技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

CFRP/金属の構造接着・剥離とガルバニック腐食

CFRP/金属の構造接着・剥離とガルバニック腐食

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、異種金属や金属/CFRP等の異種材料接合技術の最新情報と、異種材料接合部の大きな課題である電食・ガルバニック腐食の基礎、測定方法、実際の運用について、自動車と航空機の研究を事例をもとに解説いたします。

開催日

  • 2019年3月28日(木) 10時30分 16時10分

プログラム

第1部 構造接着の技術動向および接着応力分布の可視化技術

(10:30~12:00)

独BMW i3/8では、大衆車にCFRP/接着が用いられ、マルチマテリアル時代の黒船となった。世界動向は各種記事で目にするが、今回は自ら大学・機関・学会等で得た情報を基に紹介する。更に接着、構造分野で受賞し評価が進む応力発光 (動的ひずみ分布の発光可視) について、構造材料、接着への応用も含め紹介する。
  1. 応力発光技術とは
    1. 応力発光粒子について
    2. 応力発光センサについて
    3. 応力発光計測システムについて
    4. 応力発光のパターン・強度から応力の集中・分布・程度を読み取る
    5. 応力発光の強度分布が応力分布のシミュレーション結果との比較
  2. 応力発光材料を用いた応力分布の可視化とその応用
    1. CFRPのひずみ分布の応力発光可視化
      1. CFRPひずみ分布試験片の作製法
      2. CFRP接合部の破壊予測への応用
    2. 接着に関するひずみ分布の応力発光可視化
      1. 接着応力試験片の作製法
      2. 接着層の上端,下端,中央の領域での発光パターンの違い
      3. 非接着領域 (ウィークボンド, キッシングボンド) 検出への応用
      4. 自動車構造部材の接合部分への応用
    3. 3Dプリンター成形品への応用
  3. 接着海外動向報告
    1. 接着製造の品質保証 表面処理、評価/検査、教育、接着時、日本 (特に産総研) での状況
    2. メカニズム解明への取り組み:背景、日本 (産総研) での状況
    3. 信頼性への取り組み (エンドユーザー、日本特に産総研での状況)
    4. キッシングボンド・ウィークボンド・剥離検査
    5. AI・情報活用・モデルベース設計
    • 質疑応答

第2部 アルミニウム/CFRPのガルバニック腐食と抑制方法

(13:00~14:30)

 炭素繊維強化プラスチック (Carbon Fiber Reinforced Plastic; CFRP) 中に含まれる炭素繊維は電気の良導体かつ電気化学的に貴な材料であるため、CFRPと金属材料とが接した場合、金属材料の腐食が加速される「ガルバニック腐食」が生じる恐れがある。CFRPと金属材料とのガルバニック腐食に関する研究は少なく、今後CFRPの使用用途が広がることを考慮すると、その腐食挙動を正確に把握することは重要である。
 本研究では、アルミニウムとCFRPとのガルバニック腐食挙動について、アルミニウムとCFRPとのガルバニック対に流れるガルバニック電流を測定する「ガルバニック試験」により調べた。ガルバニック腐食に及ぼす材料側および環境側の影響について調査し、ガルバニック腐食を抑制する方法についても検討した。

  1. 研究の背景および目的
    1. 航空機に用いられる材料
    2. 材料の軽さと強さ
    3. CFRPとは
    4. ガルバニック腐食とは
  2. アルミニウムとCFRPとのガルバニック試験 – 材料側要因の検討 –
    1. ガルバニック試験の概要
    2. 純アルミニウムを用いた場合
    3. 高強度アルミニウム合金を用いた場合
    4. 陽極酸化処理によるガルバニック腐食抑制の効果
  3. アルミニウムとCFRPとのガルバニック試験 – 環境側要因の検討 –
    1. 食塩水濃度の影響
    2. 液流動条件の影響
  4. 直接接触浸漬試験
    1. プリプレグとアルミニウムとの接触試験
    2. 積層板とアルミニウムとの接触試験
  5. アルミニウム以外の金属材料とCFRPとのガルバニック試験
  6. まとめと今後の課題
    • 質疑応答

第3部 土木分野におけるCFRP接着による鋼構造物の補修・補強 – 実施例・開発事例の紹介と設計・施工・維持管理の考え方 –

(14:40~16:10)

 土木分野では、鋼橋等の鋼構造物の補修・補強に、CFRP接着工法が適用されはじめている。従来の当て板工法に比べて、既設部材への影響や、追加部材の再劣化の懸念が少なく、軽量で現場での取り扱いが容易である。本講座では、CFRP接着工法の実施例・開発事例を紹介するとともに、設計・施工・維持管理の考え方を解説する。

  1. 土木分野におけるCFRP接着による鋼構造物の補修・補強の現状
    1. 鋼構造物 (鋼橋) の経年劣化と補修・補強の現状
    2. CFRP接着による補修・補強の事例
  2. CFRP接着による補修・補強の設計・施工・維持管理 (土木学会編:FRP接着による構造物の補修・補強指針 (案) に準拠)
    1. 適用材料と材料特性
      • CFRPの種類
        • シート
        • ストランドシート
        • プレート
      • 接合用樹脂材料
        • 含浸接着樹脂
        • 高伸度弾性樹脂
        • 接着剤
    2. 設計の基本
      • 断面欠損した鋼部材の性能回復に必要なCFRPの考え方
      • 補修・補強後の鋼部材の耐力 (限界強度) の算定方法
      • 接着接合部の定着の考え方とCFRPが接着された鋼部材 (合成断面) のモデル化と力学特性
      • 接着接合部の剥離の評価方法 (破壊形式と試験法) と剥離の照査 (エネルギー解放率に基づく照査)
      • 剥離の防止対策 (CFRP端部の段差・テーパー処理)
    3. 施工・維持管理
      • 鋼部材の素地調整 (ケレン)
      • 接着
      • 養生 (クランプ方法を含む)
      • 仕上げ
      • 補修後の点検
      • 維持管理 (表面保護層 (塗装)
      • 劣化に対する対応)
  3. 研究開発の動向
    1. 剥離強度の評価事例
      • 静的強度
      • 疲労強度
    2. 接着接合部の剥離を考慮した解析事例
    3. CFRP接着による鋼構造物の研究開発の動向
      • 鋼部材の性能回復 (耐力の回復)
      • 鋼製橋脚の耐震補強
      • 疲労対策の研究事例
      • 真空含浸 (VaRTM) を応用したCFRP接着工法の開発事例
    • 質疑応答

講師

  • 寺崎 正
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 センシングシステム研究センター 4Dビジュアルセンシング研究チーム
    研究チーム長
  • 境 昌宏
    室蘭工業大学 もの創造系領域 航空宇宙システム工学ユニット
    准教授
  • 中村 一史
    首都大学東京 大学院 都市環境科学研究科 都市基盤環境学域
    准教授

会場

連合会館

401会議室

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,111円 (税別) / 49,800円 (税込)

案内割引・複数名同時申込割引について

S&T出版からの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり 24,900円(税込)でご受講いただけます。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 43,796円(税別) / 47,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 46,110円(税別) / 49,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 69,165円(税別) / 74,700円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,111円(税別) / 49,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 92,222円(税別) / 99,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 138,333円(税別) / 149,400円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/13 車載用プラスチックの基礎と最新動向 オンライン
2024/5/22 金属材料の損傷防止・防食技術、トラブル対策の必須知識 オンライン
2024/5/22 マーセル化による天然繊維の樹脂複合化と特性改善 オンライン
2024/5/23 はんだ付け用フラックスと実装不良の原因と対策 オンライン
2024/5/23 転がり軸受の電食発生メカニズムと発生防止技術 オンライン
2024/5/27 異種材料の接着・接合技術の基礎と強度特性評価 オンライン
2024/5/29 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2024/5/30 拡散接合の基礎・最新技術動向と接合部評価の実際 オンライン
2024/5/30 炭素繊維強化プラスチック (CFRP) オンライン
2024/5/31 熱硬化性樹脂複合材料 (GFRP & CFRP) の基礎とリサイクル技術 オンライン
2024/6/4 金属材料の損傷防止・防食技術、トラブル対策の必須知識 オンライン
2024/6/4 異種材料の接着・接合技術の基礎と強度特性評価 オンライン
2024/6/4 マーセル化による天然繊維の樹脂複合化と特性改善 オンライン
2024/6/11 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2024/6/12 接着・接合部の強度評価、画像解析、その応用 オンライン
2024/6/12 熱硬化性樹脂複合材料 (GFRP & CFRP) の基礎とリサイクル技術 オンライン
2024/6/17 異種金属接触腐食の機構、事例と対策技術 オンライン
2024/6/26 構造用接着接合技術の基礎および強度試験方法と耐久性の評価方法 オンライン
2024/6/27 プラスチックの力学特性と評価方法および複合化による改善手法 オンライン
2024/6/27 半導体デバイス製造に用いられる接合技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/9/20 金属の接合と異種金属接合への応用
2022/6/28 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/8/2 CFRP (炭素繊維強化プラスチック) 〔2021年版〕
2021/8/2 CFRP (炭素繊維強化プラスチック) 〔2021年版〕 (CD-ROM版)
2021/6/4 CFRPの用途別動向とビジネス戦略の再構築
2020/12/25 CFRP/CFRTPの界面制御、成形加工技術と部材応用
2020/11/30 異種金属接触腐食の機構、事例と対策技術
2018/11/19 炭素繊維・炭素繊維複合材料の未来
2016/11/1 世界の炭素繊維・応用製品の市場実態と展望 2017
2016/6/28 異種材料接着・接合技術
2016/2/20 自動車用プラスチック部品・材料の新展開 2016
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/10/8 レーザ溶接の基礎と溶接欠陥の防止策および異材接合への展開
2013/1/25 炭素繊維 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/1/25 炭素繊維 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/25 FRP(繊維強化プラスチック) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/11/25 FRP(繊維強化プラスチック) 技術開発実態分析調査報告書