技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

大気圧プラズマを用いた材料の表面改質、ぬれ性の改善

大気圧プラズマを用いた材料の表面改質、ぬれ性の改善

~大気圧プラズマによる表面処理事例と表面設計のポイントを学ぶ~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、大気圧プラズマの基礎・原理から、大気圧プラズマの使用方法、運用方法、品質管理方法、応用技術までわかりやすく解説いたします。

開催日

  • 2024年8月5日(月) 10時00分 16時20分

修得知識

  • 大気圧プラズマの発生法の基礎知識
  • 大気圧プラズマ表面処理の具体的方法
  • 大気圧プラズマ表面処理の産業応用例
  • 難接着フィルム・基材表面処理への応用展開
  • 大気圧プラズマによる塗装、コーティング
  • 接着前のドライ洗浄、表面改質技術
  • 大気圧プラズマ処理、DLC成膜を活用した材料表面の機械的応答特性制御
  • プラズマインジケータの基礎
  • 大気圧プラズマ処理効果の評価

プログラム

第1部 大気圧プラズマの基礎と難接着フィルム・基材表面処理への応用展開

(2024年8月5日 10:00〜12:00)

本セミナーでは、はじめに大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎について実例をあげわかりやすく解説します。 次に講師が開発した大気圧プラズマ複合表面処理プロセスの基礎と産業応用例を、分野の最新動向を交えながらわかりやすく解説します。 事例として、樹脂、ガラス、ポリマーなどのプラズマ表面処理を選択解説し、受講後、類似の開発を直ちに始めることができるような具体的情報を提供します。
  1. 大気圧プラズマ発生法の基礎知識
    1. 大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎
      1. 大気圧プラズマと発生法
      2. プラズマとは?
      3. プラズマの種類
      4. パルス放電方式
      5. 無声放電方式 (誘電体バリア放電方式)
      6. オゾン発生装置
      7. 電流電圧電力波形
      8. 沿面放電方式
      9. 高周波プラズマ方式
      10. プラズマジェット電極
      11. コロナ放電プラズマ装置と電子回路
      12. その他各種プラズマジェットとプラズマ医療
  2. 大気圧プラズマ表面処理の産業応用技術
    1. 大気圧プラズマ複合プロセスによるフッ素樹脂フィルムの接着性向上技術
      1. フッ素樹脂の特性
      2. プラズマグラフト重合とは
      3. フッ素樹脂フィルム処理の実験装置と実験条件
      4. 接触角による親水性評価
      5. 剥離試験による接着性評価
      6. ESCA (XPS) による表面分析評価
      7. FT-IRによる表面分析評価
      8. 電子顕微鏡による表面写真撮影
      9. 従来技術 (ナトリウム-アンモニア処理等) との比較
      10. テフロン表面へのめっきについて (プラズマ複合めっき処理)
      11. 大面積処理装置の実現
      12. テフロン上めっきのフォトリソグラフィによる微細加工
      13. A4コロナ表面処理のデモンストレーション
        • 試作サンプル紹介
    2. 大気圧プラズマジェットと医療への応用、殺菌技術
      1. 医療への応用例
      2. プラズマ照射装置のその他の応用 (低温殺菌技術など)
      3. 低温プラズマ殺菌の試験結果
    3. 大気圧プラズマ複合プロセスによるガラス表面およびポリマー表面の恒久的処理技術
      1. 自動車のフロントガラスやサイドミラーの水滴除去
      2. ガラス表面の改質装置
      3. プラズマのみを照射した場合 (親水性向上)
      4. プラズマ・ケミカル複合プロセスによる恒久的はっ水処理
      5. 恒久的表面処理のメカニズムについて
      6. フッ素樹脂フィルム上有機EL膜の発光特性
    • 質疑応答

第2部 大気圧プラズマによる塗装、コーティング、接着前のドライ洗浄、表面改質技術

(2024年8月5日 13:00〜14:00)

 昨今、ものづくりの工程で採用が広まっている大気圧プラズマによる表面改質技術は、製造品質の向上はもとより、製造コストを削減し環境にもやさしい工法です。
 「空気」を電気エネルギーで活性化させ、基材に付着している有機汚れをドライ洗浄します。また生成されたラジカルは基材の濡れ性を向上させ、塗装やコーティング、接着に適した表面状態にする事で塗料、コーティング剤、接着剤と強固に結合します。使用するのは「空気」と「電力」。従来の洗浄工程で使用していた有機溶剤の削減や、プライマー材の代替として自動車、航空宇宙、医療機器等の製造コスト削減から環境改善にも貢献します。
 本講演では、大気圧プラズマの基礎から原理、取り扱いの注意事項や採用事例をご紹介致します。

  1. プラズマとは
    1. 物質の第4の状態
    2. プラズマの発生方法
  2. プラズマで何ができるか
    1. ドライ洗浄
    2. 表面改質
    3. 樹脂の親水化
    4. 金属の親水化
    5. 異種材料の接着
  3. 大気圧プラズマの活用事例
  4. 大気圧プラズマの処理効果事例
    1. ポリプロピレン
    2. アルミダイガスト
    3. プラズマ処理後の評価方法
  5. 使用上の注意事項
    1. 温度・湿度・時間の影響
    • 質疑応答

第3部 大気圧プラズマ処理、DLC 成膜を活用した材料表面の機械的応答特性制御への応用

(2024年8月5日 14:10〜15:10)

 プラズマ処理を利用し、DLC (Diamond-like Carbon) などを基材上に成膜することで、優れた摩擦特性、耐摩耗性や耐堆積性などを付与できる。また、ゴムや樹脂材料表面の機械特性をプラズマ処理によって変化させ、優れた付着特性を与えることができる。摺動中の界面にプラズマを作用させ、摺動特性を変化させることができる。
 本講演では、機械的応答特性を対象とした研究事例を中心にプラズマ処理の最新技術と今後の動向について解説する。

  1. 表面処理とプラズマ
  2. ハードコーティング・DLC成膜手法の解説
  3. マイクロ波プラズマによる表面機械特性の制御
  4. DLCによる低摩擦発現事例の解説
  5. 大気圧プラズマによるシリカナノ粒子担持と水潤滑下低摩擦発現への応用
  6. 摩擦中その場大気圧プラズマ照射による低摩擦発現促進
    • 質疑応答

第4部 プラズマインジケータの紹介と大気圧プラズマ処理効果の評価

(2024年8月5日 15:20〜16:20)

 プラズマインジケータは、プラズマ中のラジカルやイオンで変色する色材を用いた評価ツールです。装置内に置くだけで、プラズマの処理効果を可視化できます。簡便に工程のバラつきや面内分布を評価でき、生産性向上やトラブルシューティングに役立ちます。大気圧プラズマのラジカル種に特化した検知性能を有するので、プリント配線板製造/FPD製造/フィルム加工など、大面積の大気圧プラズマ処理のチェックに適しています。
 本講座では、プラズマインジケータの基礎原理から、その基本性能、さらに評価事例を紹介します。

  1. はじめに
    • 会社概要
    • 機能性色材について
  2. プラズマインジケータの概要・基礎原理
  3. プラズマインジケータ大気圧プラズマ用の基本性能
  4. プラズマインジケータの大気圧プラズマ処理評価事例
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 大久保 雅章
    大阪公立大学 大学院 工学研究科
    教授
  • 神藤 高広
    株式会社FUJI ロボットソリューション事業本部 技術開発部 第3課
    課長
  • 上坂 裕之
    岐阜大学 工学部 機械工学科
    教授
  • 玉木 万美子
    株式会社サクラクレパス 中央研究所

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/12 接着制御・メカニズム解析の考え方と分析評価法 オンライン
2025/2/12 プラスチック加飾技術の最新動向と環境負荷低減に向けた展望 オンライン
2025/2/13 プラズマ技術の基礎とドライエッチングへの応用 オンライン
2025/2/14 大気圧プラズマによる表面改質技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/17 拡散接合の基礎・最新技術動向と接合部評価の実際 オンライン
2025/2/17 塗料用添加剤の基礎と使い方・選定のポイント オンライン
2025/2/18 コーティングプロセスにおける界面化学とレオロジー解析 オンライン
2025/2/21 表面処理・分析/接着分析 2日間講座 オンライン
2025/2/21 フィルムラミネート加工技術の基礎と実際 オンライン
2025/2/21 プラズマ技術の基礎とドライエッチングへの応用 オンライン
2025/2/21 高機能化、高性能化のための表面処理法の基礎と表面分析法 オンライン
2025/2/21 塗装劣化のメカニズムと不良対策・評価解析技術 オンライン
2025/2/21 半導体デバイスの異種材料集積に向けた常温・低温接合技術と光・電子デバイスの高度化 オンライン
2025/2/21 自己組織化単分子膜 (SAM) の基礎と応用 オンライン
2025/2/21 塗料用添加剤の基礎と使い方・選定のポイント オンライン
2025/2/25 めっき膜の密着性改善・剥離対策の考え方と分析・解析手法 オンライン
2025/2/25 金属・無機材料表面と接着剤樹脂との接着界面の理論解析 オンライン
2025/2/26 シランカップリング剤の反応メカニズム、使い方、密着性や物性の評価 オンライン
2025/2/26 拡散接合の基礎・最新技術動向と接合部評価の実際 オンライン
2025/2/27 防食技術者のための金属塗装の劣化とトラブル対策技術 オンライン

関連する出版物