技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子延伸の分子配向メカニズムと物性評価

高分子延伸の分子配向メカニズムと物性評価

東京都 開催 会場 開催

第3部は、会場でライブ配信の講演をご視聴いただきます。

概要

本セミナーでは、フィルム延伸について基礎から解説し、高強度・透明性・バリア性・耐熱性等、目的の物性を得るための最適な延伸条件について解説いたします。

開催日

  • 2020年7月8日(水) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 高分子の延伸に伴う分子配向の形成の原理と予測方法
  • 高分子の延伸に伴う結晶化の発生挙動とその要因
  • 高分子の延伸に伴う結晶化がその後の延伸性に与える影響
  • 複屈折の基礎と測定方法
  • 高分子フィルムにおける応力-複屈折の発現メカニズム
  • 高分子フィルムの分子配向度評価

プログラム

第1部 高分子延伸プロセスにおける分子配向形成メカニズムと結晶化挙動

(2020年7月8日 10:00〜12:00)

 高分子のフィルムや繊維を延伸することによって、分子が配向すると共に、配向結晶化と呼ばれる特徴的な結晶化が起こり、力学特性、光学的性質、熱物性など物性値も大きく変化する。また、結晶化に伴う物性変化はその後の延伸性にも大きな影響を与える。
 この講座では、まずは非晶性高分子フィルムの延伸過程における分子配向形成機構について、いくつかの樹脂における実測結果を元に、モデル化の手法も含め解説を行う。その上で、結晶性高分子のフィルム延伸過程において発生する配向結晶化について、PET等における実測結果の解説と、PLAで示された延伸性への影響について解説を行う。

  1. 延伸過程における分子配向形成
    1. 延伸過程における分子配向の形成と配向緩和
    2. 分子配向形成への延伸温度の影響
    3. 分子配向形成への延伸速度の影響
    4. 分子配向のモデル化
      1. 応力光学則と修正応力光学則
      2. Multi-Mode Maxwell Model
    5. 多段延伸過程における分子配向形成
  2. 延伸過程における結晶化
    1. PETフィルムの延伸過程における結晶化
      1. 一軸延伸過程
      2. 二軸延伸過程
      3. PETフィルムにおける分子配向と結晶化速度の関係
    2. PENフィルムの延伸過程における結晶化
      1. 一軸延伸過程
      2. 二軸延伸過程
    3. PLAフィルムの延伸過程における結晶化と延伸性
      1. PLAフィルムの延伸過程における結晶化
      2. PLAフィルムの多段延伸過程における結晶化と延伸性への影響
    • 質疑応答

第2部 フィルム延伸技術と延伸過程における構造発現・評価技術

(2020年7月8日 12:45〜14:45)

 高分子フィルムの延伸課程における構造形成について、その高分子材料の基礎物性、延伸性をはじめ、その延伸過程における分子配向形成について紹介する。

  1. フィルム延伸過程における現象
    1. 高分子材料とフィルム成形加工技術
    2. 延伸過程と光学異方性発現の関係
    3. 一軸延伸と配向挙動
    4. 二軸延伸・逐次延伸と配向挙動
  2. フィルム延伸過程における構造発現および評価技術
    1. 一軸および二軸延伸における分子配向特性
    2. 延伸フィルムの構造・物性評価
    3. 国内外のフィルム延伸の研究開発動向
    4. フィルム成形・延伸過程におけるオンライン光学異方性計測
  3. 非晶性光学フィルム延伸過程における構造発現および評価技術
    1. 一軸延伸と分子配向特性
    2. 光学延伸フィルムの構造・物性評価
    3. フィルム延伸・緩和過程におけるオンライン構造計測 (研究開発動向含)
    • 質疑応答

第3部 高分子フィルムの複屈折と応力測定

(2020年7月8日 15:00〜17:00)

 高分子フィルムに延伸などの変形を加えると、応力とともに複屈折が生じる。本講では、複屈折と応力の関係から、フィルム中の分子配向や構造変化について解説する。また、低分子添加や高分子ブレンド系の事例についても紹介する。

  1. 複屈折の基礎
    1. 屈折率と複屈折の違い
    2. 複屈折と偏光
    3. 複屈折の理論計算
  2. 高分子フィルムの応力 – 複屈折
    1. 高分子フィルムの応力の起源
      • ガラス状態
      • ゴム状態
    2. 高分子の応力緩和
    3. 高分子フィルムの複屈折の起源
      • ガラス状態
      • ゴム状態
    4. 応力 – 光学則 (SOR)
    5. 修正応力光学則 (MSOR)
  3. 応力 – 複屈折測定と分子配向 (事例紹介)
    1. 低分子添加フィルム
    2. 高分子ブレンド
    3. フィルムの一軸変形と配向
    • 質疑応答

講師

  • 宝田 亘
    東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻
    助教
  • 伊藤 浩志
    山形大学 大学院 理工学研究科 機能高分子工学専攻
    教授
  • 信川 省吾
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 工学専攻 生命・応用化学系プログラム (しくみ領域)
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/8 基材への塗布層の形成、コーティング液の塗布技術 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 高分子の劣化・変色メカニズムと対策技術、評価方法 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/15 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/16 プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析 オンライン
2025/1/17 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 化学反応型樹脂の硬化率・硬化挙動の測定・評価法 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/21 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2025/1/21 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/21 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/21 高分子材料における結晶化・ガラス転移の基礎と評価 オンライン
2025/1/21 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/22 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/24 プラスチック射出成形過程の可視化とソリ変形予測技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/4/1 反射防止フィルム 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/1 反射防止フィルム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート