技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

EV電動化モビリティの高電圧絶縁評価技術の基礎と実例

EV電動化モビリティの高電圧絶縁評価技術の基礎と実例

~電動化モビリティの高電圧絶縁技術 / 電動化に必須の高電圧絶縁技術 / インパルス部分放電計測 / 駆動モータの絶縁信頼性評価試験の具体例とポイント / モータ巻線、パワーモジュールと封止材、PCU回路基板、バスバーに関する高電圧絶縁技術~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、部分放電特性について十分理解し、EVのパワートレインの構成部品、駆動モータ本体とパワーモジュール、さらにそれらを電子制御するプリント基板回路において、「いかに絶縁トラブルにつながる部分放電を発生させないか」の基本対策について基礎から応用まで詳しく解説いたします。
また、自社開発の高機能な樹脂絶縁材料をEVモータや半導体基板材料に適応する場合、その技術課題と電気的特性の評価方法について具体的に解説いたします。

開催日

  • 2024年9月26日(木) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • モータに関連する技術者
  • HEV・EV用モータに関する技術者、開発者

修得知識

  • 電動化モビリティ分野の製品開発に必須の高電圧絶縁技術の基礎
  • 電動化要素部品における熱的および電気的な絶縁劣化メカニズム
  • インバータ駆動モータのインパルス部分放電の計測と評価技術
  • EV用平角モータ巻線の技術開発の最新動向と評価試験法
  • パワーモジュール/プリント基板回路の高周波化の課題と絶縁評価技術
  • 高電圧化、小型軽量化に向けた熱マネジメントと樹脂材料の選択
  • 自社開発の樹脂材料、製品に必要な電気的特性の評価方法
  • ユーザー要求の認証試験のためのIEC国際規格のインパルス評価試験法と課題点

プログラム

 世界中の脱炭素戦略の中心がモビリティの「電動化」であり、現在、電気自動車 (EV) 販売で熾烈な競争が行われている。xEV関連のバッテリー、車載モータ、インバータ、電子機器、ワイヤーハーネスなどの各主駆動系・電装部品において、高出力化、軽量化、小型化、高効率化に向けた高電圧化と高周波化が進んでいる。消費電力軽減と制御性向上のための高速スイッチングが実現できる先進SiC半導体パワーデバイスの実装化が加速している。高速充電のためにバッテリーが高電圧化され、今やモータの駆動電圧が800V仕様 (今後はさらに昇圧が予想) になって来ている。さらに、充電器やバッテリーからの電圧変換のための高耐電圧性のDC – DCコンバータも必要とされている。これらの800Vアーキテクチャー採用により、EMC (サージ) 、熱と電気的絶縁性の問題がより厳しくなり、その対策のためのマネジメント、品質の信頼性評価法が最も重要な技術となっている。各要素部品の温度の急上昇は絶縁性能を著しく低下させ、サージが重畳する高いインパルス電圧によって部分放電や沿面放電が発生し易くなる。絶縁材料の劣化や放電発生のメカニズムを十分理解をした上で各種樹脂材料の開発と応用がポイントである。
 本講演では、モータ巻線、パワーモジュールの基板材料と封止材、パワーコントロールユニット (PCU) 等の回路基板、バスバー、バッテリーパッケージ、等々に関する高電圧絶縁技術の基礎から徹底解説し、原理から理解することでそれらの高品質な絶縁設計と信頼性評価法を習得することを目的としている。また、自社開発の高機能な樹脂素材をEV/HEVの構成部品に適応する場合、その特性の計測技術について分かり易く解説する。

  1. 電動化モビリティの高電圧絶縁技術の最新技術動向と課題
    1. EV/HEV駆動モータの小型軽量化、800Vを超える高電圧化に向けた技術動向
    2. 電動車両の要素部品の信頼性設計・評価に向けた熱・絶縁技術動向
    3. 樹脂素材の高耐熱性、高熱伝導化に向けた最近の開発動向
  2. 電動化に必須の高電圧絶縁技術の基礎
    〜部分放電の発生と樹脂マテリアルの劣化メカニズム〜
    1. 絶縁破壊につながる部分放電、沿面放電とは何か?
    2. 高電圧化、高温化、高周波化すると部分放電 (PD) が発生し易くなるのはなぜか?
    3. 周囲環境で大きく変化するPD発生メカニズムを知る。
      • 温度
      • 湿度
      • 気圧
    4. PDはどこで発生するのか?を知って、絶縁の弱点部位を重点対策する。
    5. 従来の交流試験とは異なるインパルス電圧波形による評価試験の必要性を理解する。
    6. 樹脂材料の熱的特性と電気的特性を比較しながら使用する。
    7. 樹脂材料の劣化メカニズムである部分放電との物理・化学的相互作用を理解する。
    8. パワーモジュールの絶縁構造と絶縁劣化メカニズムを理解する。
    9. 絶縁破壊電圧よりも部分放電が発生する電圧 (PDIV) を知ることが重要。
    10. PD発生をどのように予測するのか?
      〜絶縁設計に必須事項〜
    11. PD発生をどのように計測するのか?
      〜製品の品質保証に必須の計測技術〜
    12. 繰り返し発生する微弱なPDを計測すると大きくばらつくのはなぜか?
      〜絶縁トラブルを引き起こさないためにもPD発生の有無を正確に見極めよう〜
  3. インパルス部分放電計測とデータ収集・処理方法
    1. AC試験器とインパルス試験器との違い
    2. 高繰り返し発生する微弱なPDを計測する難しさとは何か?
    3. インパルス電源、各種PDセンサーの紹介
    4. 印加電圧波形とPDIV特性との関連性
      • 立ち上がり時間
      • パルス幅
      • 周波数
    5. PDIV計測値の大きさを左右するセンサー感度とノイズレベル、閾値設定
    6. インパルス電圧の印加方法、データ収集と処理方法の具体例
    7. 恒温恒湿槽を使ってPDIVの温度湿度依存性を計測する場合の注意点
  4. 駆動モータの絶縁信頼性評価試験の具体例とポイント
    1. インバータ駆動モータのインパルス絶縁評価試験と具体例
    2. モータ内部におけるサージ電圧の伝搬特性と計測
    3. 各相のターンコイルにかかる電圧 (分担電圧) 計測
    4. インパルス試験電圧波形とモータ結線方法
    5. 国際規格 (IEC) 試験方法
      〜その課題点を理解した上で認証試験の実施が必須〜
    6. 様々なインパルス電圧波形に対するPDIV特性
    7. 各環境要因がPDIV特性に及ぼす影響とその理由
      • 温度
      • 湿度
      • 気圧
    8. モータのターン間、対地間と相間で発生するPD形態とPDIV値の比較
    9. 計測データ波形からPD発生箇所の推定
    10. 実機でPDを発生させないための対策ポイント
  5. 電動化モビリティの各要素部品の熱・絶縁対策と評価試験方法
    1. EV用平角巻線のPDIV計測と寿命試験
      • 厚膜化
      • 低誘電率化
    2. 高品質の樹脂フィルム材料のPDIV温度特性の評価試験
    3. ナノコンポジット絶縁材料の優れた熱伝導性と長寿命特性
    4. 耐サージモータ巻線の高温高周波寿命試験 (IEC規格)
    5. プリント回路基板の高周波絶縁評価方法
    6. パワーモジュール用絶縁材料の信頼性評価方法
    7. サーマル界面材料 (TIM) のPDIV特性の計測
  6. まとめと今後の課題
    • 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 40,000円 (税別) / 44,000円 (税込)
複数名
: 27,500円 (税別) / 30,250円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 27,500円(税別) / 30,250円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 82,500円(税別) / 90,750円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/29 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/30 高分子分散剤の種類、作用機構、取捨選択と効果的な活用方法 オンライン
2025/1/30 フレキシブルプリント基板の樹脂フィルム/ガラスと銅箔の接合技術 オンライン
2025/1/30 ポリウレタンの材料設計と構造・物性の制御と劣化対策 オンライン
2025/1/30 高分子の接着性改善と表面処理、界面の構造評価技術 オンライン
2025/1/30 ヒートシールの基礎、接合のメカニズムと品質管理・不具合対策 オンライン
2025/1/30 熱可塑性エラストマーの総合知識 オンライン
2025/1/30 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/1/30 高分子フィルム・繊維の延伸プロセスにおける分子配向形成、結晶化とその制御 オンライン
2025/1/30 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2025/1/30 プラスチックのケミカルリサイクル技術最新動向 オンライン
2025/1/31 フォトレジスト材料の基本的な構成構造、材料設計および高感度化 オンライン
2025/1/31 半導体封止材用エポキシ樹脂の種類と特性および解析方法 オンライン
2025/1/31 ゾル-ゲル法の基礎と材料合成、(新規) 材料開発で活用するための実用的な総合知識 オンライン
2025/1/31 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/1/31 ゲル化剤の基礎知識およびゲル化手法・分子設計のポイント オンライン
2025/1/31 結晶性高分子の材料設計・改良・加工性向上に必要な基礎知識 オンライン
2025/2/3 材料開発にレオロジーを活用するための考え方と実践 オンライン
2025/2/3 カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが求められる次世代自動車とプラスチック オンライン
2025/2/3 設計者CAEのための材料力学 (理論と手計算) オンライン

関連する出版物