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自動車内装材のトレンドと製造技術および質感向上

Zoomを使ったライブ配信セミナー / アーカイブ配信予定

自動車内装材のトレンドと製造技術および質感向上

~耐アルコール性が良い世界初ポリエステル-シリコーンレザーのサンプルを提示予定~
オンライン 開催

開催日

  • 2021年3月12日(金) 13時00分 17時00分

修得知識

  • 自動車内装材の動向
  • 自動車内装材の製造技術
  • 自動車内装材の質感を向上させる手法

プログラム

 自動車内装材・住宅・医療・食品包装材・農ビ等には、従来塩化ビニル樹脂が用いられてきた。塩化ビニル樹脂は可塑剤を混ぜて軟質塩ビ (塩化ビニール) にして用いられることが多い。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているオルトフタル酸エステル (Ortho Phtalate) が主に用いられてきたが、最近ではオルトフタル酸エステル以外の可塑剤に代替えが進んでいる。軟質塩ビは熱により容易に分解して、低温では硬化するためポリオレフィン系熱可塑性エラストマーやウレタン合成皮革に代りつつある。最表層にはDMF等を含んだ溶剤系表面処理剤が塗工されてきたが、最近では水系が多く用いられ、乾燥方法も熱風から赤外線に代わっている。
 米国カリフォルニア州ではZEV (Zero Emission Vehicle) プログラム、EUではCO2排出量規制、中国でも深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却 (電動化) が急ぎ進められている。自動車内装材も燃費に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。ウレタンレザーは高強度のため薄肉化が可能で、軟質塩ビや本革の約半分の重量で自動車規格をクリアーする。
 高級車は本革が主流だったが、米国でのPETA (People for the Ethical Treatment of Animals) の動物保護活動によりEVのテスラーモータースは本革からウレタンレザーに代えている。英国を中心にVEGANが広まっているためドイツの高級車も本革からウレタンレザーに変化している。
 運転操作がスマートフォンのようにタッチパネル化さるため、インストルメントパネルの構造が平坦になり、コックピットと言われた複雑な構造が不要になっている。またCASE (ケース:Connected・Autonomous・Shared&Service・Electric) やMaaS (マース:Mobility as a Service) の普及により自動車は個人が所有保管するものでは無くなってきているため耐汚染性対応が必要で、またCOVID – 19対応として抗菌性・耐消毒薬性 (耐エタノール性等) も新しい課題となっている。
 本セミナーでは自動車の変化を的確に捉えて、未来の車の内装材を紹介する。

  1. はじめに
    1. チャイナプラス2019 (広州) 、上海・東京モーターショー2019、CES2020 (Consumer Electronics Show in Las Vegas) 等の展示会情報をもとに自動車の未来を考える
    2. 人や環境への配慮
      • REACHやRoHS規制に呼応して欧州のOEKO – TEX等の業界団体が自主規制を設けている。
      • 塩素・臭素等のハロゲンフリー,VOC (ボラタルオーガニックコンパウンズ)
      • SVOC (セミボラタルオーガニックコンパウンズ) の低減、臭いの低減、軽量化、アニマルフリー化 (VEGAN) が進んでいる状況を把握する
  2. 自動車内装材に用いられる主なプラスチック
    1. 塩化ビニル系
    2. オレフィン系
      • TPV
      • p-TPV
      • r-TPO
      • POE
      • PP
      • PE等
    3. ウレタン系
    4. スチレン系 (SEBS等)
    5. エステル系
  3. 自動車内装材の部位別動向
    1. 自動車メーカー (OEM) ,部品メーカー (Tier1) の動向
    2. 内装表皮材メーカー (Tier2) の動向
    3. インパネの質感と価格
      • 射出成形
      • インモールドグレイニング (IMG)
      • PUスプレー
      • パウダースラッシュ成形 (SPM) 等
    4. インストルメントパネル・ドアトリム詳細
      1. TPO
        1. 工程概要
          • 配合
            • 安定剤処方等
          • フィルム成形
            • 押出成形
            • カレンダー成形
          • 表面活性化処理
            • コロナ
            • プラズマ
          • 表面処理
            • 表面処理剤と処理機の選定
            • 水性化
          • TPOへの電子線照射
          • 電子線架橋ポリプロピレン発泡体製造技術
      2. ハンドラップ用レザー
    5. 座席表皮 (シートカバー)
      1. 本革
        • クロムの使用
        • 臭い
        • 重い
        • 動物保護団体対応
      2. 塩ビ
        • カレンダー法
        • キャスティング法
      3. ウレタン
        1. ウレタンレザーの動向
          • 合成皮革
          • 人工皮革
        2. 合成皮革 (スキン層有り)
          1. 溶剤タイプコーティング法:
            • ハイソリッドタイプによる溶剤低減
          2. 水性タイプコーティング法:発泡層の形成方法
          3. ホットメルトコーティング法:発泡層の形成方法
        3. 人工皮革 (スキン層無し:スェード) :
          • 環境に優しいマイクロファイバー
      4. 新規レザーの動向
        • ポリエステルレザー
        • シリコーンレザー
      5. 新しい難燃化技術
        • ハロゲンフリー
        • アンチモンフリー
  4. 質感向上手法
    1. 高級感のある本革
    2. 照り感のある本木 (ほんもく)
    3. 絞模様:絞ロールの製造方法,3Dプリンター
    4. ステッチ (Stitch)
    5. パーフォレーション (Perforation) :日本では穿孔,パンチングとも言う
    6. 精密多色柄印刷:ロータリースクリーン印刷,インクジェット印刷
    7. 射出成形部品の高級化
      • 水圧転写
      • IMT (In-Mold Transfer)
      • IML (In-Mold Labeling)
      • IMF (In-Mold Forming)
      • OMD (Out Mold Decolation)
      • 射出型内絞・絵柄転写
      • 塗装+レーザーアブレージョン (Laser ablation)
    8. 発光:未来感
    9. 曲面タッチパネルディスプレイ:未来感
    10. モーフィングスイッチ (Morphing switch) :
      • ステルススイッチ (Stealth switch) やステルスボタン (Stealth button) とも言う。未来感
  5. これから
    • CASE (Connected・Autonomous・Shared&Service・Electric) やMaaS (マース:Mobility as a Service) の普及と自動車内装材
      • 抗菌性、耐汚染性の付与方法
      • 洗濯可能な座席クッション素材 等

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

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  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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