技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の分子量分布測定テクニック

高分子の分子量分布測定テクニック

~HPLC, MALDI-TOF/MS, SEC~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子材料の分析について基礎から解説し、未知試料の分析、劣化解析、精密解析のポイント、新材料開発、クレーム対応などへの活用法を詳解いたします。

開催日

  • 2020年1月10日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 様々な高分子のキャラクタリゼーションの基礎知識
    • IC
    • LCCC
    • ホモポリマー
    • 共重合体
  • 高分子をターゲットとした効率的な前処理・測定方法・解析手法
  • Size Exclusion Chromatography (SEC) の原理
  • 高分子の劣化
  • 分岐度解析
  • 混合物の分子量分布
  • 共重合体の組成分布

プログラム

第1部 IC、LCCCを用いた高分子の分子量、分子量分布、一次構造の評価

(2020年1月10日 10:00〜11:30)

 IC、およびLCCCというHPLC技術が、高分子 (ホモポリマー、共重合体) の分量、分子量分布、さらに一次構造などの精密分析に利用できることを解説します。

  1. 高分子におけるHPLCについて
    1. SECLCCC – IC
    2. LCCCの特徴
    3. ICの特徴
  2. IC、LCCCを用いた高分子の分子量、分子量分布の評価
    1. ICを用いた分解能の高い分子量、分子量分布測定
    2. LCCCを用いたブロック共重合体の分析
  3. IC、LCCCを用いた高分子の一次構造評価
    1. IC、LCCCを用いた非線状高分子の分析
    2. IC、LCCCを用いた共重合体のコンフォメーションの分析
  4. まとめ
    • 質疑応答

第2部 MALDI-TOF/MSの分析原理と前処理、高分子の分子量分布測定

(2020年1月10日 12:10〜13:40)

 MALDI-TOF/MSの装置原理と種類、高分子分析への活用方法についてご紹介します。また、実務面で重要なイオン化促進剤 (マトリックス) の選択から前処理作業の注意点、効果的な解析につなげるための質量校正法などを分析の流れに沿ってご紹介します。最後に、一般的な分子量分布の解析方法と注意点、最新解析手法であるケンドリックマスディフェクト法によるポリマー解析事例もご紹介します。
 MALDI-TOF/MSを利用した高分子分析は、生体分子分析の常識が通用しない点が多いです。本講演では、高分子をターゲットとした効率的な前処理・測定方法・解析手法について習得できます。

  1. MALDITOF/MSの基礎
    1. MALDIイオン化の原理と高分子分析への応用
    2. TOF/MSの種類と活用方法
  2. 前処理の実際
    1. イオン化促進剤 (マトリックス) の選択
    2. 実験器具
    3. 試料調製
  3. 測定の実際
    1. 測定モード
    2. 測定上の注意点
    3. 質量校正方法
  4. 高分子の解析
    1. マススペクトルから読み取れること
    2. ケンドリックマスディフェクト法を利用した解析法
    • 質疑応答

第3部 SEC法による分子量分布、分岐、組成構造解析

(2020年1月10日 13:50〜15:20)

 ポリマーの平均分子量や分子量分布を求める手段として、SEC法が広く認識されており、高分子材料の開発、劣化解析等に用いられている。さらに、静的・動的光散乱検出器 (SLS, DLS) 、粘度検出器 (Vis) 、赤外分光光度計 (FT – IR) と接続することにより、分子量のみならず、溶液中での分子サイズ、分岐度および共重合体の組成分布解析等が測定可能となる。
 本講では、SEC法と各種検出器について、具体例を交えて紹介する。

  1. SEC
    1. 測定原理
    2. 汎用樹脂・エンジニアリングプラスチックの測定例
    3. 高分子の劣化解析への適用
  2. SECSLS
    1. 光散乱検出器による絶対分子量・回転半径測定
    2. ランダム分岐高分子の解析
  3. SECSLSVIS
    1. 粘度検出器による固有粘度測定
    2. Mark – Houwink Plot
  4. SECDLS
  5. SEC/FT – IR
    1. 装置構成
    2. ポリマーアロイ解析
    3. 共重合体の組成分布解析
    • 質疑応答

第4部 SECによる会合性高分子の分子量分布解析

(2020年1月10日 15:30〜17:00)

  1. 会合性高分子のSEC解析
    1. 選択溶媒中のブロック共重合体
    2. らせん高分子の熱変性と再性
    3. ランダム会合体
  2. 会合の熱力学
    1. 基礎理論
    2. 球状ミセル
    3. 円筒状ミセル
    4. 二分子膜ミセル (ベシクル)
    5. 臨界ミセル濃度 (cmc)
  3. 会合性高分子の分子量分布解析テクニック
    1. 高分子濃度依存性
    2. 分子量分布曲線
    3. コンホメーション・プロット
    • 質疑応答

講師

  • 高野 敦志
    名古屋大学 大学院 工学研究科 化学・生物工学専攻
    准教授
  • 佐藤 貴弥
    日本電子 株式会社 MS事業ユニット MSアプリケーション部 1G
    グループ長
  • 長谷川 博一
    株式会社 東レリサーチセンター
    研究員
  • 佐藤 尚弘
    大阪大学 理学研究科 高分子科学専攻
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/5/28 高分子材料における難燃化技術と難燃性評価、難燃剤の配合設計・規制動向と実際技術 オンライン
2025/5/28 ICP質量分析法の原理と精確な測定をするためのポイント オンライン
2025/5/28 プラスチック物性の観点から高分子複合材料のメカニカルリサイクルを検討・考察する オンライン
2025/5/29 ポリマーにおける相溶性・相分離メカニズムと目的の物性を得るための構造制御および測定・評価 オンライン
2025/5/29 光学用透明樹脂の基礎、屈折率制御および光吸収・散乱メカニズムと高透明化 オンライン
2025/5/29 樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方 オンライン
2025/5/30 発泡成形のメカニズム、気泡コンロトール、測定、応用 オンライン
2025/5/30 プラスチックの強度・破壊特性と製品の強度設計および割れトラブル原因究明と対策 オンライン
2025/5/30 流動場での、高分子の結晶化挙動の基礎と成形プロセス中の結晶化解析事例 オンライン
2025/5/30 UV硬化樹脂の硬化度・物性の測定評価と硬化不良・密着不良などのトラブル対策 オンライン
2025/5/30 破壊工学の基礎と高分子材料での実践 オンライン
2025/5/30 溶融紡糸の基礎と工業生産技術及び生産管理の実践 オンライン
2025/6/2 射出成形金型・樹脂製品設計の基礎および不良対策 オンライン
2025/6/2 ポリマーアロイ・ブレンドの基礎と構造解析・物性評価 オンライン
2025/6/4 製品設計に役立つゴム材料の勘所と最適設計手法 東京都 会場・オンライン
2025/6/4 ICP質量分析法の原理と精確な測定をするためのポイント オンライン
2025/6/5 エポキシ樹脂のフィルム化と接着性の付与技術とその応用 オンライン
2025/6/5 高分子の絶縁破壊メカニズムとその劣化抑制技術 オンライン
2025/6/5 樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方 オンライン
2025/6/6 プラスチック製品の強度設計 オンライン

関連する出版物

発行年月
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/4/5 高分子の延伸による構造と配向の発現およびそれらの制御法を利用した材料開発
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/1 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ
2012/9/27 熱膨張・収縮の低減化とトラブル対策
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)