技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウム二次電池用電極スラリーの調製と塗布・乾燥プロセス

リチウム二次電池用電極スラリーの調製と塗布・乾燥プロセス

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、スラリーの調製・塗布・乾燥プロセスが電池性能に与える影響、水系バインダーを用いた電極調製の事例を解説いたします。

開催日

  • 2019年4月18日(木) 11時00分 18時00分

修得知識

  • 電池動作の基礎知識
  • 正極を構成する要素
  • 電極の構造とその役割
  • スラリーの調整と塗布・乾燥の条件とできあがった電極の構造の関係

プログラム

第1部 水系バインダーによるリチウム電池の高性能化

(2019年4月18日 11:00〜12:30)

 リチウムイオン電池に使用される水系バインダーの機能について、プロセス材および内部構成材の両面から理解を深めることができる。最新の電池セルが抱える技術的課題に対して、バインダーからの解決方法とそのポイントを把握することができる。

  1. 電池バインダーの機能
    1. プロセス材としてのバインダーの機能
      1. 分散性の制御について
      2. 結着性の制御について
    2. 内部構成材としてのバインダーの機能
  2. バインダー機能と電池性能
    1. セルの技術的課題とバインダー機能
    2. 正極用水系バインダーによる高電位耐性
    3. 新しい電池設計への対応
    • 質疑応答

第2部 CMCを用いたリチウム電極の調製とその特性

(2019年4月18日 13:10〜14:40)

 電池の構成要素の中で比較的脚光を浴びにくい素材ですが、負極の構成成分の分散と増粘に働く重要な物質でもあります。 実際のデータと合わせて、その働きをイメージしやすくお伝えしたい。

  1. CMCとは
    1. CMCの構造とその特徴
    2. CMCの基礎物性
  2. LiBへの応用
    1. CMCのメリット、デメリット
    2. 塗料化方法の違いと推奨CMC
    3. 負極の処方例
    • 質疑応答

第3部 リチウム遷移金属酸化物における構造変化とリチウムイオンの拡散挙動

(2019年4月18日 14:50〜16:20)

 リチウムイオン2次電池材料では充放電過程のリチウムイオンの挿入脱離による結晶構造変化が電極特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。こうした電極特性の変化は何もリチウムの挿入脱離に限った事ではなく、結晶中の様々な乱れと結びついている。
 コバルト酸リチウムやオリビン系リン酸リチウムを始めとする様々なリチウムイオン2次電池電極材料におけるリチウム挿入脱離による構造変化やメカニカルミリングによる構造変化が材料中のリチウムイオン拡散に及ぼす影響についてミクロ・マクロな観点から述べる。

  1. リチウムイオン2次電池材料
    1. リチウムイオン2次電池
    2. リチウム遷移金属酸化物
  2. 磁気共鳴法 (NMR)
    1. 緩和現象とは
    2. イオン運動とNMRスペクトル
  3. 電気伝導
    1. 固体電解質中の伝導
    2. イオン拡散と緩和現象
  4. メカニカルミリング法
    1. ミリング – 粉砕と非晶質化 –
    2. 遊星型ボールミル
  5. リチウム挿入脱離による結晶構造変化とイオン拡散挙動
    1. LixMO2 (M=Co、Ni)
    2. LixV2O5
  6. リチウムイオン拡散挙動におけるミリング効果
    1. LixMO2 (M=Co、Ni)
    2. LiMPO4 (M:遷移金属) (オリビン系リン酸リチウム)
    3. LiNbO3
  7. リチウムイオン2次電池正極材料の構造変化とイオン拡散
    1. 結晶構造とイオン拡散の関係
    • 質疑応答

第4部 リチウムイオン二次電池用正極スラリーの調整と塗布・乾燥、電極動作の理解

(2019年4月18日 16:30〜18:00)

 電池の基礎から、リチウムイオン二次電池の正極の構造について述べ、それぞれの構成要素がどのような働きをしているのか概説します。それら構成要素がスラリーの調整と塗布・乾燥によってどう影響され、結果的に電池の性能にどうかかわるのかを議論します。

  1. 電池の動作とその性能評価
    1. 電池の起電力
    2. 電池の充電と放電
    3. 電池の内部抵抗と電圧降下
    4. 電池の反応と過電圧
    5. レート特性
    6. サイクル特性と安全性・信頼性
  2. 電極の構造とその構成要素
    1. 電池の容量と導電経路
    2. 活物質と物質輸送
    3. 導電助材とバインダ
    4. 集電体と接触抵抗
    5. 電解液と導電率
    6. セパレータと絶縁破壊
    7. 混合状態と乾燥状態
  3. 塗布・乾燥プロセスと電池性能
    1. 乾燥と物質輸送
    2. 固体の接触と液体の濡れ
    3. 粒径と比表面積
    4. 断面積と界面の表面積の違い
    5. 接触面積と表面積の違い
    6. 導電助材の結着と集電体への接着
    7. 乾燥時における分散系バインダーと溶剤系バインダーの違い
    8. バインダーの膨潤とイオン泳動
    9. バインダーによる電子伝導阻害
    10. 構造最適化を目指したプロセス
    • 質疑応答

講師

  • 金田 拓也
    日本ゼオン株式会社 研究開発本部 総合開発センター 機能性材料研究所
    チームリーダー
  • 佐貫 淳
    第一工業製薬 株式会社 機能化学品事業部
    主任研究員
  • 中村 浩一
    徳島大学 大学院 社会産業理工学研究部 理工学域
    教授
  • 立花 和宏
    山形大学 大学院 理工学研究科
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/14 粉体の付着・固結・閉塞(詰まり)・滞留(たまり)・分離偏析(かたより)・摩耗・粉体設備トラブルの原因と予防・対策 オンライン
2025/2/14 無機ナノ粒子の合成、表面処理・表面修飾と分散技術 オンライン
2025/2/14 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2025/2/17 パルスNMRによる高濃度分散体の分散状態および各種材料の「ぬれ性」評価、HSP値評価への応用 オンライン
2025/2/18 粉体・微粒子における帯電・付着力の基礎と応用、制御および評価 オンライン
2025/2/18 燃料電池、アンモニア、水素の最新動向と日本企業の事業戦略 オンライン
2025/2/19 二酸化炭素の電解還元による資源化とその周辺技術の最新動向 オンライン
2025/2/26 溶解度パラメータ (HSP値、4DSP値) の基礎、溶解性/分散性の制御と評価、材料開発への応用例 オンライン
2025/2/26 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2025/2/27 液中の粒子分散制御及び評価の要点 オンライン
2025/2/28 リチウムイオン電池電極製造プロセスにおける間欠塗工技術と乾燥、スラリー分散技術 オンライン
2025/3/14 分散度と安定性を両立させるナノ粒子・微粒子分散の具体的方法と勘所 オンライン
2025/3/26 有機系材料を用いたナトリウムイオン電池の特性と最新研究動向 オンライン
2025/3/31 分散度と安定性を両立させるナノ粒子・微粒子分散の具体的方法と勘所 オンライン
2025/4/14 xEV用バッテリパックの設計と安全性試験・品質管理方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/13 LiBメーカー主要7社 (CD-ROM版)
2022/6/13 LiBメーカー主要7社
2022/4/11 世界の車載用LIBのリユース・リサイクル 最新業界レポート
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍 + PDF版)
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍版)
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2022/1/20 脱炭素へ、EVの役割と電池・原材料の安定供給 2030/35年モデルと諸問題の検証
2021/12/10 2022年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2021/10/29 金属ナノ粒子、微粒子の合成、調製と最新応用技術
2021/8/20 2021年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2021/6/28 AI・MI・計算科学を活用した蓄電池研究開発動向
2021/6/22 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル2021
2021/4/26 全固体リチウムイオン電池の実用化と新たな材料市場 (書籍版 + CD版)
2021/4/26 全固体リチウムイオン電池の実用化と新たな材料市場
2021/4/16 2021年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2021/3/19 2021年版 モビリティ市場・技術の実態と将来展望
2021/2/19 2021年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2021/2/16 ポリマーアロイ/ブレンドにおける相溶性・分散条件の最適設計、評価応用の最新技術
2020/12/11 2021年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望