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ベイズ最適化のケモインフォマティクスでの適用事例

ベイズ最適化のケモインフォマティクスでの適用事例

~化学物質開発における実験コストの削減法 / 実践方法を事例を交えて学ぶ~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年3月30日(木) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部 ベイズ最適化による効率的実験計画とデータ解析

(2023年3月30日 10:00〜11:30)

 科学的知見を発見するための実験計画を立てる、あるタスクをより効率的に解決するためのロボットを設計する、疾患により有効な薬剤の構造を探索する、天然資源を利用するための探鉱計画を立てる、といったように「設計」や「計画」はあらゆる科学的営みと切り離すことができない重要な問題である。近年、設計・計画問題において機械学習によるデータ駆動型 (data-driven) のアプローチが注目されている。データ駆動型アプローチは、データ分析の方法だけでなくデータ収集の方法も最適化の対象とする。これは、特にデータ取得コストの高い創薬や新規材料の開発といった実験科学分野においては非常に重要な特性となる。
 本セミナーでは、データ収集と分析を統合的に扱う機械学習の方法の一つである能動学習 (active learning) の基本事項を解説し、いくつかの応用事例を紹介する。

  1. 能動学習による実験計画
    1. 機械学習によるデータ駆動型アプローチ
    2. ガウス過程によるブラックボックス関数の統計的モデリング
    3. ガウス過程回帰に基づく能動学習
    4. まとめ
  2. ベイズ最適化
    1. ベイズ最適化のアルゴリズム
    2. 獲得関数の設計
      1. 下側信頼限界に基づく探索
      2. 改善確率に基づく探索
      3. 期待改善度に基づく探索
    3. まとめ
  3. 応用事例紹介:イオン伝導性物質の伝導度推定
    • 質疑応答

第2部 ベイズ最適化などの機械学習を活用したフロー合成研究事例

(2023年3月30日 12:15〜13:45)

 合成化学の常識がフローマイクロリアクターによって大きく変貌をとげ、従来の合成化学が大きく変わろうとしている。フローマイクロリアクターによって提供されるミクロな反応場は、化学反応そのものに本質的な影響を与えるためである。
 本セミナーでは、フローマイクロリアクター合成の研究・開発によるフラスコでは不可能な高速合成の事例、ベイズ最適化などの機械学習を活用したプロセス最適化や自動化などについて、今後の展望を含め紹介したい。

  1. フローマイクロリアクターについて
  2. フローマイクロリアクターの特長
  3. フローマイクロリアクターを用いたフラスコ不可能な高速合成化学
  4. 機械学習による反応条件最適化と変数制御
    1. 2変数制御の組合せによる多変数制御
    2. 電解フロー反応における3変数制御系
    3. 電解フローにおける多変数制御
  5. フロー反応の条件最適化による生産性向上
  6. 機械学習による反応最適化プロセスの自動化
    • 質疑応答

第3部 少ない実験データとベイズ最適化による機能タンパク質の配列設計

(2023年3月30日 14:00〜15:30)

 「分子を創る」という観念から見ると、タンパク質は「分子合成」と「物性解析」という点で他の素材と匹敵する技術が成熟してきている。しかし、目的の構造や機能を持つタンパク質を「設計」するという点は、合成したポリペプチドを的確にフォールドさせ目的機能を確実に発現させることは未だ難しく、タンパク質工学として最も未成熟な技術である。
 この状況において最近は、AlphaFold2による立体構造予測などにみられるようにAI技術を組み入れたタンパク質の構造・機能・物性の予測に関する取り組みが報告されはじめており、その中で演者らは進化分子工学という実験的操作に機械学習を組み入れることによって、実験的操作量を低減させながら、目的機能をもつタンパク質へたどりつく確率を高める技術を開発している。

  1. 変異体ライブラリーからの機能タンパク質探索の課題
  2. 配列空間の設計と探索課題
  3. 機械学習による配列空間探索
  4. ベイズ最適化に基づく蛍光タンパク質の機能改変
    • 質疑応答

第4部 ベイズ推定を応用したX線分光スペクトル解析

(2023年3月30日 15:45〜17:15)

 近年の情報科学の発展はめざましく、すでに多くの分野でその概念や技術の導入が行われている。物理や化学などの基礎科学分野においても同様である。
 本講演では、物質の電子状態を分析するX線分光特にX線吸収分光とX線光電子分光のスペクトルデータに、情報科学の重要な技術の一つであるベイズ推定を用いた新しい解析法についてご紹介する。またこの二つの異種測定データをベイズ的に統合することで、より精度の高い推定が可能となることを示す。

  1. ベイズ推定導入の意義
  2. ベイズの定理
  3. ベイズ推定でわかること
  4. ベイズ推定の実装
  5. X線吸収分光
  6. X線光電子分光
  7. ベイズ推定によるハミルトニアンパラメータ推定
  8. ベイズ自由エネルギーによるノイズ推定
  9. ベイズ統合の枠組み
  10. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 松井 孝太
    名古屋大学 大学院 医学系研究科 総合医学専攻 生物統計学分野
    講師
  • 永木 愛一郎
    北海道大学 大学院 理学研究院 化学部門
    教授
  • 梅津 光央
    東北大学 工学部 バイオ工学専攻 生体機能化学講座 タンパク質工学分野
    教授
  • 水牧 仁一朗
    熊本大学 理学部 理学科物理コース
    教授

主催

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: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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本セミナーは終了いたしました。

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