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濃厚スラリーの調製と分散安定化、評価技術

濃厚スラリーの調製と分散安定化、評価技術

~溶剤、バインダー、分散剤、チキソ剤の正しい選択 / 濃厚系の安定性試験法~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、「濃厚系」「非水系」「多成分系」の分散の諸問題の解決のために表面自由エネルギー、SP値・HSP値に基づくぬれ・分散化の考え方、静電反発力および立体反発力による安定化理論をどのように適用すれば問題を解決できるか、基礎から分かりやすく説明いたします。

開催日

  • 2023年1月19日(木) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 溶解度パラメータと表面エネルギーの基礎と求め方
  • キャピラリー懸濁液の安定化と二次流体の選択
  • 濃厚スラリーにおける最適分散剤の選択
  • 濃厚スラリーの分散安定性試験法とチキソ剤の選択

プログラム

 濃厚スラリー・キャピラリー懸濁液は、様々な機能性製品、たとえばインク、塗料、化粧品、最近では電子セラミックス、Li二次電池や燃料電池などの中間材料や最終製品として重視されている。しかし希薄スラリーと異なり、濃厚スラリーは簡単に増粘・固化し流動性を失う傾向が強く、取り扱いに苦慮する場合も多い。これは、主に高濃度化・微細粒子化に伴う粒子間距離の短縮により、粒子間引力は強くなる半面、静電反発力やほとんどの分散剤では立体反発力が弱くなるためである。
 そこで濃厚スラリー・キャピラリー懸濁液の分散安定化を目的に、溶剤/樹脂の選択では、ぬれ性、分散剤の溶解性と吸着性間のバランスの取り方、分散剤の選択では、特に高分子ブラシによる安定化手法、および濃厚スラリーの安定性評価技術などについて、多くの最新事例をもとに基礎から解説する。

  1. 濃厚スラリーにおける課題と対策
    1. 微粒化による表面積増大による不安定化と粒子間距離の短縮
    2. 濃厚系における多体効果と静電反発力の低下
    3. 粒子群の粒度調整による増粘化防止
    4. キャピラリー懸濁液の特徴
  2. 溶解度パラメータおよび表面エネルギーの基礎と求め方
    1. 溶解度パラメータの基礎と求め方
      1. ヒルデブランドのSP値とハンセンのHSP値/4DSP値
        • HSP距離と相互作用パラメータ
        • テァーズ線図とてこの法則
      2. 化合物のHSP値・4DSP値の計算と測定法
        • 原子団寄与法とソフトウェアHSPiP
        • 溶解性/膨潤性とハンセン球法/拡張ハンセン法
        • インバースクロマトグラフィー (IGC) 法
      3. 粒子表面のHSP値・4DSP値と測定法
        • 凝集/沈降法
        • IGC法
        • 低磁場パルスNMR法
    2. 表面エネルギーの基礎と測定法
      1. 接触角とヤング・デュプレ式
      2. 付着仕事とオーエンス・ウエント式
      3. 表面エネルギーと成分項の測定法
        • 接触角法
        • IGC法
  3. ぬれ/分散化のための溶剤・樹脂の選択指針
    1. 溶解度パラメータを用いた方法
      1. ハンセン球とHSP距離の利用法
      2. テァーズ線図と最適溶剤混合率
      3. ポリマーコンポジットにおける付着/分散性の制御
    2. 表面エネルギーを用いた方法
      1. ギブスエネルギー変化とぬれのタイプ
      2. 浸漬ぬれとウエッティングエンベロープ
  4. 濃厚スラリー・キャピラリー懸濁液の安定化
    1. 粒子間に働く相互作用力と安定化作用
    2. フアンデルワールス力とハマカー定数
    3. 静電反発作用とDLVO理論
      • ゼータ電位と測定法
      • ポテンシャルエネルギー曲線
    4. 分散剤の働きと立体反作用
      1. 浸透圧効果と体積制限効果
      2. 高分子ブラシによる立体反発作用
    5. キャピラリー懸濁液の安定化と二次流体の選択
      1. 粒子体積分率と二次流体添加割合
      2. HSP距離を用いたバルク液と二次流体の選択
  5. 濃厚スラリーに適した湿潤分散剤の選択指針
    1. 湿潤分散剤の構造と選択指針
      1. ブロック型/クシ型分散剤と高性能分散剤の開発例
      2. 相溶鎖の伸張性と良溶媒の選択
      3. 最適添加量と枯渇現象
      4. ポリマーブラシと自己組織化単分子膜
    2. 分散剤の酸塩基性と吸着機構
    3. 分散剤選択におけるSP値・HSP値の役割
      1. 溶媒,分散剤および粒子間のHSP値のバランス
      2. ダブルハンセン球を用いたCBの最適分散剤の探索
      3. 4DSP値を用いた難分散性有機顔料の最適バインダー
  6. 濃厚スラリーの分散・安定性試験法とチキソ剤
    1. 湿潤点・流動点
    2. 超音波スペクトロスコピー
    3. X線・中性子線散乱法
    4. レオロジー特性
      1. チキソトロピー・逆チキソトロピー
      2. 動的粘弾性
    5. チキソ剤の働きと選択指針
  7. まとめ
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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受講料

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
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  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
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  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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