技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

製造とラボの現場におけるペーパレス化実践セミナー: データインテグリティに適合した記録方法とレビューの実務

CSV・ER/ESをふまえた

製造とラボの現場におけるペーパレス化実践セミナー: データインテグリティに適合した記録方法とレビューの実務

~現場とQAの監査証跡レビュー / クラウド利用における留意点~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、FDA査察における1,500件の指摘 (483) から学び取ったDI対応実務を紹介し、記録と署名のペーパレス化 (電子化) を進めるうえで、「ユーザーが行うべきこと」と「メーカーが行うべきこと」を解説いたします。
また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応について概説いたします。

開催日

  • 2024年8月29日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • QC QA 薬事監査 (社内監査、委託先監査)
  • CMC 製剤研究 分析研究 非臨床研究 CRO
  • 製造 製造技術 エンジニアリング IT
  • システム供給者、装置供給者、機器供給者
  • システムハウス、エンジニアリング会社、ゼネコン

プログラム

 製造記録およびラボ記録のペーパーレス化 (電子化) を進めるにあたり、紙記録以上のデータインテグリティ対応が求められる。データインテグリティ (DI) はGMP省令において求められているので確実に対応しなければならない。データインテグリティ対応の基本はERES (電子記録・電子署名) 対応とCSV対応である。
 一方、ガイドラインなどにもとづいたCSVやデータインテリティ (DI) の「教科書的対応」が、現場実務にうまく当てはまらないことがある。
 本セミナーではそのような悩みを解消すべく、FDAが製造やラボの現場において指摘したファクトにもとづいた実務対応を解説する。ERES、CSVおよびDIの本質と基礎から説明するので、コンピュータに馴染みのなかった方にもご理解いただける。

 製造記録およびラボ記録のペーパーレス化 (電子化) を進めるにあたり、紙記録以上のデータインテグリティ対応が求められる。データインテグリティ (DI) はGMP省令において求められているので確実に対応しなければならない。データインテグリティ対応の基本はERES (電子記録・電子署名) 対応とCSV対応である。
 一方、ガイドラインなどにもとづいたCSVやデータインテリティ (DI) の「教科書的対応」が、現場実務にうまく当てはまらないことがある。本セミナーではそのような悩みを解消すべく、FDAが製造やラボの現場において指摘したファクトにもとづいた実務対応を解説する。ERES、CSVおよびDIの本質と基礎から説明するので、コンピュータに馴染みのなかった方にもご理解いただける。また、700スライドを超すテキストと300ファイルを収載した付録CDにより受講後の高度な自己研鑽が可能である。
 CSVの教科書としてコンピュータ化システム適正管理ガイドラインやGAMPがある。どちらの方法を採用してもよいが、現場の装置や機器にあわせて応用するのがポイントである。本講座においてCSVの本質を理解したうえで応用力を高めていただく。
 DIの基本要件はALCOAプラスであるといわれている。一方、査察官が期待するDI実務は、システムや機器におけるDI機能の普及とともに高くなる。従って、各極のDIガイダンスを読み込んでALCOAプラスを頭のなかで深掘りしても、査察官が期待するDI実務レベルにたどりつけない。
 査察官が期待するDI実務レベルは、当局査察における指摘事例から学び取るのが確実かつ容易である。査察指摘の開示が最も進んでいるのはFDAであり、生の査察指摘をすべて入手できる。
 本講座では、米国情報公開法 (FOIA) にもとづきFDAへ開示請求して有償入手した2,300件を越す生の査察指摘事例から学び取ったCSVとDIの基礎と実務を具体的に説明する。FDAの年間査察指摘件数は約1,000件である。2年分を超す査察指摘事例に基づいたファクトベースの講座はどなたにも納得してご理解いただける。

DI対応の対象は以下の両者である。

  • 電子記録
  • 紙の記録 (手書き記録、プリントアウト)

 また、電子記録を生成しない製造装置も対象である。FDAの生の査察指摘によれば以下の様なDI指摘が多い。

  • 監査証跡をレビューしていない
  • 電子記録が保護されていない
  • 製造やラボの実務担当者がバックアップを行っている
  • システム管理者権限で試験や製造を行っている
  • 製造やラボの記録用紙が現場でコピー出来てしまう
  • 製造装置のアラーム履歴が維持されていない
  • 製造装置のレシピが改変から保護されていない

 FDA査察におけるDI指摘はQCラボに集中していたが、製造における指摘が目立ち始めてきた。特に製造におけるDI実務対応の要件は査察指摘事例から学び取る必要があり、製造管理のインテグリティと考えて実務対応するのがよい。
 ER/ES (電子記録/電子署名) とCSVの本質と基礎を説明したうえでFDAの査察指摘事例を紹介するので、コンピュータに馴染みのなかった方でも「行うべきこと」を具体的に基礎から実務までを習得していただける。また、増加しつつあるクラウドサービス利用における留意点やスプレッドシートのCSV/DI対応の概要も説明する。

  1. 改正GMP省令とPIC/S
  2. データインテグリティとは
  3. CSVとERESの基礎
  4. データインテグリティ用語
  5. FDAのDI査察指摘
    • 指摘トップ10
    • 国内における指摘
    • ラボにおける指摘
    • 製造における指摘
  6. スプレッドシートのFDA指摘とその対応
  7. DI実務対応
    • 紙記録 (ラボ、製造共通)
    • コンピュータ化システム (ラボ主体)
    • 製造装置と検査装置
  8. DIポリシーと手順書の策定方針
  9. クラウドサービス利用における留意点
  10. 主要ガイダンスの概況
  11. PIC/S査察官むけガイダンスの解説
  12. MHRAガイダンスの要旨 (英国医薬品庁)
  13. FDAガイダンスの要旨
  14. 良くある質問
  15. 質疑応答

良くある質問

以下をはじめとする質問、および事前に提出いただいた質問にお答えする。
これら各質問の回答と解説は700スライドを超すテキストに含まれている。

  • 監査証跡の定期的レビューをどのようなタイミングで行えばよいのか
  • 監査証跡の定期的レビューをどのような方法で行えばよいのか
  • 監査証跡機能がない場合どのように対応すればよいのか
  • 監査証跡機能がないと査察で指摘されるのか
  • 監査証跡はどのようにバリデートすればよいのか
  • 試験関係者がシステム管理者になるとなぜ指摘を受けるのか
  • HPLCのプリントアウトを生データとすると指摘を受けるのか
  • データインテグリティはどのように査察されるのか
  • 工程内検査のインテグリティは査察されるのか
  • 個別のアカウントを設定できない器機/システムは更新が必要か
  • 電子生データはどのように管理・運用すればよいのか
  • スタンドアロン機器のデータインテグリティ対応はどの程度必要か
  • ハイブリッドシステムはどのように対応すればよいか
  • FDA査察をのりこえるにはどのような対策が必要か
  • 治験薬における対応はどの程度必要か
  • リスク対応はどのように行えばよいのか
  • OOS処理の査察指摘はどのようにすれば回避できるのか
  • LIMS導入はデータインテグリティ対応となるか
  • Empower 3等のCDS導入はデータインテグリティ対応となるか
  • バックアップの定期的リストアテストは必要か
  • ALCOAをベースにGAPチェックリストを作ろうとしたが難しい
  • 試験実施者に解析メソッド作成・変更の権限を与えて良いか
  • 同じ分析装置にGMP試験とGMP適用外の試験を混在させてよいか
  • 電子記録バックアップの隔離保管は必要か
  • システム管理を行うIT職員にGMP教育は必要か
  • OSへの共通IDログインは許容されないのか
  • スプレッドシートのデータインテグリティ留意点
  • LIMSやSDMSへデータを吸い上げたら分析機器のデータを削除してよいか
  • デジタル画像を生データとする場合、何に注意すればよいか
  • 機器使用台帳 (機器使用ログ) に何を記載しなければならないのか
  • AIの使用は認められるか
  • コンピュータ化システムの再バリデーション頻度はどの程度が適切か
  • バリデーション資料はどの程度の期間保存する必要があるか
  • CDやDVDの劣化確認方法
  • バックアップHDDの点検頻度
  • アジャイル型開発は認められるか
  • サーバーのシステム管理者アカウントを共有してよいか
  • 崩壊試験や呈色滴定などのDI対応方法は
  • 装置や機器のエラーをQAに報告すべきか
  • ミラーリング (RAID1) はデータバックアップになるか
  • 業者保守作業における監査証跡のレビューは必要か
  • 検量線と面積計算のバリ資料を査察で求められた時の対応は
  • イベントログの定期レビューを査察で求められた時の対応は
  • CMCなど研究開発におけるDI対応は
  • バックアップ/リストアの要件とその対応方法は
  • 旧システムのデータが新システムで異なる結果となる場合の対応方法は
  • 見読性の長期維持方法は
  • 電子署名した電子記録をシステムから取り出してよいか
  • 電子署名した電子記録のプリントアウトに手書き署名は必要か
  • PDFを編集できると査察指摘を受けるか
  • 装置バリデーションにおけるURS必要性の指導方法は
  • デジタル署名と電子署名の使い分けは (リモートワーク対応)
  • 電子文書を電子的に照査・承認する方法は (リモートワーク対応)
  • パスワード定期変更の頻度は
  • バリデーション指針とはどのようなものか
  • エクセルの保護機能破り対策は
  • CSVをはじめて要求された装置メーカの対応は
  • 製造検査装置における個々検査データ (計量値) のバックアップは必要か
  • 理不尽な監査指摘へどのように対応すればよいか
  • 監査証跡の回顧的レビューにおける留意点は
  • アジャイル型で開発されたシステムのバリデート方法は
  • ChatGPTに正当性はどの程度あるのか
  • CAPAはどのように指摘されるのか
  • バックアップデータのリストアはどのように検証すればよいのか

講師

  • 望月 清
    合同会社 エクスプロ・アソシエイツ
    代表

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 36,200円 (税別) / 39,820円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

受講特典

特典1: ガイダンス邦訳と解説資料

各極データインテグリティガイダンスの邦訳や解説資料を電子ファイルにてご提供する。
700スライドにおよぶ講演資料を補完する詳細を習得していただける。

  • PIC/Sガイダンス (2021/7/1) 対訳 (解説つき) 161ページ
  • データインテグリティ入門 19ページ
  • HPLC試し打ち指摘とその対応 3ページ
  • MHRAガイダンス (GMP) 意訳 (対訳) 28ページ
  • WHOガイダンス・ドラフト 要旨訳 11ページ
  • FDAガイダンス・ドラフト 意訳 (対訳) 32ページ
  • FDAガイダンス・ドラフト 解説 27ページ
  • データインテグリティの是正 FDA WLの常とう句 9ページ
  • WHOガイダンス Appendix 1 邦訳 28ページ
  • MHRAガイダンス (GXP) 対訳と補足

特典2: 付録CD

データインテグリティの詳細資料、Part 11、Annex 11、CSV関連の解説や邦訳など、320ファイル余を収載したCDをテキストと共にご提供する。

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 36,200円(税別) / 39,820円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/8/7 品質試験における信頼性確保と分析法バリデーション・品質確保にむけたQC/QAの役割と適合性調査対応 オンライン
2024/8/7 医薬品薬事・申請業務のための英文メディカルライティング基礎講座 オンライン
2024/8/7 医薬品のグローバル開発に必要な実践英語講座 オンライン
2024/8/7 中国における体外診断薬の薬事規制及び市場動向と取るべき戦略 オンライン
2024/8/7 医薬品 (外用剤) の開発・製剤設計のポイント オンライン
2024/8/7 製造・試験室におけるGMP記録/データインテグリティ管理 オンライン
2024/8/8 製造・品質試験/輸送・安定性試験/承認申請コース 全3コース オンライン
2024/8/9 医薬品・部外品・化粧品分野で必要な品質管理/検査に役立つ化学分析の基礎 オンライン
2024/8/9 バイオ医薬品におけるタンパク質の凝集分析と処方決定までの具体的事例 オンライン
2024/8/13 製造販売後におけるRWD (リアルワールドデータ) 利活用の実際 オンライン
2024/8/13 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2024/8/15 三極 (日米欧) の規制・承認体制に基づいた治験薬GMPのポイントと設備管理・適格性評価 オンライン
2024/8/19 GMP文書・当局査察・監査時の英語表現と効果的な説明のポイント オンライン
2024/8/19 医薬品製造現場におけるQuality Culture醸成とCAPAの推進 オンライン
2024/8/21 LC-MSによる医薬品分析での試験法検討とバリデーション オンライン
2024/8/23 環境モニタリングの測定時およびアラート・アクションレベル設定時の留意点 オンライン
2024/8/23 教育訓練の実効性評価の具体的な方法/逸脱対策 オンライン
2024/8/26 希少疾病用医薬品の薬価算定の実際と適正な利潤獲得のための薬価戦略 オンライン
2024/8/26 医薬品GMPにおける試験室管理 オンライン
2024/8/26 R&D領域のデューデリジェンスで確認すべき (した方がいい) ポイントと不透明な段階におけるリスクヘッジの考え方 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装
2018/5/18 創薬のための細胞利用技術の最新動向と市場
2018/4/25 統計学的アプローチを活用した分析法バリデーションの評価及び妥当性
2018/1/30 バイオ医薬品のCTD-Q作成 - 妥当性の根拠とまとめ方 -
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発
2017/8/31 きのこの生理機能と応用開発の展望