技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

非晶性の高分子フィルムの延伸と構造緩和

非晶性の高分子フィルムの延伸と構造緩和

~熱量測定とその解析を主にしたエンタルピー緩和研究~
オンライン 開催

視聴期間は2024年2月26日〜3月8日を予定しております。
お申し込みは2024年3月6日まで承ります。

配信期間

  • 2024年3月6日(水) 12時30分2024年3月8日(金) 16時30分

お申し込みの締切日

  • 2024年3月6日(水) 12時30分

受講対象者

  • プラスチック・樹脂関係の研究開発において、高分子のガラス転移が関係する熱分析 (DSC) データの解釈および解析に携わる技術者

修得知識

  • 汎用プラスチックスおよび高分子を対象とした、示差走査熱量計 (DSC) 測定によるガラス転移温度の測定手法、解析手法

プログラム

 多くの高分子材料はガラス転移を示し、冷却によってガラス状態となる。高分子のガラス状態は熱力学的な平衡になっていない凍結状態であり、液体らしい性質、固体らしい性質の両方が現れる。これを示差走査熱量計 (DSC) の方法で観測すると冷却時の条件 (温度の履歴で表される) に応じて著しく異なる結果が得られる。とりわけ比熱データ (Cp.カーブ) で測定結果を表わしたとき、試料のサイズ、形態、温度履歴によってガラス転移温度付近で安定したベースラインが得られないなど、しばしばデータ解釈において難題が生ずる。
 本セミナーでは、こうした難題について「ガラス転移は緩和現象の一つ」という観点から取組み、系統的な解析を可能とする実験手法をとり扱う。さらに高分子物理で汎用される数学モデルを基盤としたモデル計算によってCp.カーブを再現する手法について解説する。合わせて、冷却の過程で変形を受けた試料についてCp.カーブの再現を明示して、この分野に関する今後の展望を示す。
 なお、スライドで示す研究データは、おおむねシアノビフェニルのくし形ポリマーとポリスチレンに限られている。汎用プラスチックスを広範囲に網羅したものではない事、留意されたい。

  1. 緒言 – 高分子のガラス転移
  2. 高分子とは何か、低分子に見られない性質
    1. 高分子の定義
    2. 重合度と分子量の分布
    3. 高分子の集合状態と性質
  3. ガラス状態
    1. 高分子の熱的振る舞い
    2. 過冷却状態と仮想温度
    3. ゴム状態とガラス状態
    4. 高分子のガラス転移温度 (Tg)
  4. 示差走査熱量測定 (DSC)
    1. DSC曲線とその表示方法.
    2. 基線 (ベースライン) の引き方とピーク面積
    3. DSC.データからCp.データへの変換法
  5. ポリスチレンのエンタルピー緩和
    1. 温度履歴と構造緩和、エンタルピー緩和
    2. 代表的な三種の温度履歴
    3. 緩和したエンタルピーとその平坦値
    4. 緩和関数の算出と換算変数による解析
    5. 他の高分子との比較
  6. 重ね合わせの原理
    1. ガラス転移と粘弾性
    2. 粘弾性の温度依存性と
    3. 時間 – 温度換算則とWLF.式
  7. くし形ポリマーのエンタルピー緩和
    1. 温度履歴とエンタルピー緩和
    2. エンタルピー (内部エネルギー) の減衰
    3. 活性化エネルギースペクトルによる解釈
  8. ポリスチレンのエンタルピー緩和と緩和を示す数学モデル
    1. 数学モデルと緩和量の予測
    2. Cp.データのモデル計算の詳細解説
    3. 計算データと実測データの比較ならびにデータフィッティング
    4. モデルパラメータとCp.データの関係
    5. 適正なモデル計算のために
  9. ポリスチレンの物理エージングとエンタルピー緩和
    1. 冷却と延伸による物理エージング
    2. 延伸試料のDSC測定
    3. 延伸とTg の関係
  10. 結言 – エンタルピー緩和の研究から学べること

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

アーカイブ配信セミナー

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • 視聴期間は2024年2月26日〜3月8日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/6/18 EV等電動化モビリティ用モータと関連電装品のための高電圧絶縁技術と樹脂材料開発 オンライン
2025/6/18 粘弾性測定を用いた材料物性評価 オンライン
2025/6/18 フィラーの表面処理と樹脂への複合化・分散技術 オンライン
2025/6/19 高分子難燃化とリサイクル オンライン
2025/6/19 絶縁材料の劣化メカニズムと部分放電計測ならびに寿命評価 オンライン
2025/6/20 ポリウレタンの原料・反応・特性およびフォーム・塗料・複合材料用途の新技術 オンライン
2025/6/20 ゴム・高分子材料のトライボロジー特性と接触面の観察および評価方法 オンライン
2025/6/23 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2025/6/23 絶縁材料の劣化メカニズムと部分放電計測ならびに寿命評価 オンライン
2025/6/24 フィルム製膜における延伸・配向制御、その評価と応用 オンライン
2025/6/24 各種プラスチック成形品の破損トラブルと原因解析 オンライン
2025/6/24 医用材料の基礎と要求特性および応用展開・最新動向 オンライン
2025/6/25 ゴムの架橋と特性解析・制御 オンライン
2025/6/25 押出成形の基礎と成形不良の原因・対策 オンライン
2025/6/25 ポリウレタンフォームの材料設計と機械特性の解析、予測 オンライン
2025/6/25 高分子における残留応力/内部応力の発生メカニズムと低減化 オンライン
2025/6/26 ポリイミド入門講座 オンライン
2025/6/26 Tダイ成形機の基礎とフィルム成形トラブル対策 東京都 会場
2025/6/26 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2025/6/26 高分子の相溶性と結晶化の基礎的理解と高次構造形成の考え方 オンライン

関連する出版物

発行年月
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/6/25 断熱フィルム 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/25 断熱フィルム 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析