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乳化重合・懸濁重合のメカニズム、応用、スケールアップ、トラブル対策

乳化重合・懸濁重合のメカニズム、応用、スケールアップ、トラブル対策

~反応中や反応後の安定性、分子量の制御、分散媒や乳化剤の選択と管理 / 残留モノマーの除去、反応熱の管理と熱暴走の防止、プラント実機での反応効率の最適化~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、懸濁・乳化重合における、反応機構、特徴と高分子微粒子の調整、最新の粒子化事例について解説いたします。

開催日

  • 2024年9月3日(火) 9時40分 17時10分

受講対象者

  • 乳化重合、懸濁重合、機能性高分子微粒子、反応器設計に関連する技術者、研究者

修得知識

  • 乳化重合の基礎
  • 懸濁重合の基礎
  • 機能性微粒子の開発手法
  • 乳化重合法の原理と乳化剤の影響
  • 乳化重合法を応用した種々の機能性高分子微粒子の製法
  • 懸濁重合法の原理と攪拌法、分散剤の影響
  • ソープフリー重合法、分散重合法、シード重合法の製法とその応用
  • 粒子膨潤法と凝集法
  • 種々の機械的液滴製法
    • 一段分散法
    • マイクロチャネル法
    • マイクロフロー法
    • オリフィス法
    • 超音波分散法
  • 微粒子の配列法について

プログラム

第1部 乳化重合法、懸濁重合法、およびそれらの応用技術

- 多彩、多様な機能を有するポリマー材料・微粒子を得る –

(2024年9月3日 9:40〜12:10)

 乳化重合法と懸濁重合法は、反応制御が容易であることなどから、汎用高分子材料の製造法として多用されている。同時に、実は多岐にわたる応用反展開が可能である。これらの系統的知識を持つことは、新機能性材料としてのポリマー微粒子や素材の設計・開発において極めて有用な手段となる。懸濁・乳化重合の基本的理解と、その応用技術の実際を解説する。

  1. 懸隔重合法と乳化重合法
    • 乳化重合法と懸濁重合法の原理と特徴
  2. 乳化重合とその応用法
    1. 乳化重合における粒子径、粒子の特徴について
    2. ソープフリー乳化重合
    3. 分散重合
    4. シード重合
    5. 膨潤法
    6. 凝集法
  3. 懸濁重合
    1. 粒子径制御の基礎
    2. 撹拌法による粒子径制御
    3. 安定剤による粒子径制御
  4. 懸濁重合法の応用:液滴調製法
    1. 一段分散法
    2. オリフィス法等
  5. 粒子形態の制御
    1. 構造化粒子
      • 粒子の内部構造
      • 表面構造の制御
    2. 粒子の配列
    • 質疑応答

第2部 ソープフリー乳化重合を中心としたポリマー微粒子の作製とその応用

(2024年9月3日 12:50〜13:50)

 ソープフリー乳化重合のメカニズムを分子レベルで理解し、ナノ粒子、中空粒子の設計に必要な技能を身につける。ナノ粒子の複合材料への応用についても紹介する。

  1. ソープフリー乳化重合
    1. 核生成過程
    2. 粒子成長過程
    3. ナノ粒子を合成するには
  2. 中空ナノ粒子の合成
    1. 高分子中空粒子
    2. シリカ中空粒子
  3. 微粒子の複合材料への応用
    1. 炭素繊維強化プラスチック (CFRP)
    2. CFRPのリサイクル
    • 質疑応答

第3部 機能性高分子微粒子生成重合と資源循環技術への展開

(2024年9月3日 13:55〜14:55)

 機能性高分子微粒子を合成する手法の内、乳化重合について概説する。またその応用法についても説明する。 得られた高分子微粒子の評価法についても概説する。特に、高分子微粒子を鍵とする新しいマテリアルリサイクルに関する内容について解説する。

  1. 機能性高分子微粒子の合成
    1. 高分子微粒子とは
    2. 乳化重合概論
    3. 乳化重合より得られた微粒子の活用
  2. 機能性高分子微粒子の評価
    1. 顕微鏡法
    2. 散乱法
    3. その他の微粒子評価技術
  3. 新規マテリアルリサイクルへの応用
    1. マテリアルリサイクルとは
    2. microparticle – based conceptに基づくリサイクル技術
    3. 高分子微粒子を活用した資源循環は可能か?
    • 質疑応答

第4部 乳化・懸濁重合の粒径制御に係わるポリビニルアルコールの役割

(2024年9月3日 15:00〜15:45)

 乳化重合、懸濁重合用分散安定剤として使用されているポリビニルアルコールのそれらの粒子制御に及ぼす役割について講演する。

  1. ポリビニルアルコールの基礎
    1. ポリビニルアルコールの構造と物性
    2. ポリビニルアルコールの高機能化
  2. ポリビニルアルコールを用いた乳化重合
    1. 乳化重合におけるポリビニルアルコールの役割
      • 酢酸ビニル系
      • その他モノマー系
    2. 粒子径制御
    3. 粒子径とエマルション物性の関係
  3. ポリビニルアルコールを用いた懸濁重合
    1. 懸濁重合におけるポリビニルアルコールの役割
      • 塩化ビニル系
      • その他モノマー系
    2. 粒子径制御
    3. 粒子内モルフォロジー制御
    • 質疑応答

第5部 乳化重合・懸濁重合の重合反応プロセスおよびスケールアップ、トラブル対策について

(2024年9月3日 15:50〜17:10)

 2020年代に入って、イノベーションが求められる時代となり、新たな 高分子材料の開発も再び求められている。一方、高分子素材の合成反応設備の 設計については、20世紀に蓄積されてきた、反応装置の設計や操作についての技術 ・ノウハウを経験した技術者の退出や、各企業の事業内容の組み換えなどによって、 伝承が途切れつつある。
 本講では、乳化重合系や懸濁重合系を取り上げて、 基本的なプロセス特性や、スケールアップの手法、トラブル事例の振り返りと 予測など、設計実務に役立つ基本的知見について解説する。

  1. 反応系の相とプロセスの選択
    1. 重合反応系の相と特性
    2. 均一重合相 (バルク重合と溶液重合) と不均一相 (乳化重合と懸濁重合)
  2. 乳化重合系の特性
    1. 反応機構と乳化系の安定性
    2. 撹拌混合と伝熱:反応熱除去について
    3. ポリマー回収プロセス:固形分回収とラテックス回収
    4. 工業化プロセスの実例
  3. 懸濁重合系の特性
    1. 反応機構と分散 (懸濁) 性
    2. 撹拌混合の効果 (分散スラリー粒径) と伝熱の考え方
    3. ポリマー回収プロセス
    4. 工業化プロセスの実例
  4. スケールアップの考え方:理論と実験
    1. スケールアップ則の例
    2. スケールアップ実験の考え方
    3. 小実験、ベンチ実験、パイロット実験の目的と検討項目
    4. 工業化プラント設備設計までに確認しておくべき事項
    5. スケールアップ検討 マスター計画の策定
  5. プラント・プロセスにおけるトラブル事例と予防策
    1. 乳化重合系でのトラブル事例
    2. 懸濁重合系でのトラブル事例
    • 質疑応答

講師

  • 上山 雅文
    MNTC (技術コンサルティング)
    パートナー
  • 山本 徹也
    名古屋大学 大学院 工学研究科 化学システム工学専攻
    准教授
  • 鈴木 大介
    岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域
    教授
  • 仲前 昌人
    株式会社クラレ 倉敷事業所 ポバール樹脂事業部 ポバール研究開発部
    部長
  • 今井 昭夫
    テクノリエゾン事務所
    代表 / 研究開発・技術提携・事業企画コンサルタント

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

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