技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

分析法バリデーション基礎講座

分析法バリデーション基礎講座

~知っておきたい統計知識から分析能パラメータ、分析方法の設定など実務のポイントを解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、分析バリデーション (メソッドバリデーション)、分析パラメーター、分析バリデーションに必要な統計、分析方法、分析の留意点、官能検査での注意事項、標準品管理、データインテグリティについて基礎から解説いたします。

開催日

  • 2024年9月12日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 分析バリデーション (メソッドバリデーション) を知る
  • 分析パラメーターを知る
  • 分析バリデーションに必要な統計的な知識を得る
  • 分析方法の基本を学ぶ
  • 分析で注意すべき基本を知る
  • 官能検査での注意事項
  • 標準品管理
  • データインテグリティ

本テーマ関連法規・ガイドラインなど

  • ICH 2Q分析バリデーション(平成7年7月20日薬審第755号審査課長通知&平成9年10月28日医薬審第338号一部改正)

プログラム

 試験室の問題での製品回収が続出しています。そこには試験方法と試験結果に関する原理/バリデーション/承認書/データの見方の統計・確率的な視点などの知識欠如が見受けられる。秋田県の製造所でも試験室の問題があった。小林化工での健康被害を起こしたロットでは、普段ないピークが検出されていた。ところが、分析の原理を十分把握していなかったため、判断を間違えた。また統計の基礎知識が弱かったため、データの持っている意味を理解できていなかったようである。
 本セミナーでは分析バリデーションという狭い定義の内容だけでなく、試験そのものについて理解を深め、小林化工の問題点がわかる試験者になっていただきたい。
 分析バリデーションは新規申請資料の試験方法設定時に必須になる。実際は申請だけでなく、日常の試験検査や品質トラブル解決のための新しい評価方法確立、洗浄バリデーションの試験方法作成、官能検査の実施など、多くの場面で重要な役割を担っている。また、分析バリデーションには統計的な知識も必要になる。分析バリエーションに関係する規格設定の考え方についても紹介する。
 医薬品開発・製造では分析そのものへの知識があって実際に意味ある試験方法ができ、問題への対応が可能となる。そのための基本から総合的に学ぶ機会としたい。その他、官能検査、標準品管理についても説明する。

  • 安定性試験の予測と対応
  • 官能検査は訓練/認定がバリデーション
  • 海外製造品で問題になる注射剤不溶性異物試験
  • 匂い
  • 試験における標準品、試薬/試液管理
  • 試験ミスによる製品回収/欠品リスクの事例
  • 最近のPMDAによる試験不備による製品回収
  • 試験に関係するデータインテグリティとFDAによるWarning Letter

 最近PMDAによる無通告査察などに関する試験の不備/齟齬から製品回収になっており、その対策についても紹介する。事前にご質問を送付いただけるとセミナーの中で説明させていただきます。ご遠慮なくお寄せ下さい。品質トラブルが発生した時、分析の基本知識は必須です。QCの結果を100%信用していると大きなトラブルを招きかねません。QAの方で分析の経験がない方にも知っておいて欲しい基本的な内容を網羅しています。分析バリデーションとそれに関連する分析のトラブルを取り上げ、分析での品質問題にきちんと対応できる学びにしています。

  1. 分析バリデーションは何故必要か
    1. バリデーションされていないと何が起きるか
    2. 分析方法は手段
      • 何を分析したいのか
      • どこまで分析したいのか
  2. 分析バリデーションのいろいろ
    1. 新規分析法作成時のメソッドバリデーション
    2. 試験方法移管時のサイトバリデーション
    3. 代替試験法設定のバリデーション
    4. 洗浄バリデーションの試験方法のバリデーション
    5. 機器のキャリブレーション
    6. 機器の適格性評価 (DQ、IQ、OQ、PQ)
    7. トレーサビリィティ
    8. 官能検査のバリデーションとは
      • 注射剤の不溶性異物試験
  3. 知っておきたい統計の知識
    1. 統計確率の重要性
      • 競馬と宝くじ、どちらが儲かるか
      • ナイチンゲールは統計学者だった
      • ゴルゴ13は弾の品質保証を行っていた など
    2. バラツキの概念 (正規分布/ニ項分布/ポアソン分布) と分析バラツキの要因
      • データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること
    3. 統計学の基本定理 (中心極限定理と大数の法則)
    4. 基本統計量 (平均値と分散、標準偏差/不偏標準偏差)
    5. 工程能力指数
    6. 95%信頼区間
    7. 相関係数と回帰式
    8. F検定&t検定
    9. 分散分析
    10. 抜取り試験/OC曲線
  4. 分析能パラメータ (Validation Characteristics)
    1. 真度 (Accuracy/Trueness)
    2. 精度 (Precision)
    3. 特異性 (Specificity)
    4. 検出限界 (Detection limit)
    5. 定量限界 (Quantitation limit)
    6. 直線性 (Linearity)
    7. 範囲 (Range)
    8. 頑健性 (Robustness)
    9. 規格値とバラツキの関係
    10. 日本薬局方の規格値設定で考慮すべきこと
    11. 製造所は分析バリデーションレポートを 研開または製販からもらい、試験法を知る
  5. 分析方法の基本を知る
    1. 滴定
    2. 比色反応
    3. 誘導体の作成
    4. 分離分析
      • GC
      • HPLC 検出器 (UVなど)
    5. 結晶径の違いを知る
      • TG
      • DSC
      • X線回折
    6. 異物の同定
      • FT-IR (顕微鏡IR)
      • X線マイクロアナライザー
      • ラマン分光
  6. 標準品の設定と管理
    1. 国の標準品とのトレーサビリティ
    2. 二次標準品設定
    3. 製剤の標準品は99.0%以上の活用
    4. 標品の管理 (類縁物質)
    5. 標準品の変更管理での品質トラブル事例
  7. 分析バリデーションとサンプリングの関係
    1. “原則品質部門がサンプリングする“の意味
      (GMP逐条解説&事例集から)
    2. QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証
    3. サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う
    4. 承認書や日局にn数が規定されていない理由
    5. サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点
  8. 分析方法の設定事例
    1. UV法をHPLC法へ
    2. 糖の滴定をHPLCへ
    3. 分析の自動化
    4. 特殊な分析方法の開発
  9. 分析方法の失敗事例
    1. 標準品の評価が分析方法で異なる
    2. 古い試験方法の対応
      • 製造販売承認書の機器廃棄
      • OOSを起こしやすい製剤
      • OOSを起こしやすい試験
  10. OOS発生時のラボエラー調査
    1. 標準品変更時のOOS
    2. ラボエラーに気付かず製品回収
    3. PMDAによる試験不備による製品回収
    4. 日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
    5. 規格限界値付近のデータの意味とその対応
    6. 欧米のOOSガイドライン
      • FDAの最新のOOSガイドライン紹介 (和訳)
  11. 代替試験方法使用時の注意事項
    1. 製造段階の管理値との関係 (OOT設定)
    2. 経年での評価
    3. 最近のPMDAによる代替試験に関する製品回収
    4. 代替試験法は原則禁止 2022年GMP事例集より
    5. 試験方法の軽微変更と一部変更申請の記述
  12. 日本薬局方 (JP) 変更時並びに新規収載時の対応
    1. JP変更時の対応
    2. 新規収載申請時の注意点
  13. 分析バラツキと規格設定の考え方
    1. 含量試験
    2. 類縁、不純物
    3. 溶出試験
  14. 安定性試験の経年低下防止
    1. 回帰式での予測
    2. 過量仕込み対応
  15. FDAの査察/Warning Letterとデータインテグリティ (DI)
    1. FDAの査察
    2. Warning Letter
    3. 欧米のデータインテグリティガイドライン紹介
      • PIC/SDIガイダンス
      • FDAガイダンス
  16. PMDAの無通告査察で指摘される前にQCの試験法などについて確認したいこと
    1. 試験の齟齬による回収
    2. 齟齬確認のポイント
  17. 小林化工の事例から学ぶ
    1. 普段ないピークへの正しい対応できず
    2. OOSの対応不備
    3. 承認書の試験方法と正しい試験方法の違い
    4. 判定値の統計的意味
      • 含量の値
      • 溶出試験の値
      • 該当ロットは含量低下&逆に溶出試験の高い値の矛盾について
    5. 習慣性医薬品の管理
  18. QCで防ぎたい品質トラブル
    1. 溶出試験の統計確率のリスクの考え方
    2. 主薬の結晶形の影響
    3. 主薬の物性の溶出試験への影響
    4. 類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響
  19. 試験者の教育訓練と認定
    1. 認定制度
    2. 試験方法のノウハウ集 (研修資料)
  20. 人が創る品質/FDAのQuality Culture

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/28 安定性試験実施の留意事項と安定性試験結果の統計解析/安定性予測・評価方法および有効期間の設定 オンライン
2024/11/28 化粧品OEM/ODMにおける品質管理・保証とトラブル防止のリスクアセスメント オンライン
2024/11/28 医薬品品質試験における生データの取扱いとQC実施のポイント 東京都 会場・オンライン
2024/11/28 ICH Q5A ウイルス安全性評価/外来性感染性物クリアランス評価コース オンライン
2024/11/28 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2024/11/28 残留溶媒に関する規制と申請上の留意点、規格値設定の考え方 オンライン
2024/11/28 医薬品開発における非臨床安全性評価とCTDの記載・信頼性確保 オンライン
2024/11/29 原薬製造のプロセスバリデーション実施方法とスケールアップ・MF登録申請 オンライン
2024/11/29 非無菌医薬品における微生物学的品質管理の必要レベルと微生物限度試験法実施事例 2024 オンライン
2024/11/29 無菌医薬品 GMP入門 東京都 会場・オンライン
2024/11/29 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2024/11/29 再生医療等製品における治験薬製造の進め方とトラブル対応 オンライン
2024/11/29 動物用医薬品・体外診断薬における薬事規制と国内外市場動向 オンライン
2024/11/29 QMS構築によるオーバークオリティ判断と治験効率化にむけた活用 オンライン
2024/12/2 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発とスケールアップの留意点 オンライン
2024/12/3 GMPバリデーションのポイントと失敗事例 オンライン
2024/12/3 分析法バリデーションの統計解析入門 オンライン
2024/12/3 バリデーション入門講座 オンライン
2024/12/4 医薬品不純物 (有機不純物、無機不純物、残留溶媒) の化学的及び安全性評価と管理ポイント オンライン
2024/12/4 バイオ医薬品の製造におけるプロセスバリデーションと注意点 オンライン

関連する出版物

発行年月
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/12/8 最新のCSV動向および21 Part 11も視野に入れたFDA査察対応方法
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座