトラブル解決 (2日間) 東京都 会場
2024/10/28 ウレタン材料の基礎と構造分析 東京都 会場
2024/10/29 高速通信用低誘電損失 (低誘電率・低誘電正接) ポリイミド開発に向けた分子設計と特性制御 オンライン
2024/10/29 プラスチックの破壊メカニズムと材料の強度設計 オンライン
2024/10/29 高分子技術者のためのレオロジー入門 オンライン
2024/10/29 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2024/10/30 プラスチック金型設計・加工技術の基礎から実践的応用 オンライン
2024/10/30 ヒートシールの基礎、接合のメカニズムと品質管理・不具合対策 オンライン
2024/10/30 無機ナノフィラーのポリマーへの分散・複合化技術 オンライン
2024/10/31 プラスチック成形品、フィルムにおける残留応力・歪み発生メカニズムとアニール処理による対策 オンライン
2024/10/31 樹脂部品開発のためのCAE (Computer Aided Engineering) オンライン
2024/10/31 リグニンの構造・特性と産業利用の可能性 オンライン
2024/11/1 ゴム材料のトライボロジーと摩擦、摩耗の制御技術 オンライン
2024/11/5 タイ分子の基礎とプラスチック製品の高性能化 オンライン
2024/11/5 リビング重合の基礎知識とリビングラジカル重合の応用技術 オンライン
2024/11/6 射出成形技術の基礎と不良対策 オンライン
2024/11/6 プラスチック金型設計・加工技術の基礎から実践的応用 オンライン

関連する出版物