技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

放熱基板 (セラミックス・樹脂) の高熱伝導化に向けた材料技術動向

放熱基板 (セラミックス・樹脂) の高熱伝導化に向けた材料技術動向

~AlN・SiN基板/AlN・h - BNフィラー添加樹脂基板の高熱伝導化技術~
愛知県 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、熱対策に貢献する放熱基板に焦点をあて、窒化ケイ素・窒化アルミニウム基板/窒化アルミニウム・窒化ホウ素フィラー添加樹脂基板の熱伝導性向上に資する材料技術の最新動向を解説します。

開催日

  • 2017年6月29日(木) 11時00分16時50分

修得知識

  • 金属基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
  • セラミックス基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
  • 高放熱化に向けた放熱構造に関する取り組みと具体的な取り組み状況
  • 材料開発技術
  • 材料プロセス設計技術
  • 結晶成長技術
  • 磁場を用いた配向セラミックス製造技術 (特に、Si3N4)
  • 粒子複合化技術
  • BNの熱伝導性
  • 高熱伝導BN焼結体の作製方法
  • BNフィラーの化学合成

プログラム

第1部 : 高放熱基板の技術動向

(2017年6月29日 11:00〜12:10)

 近年、電力の有効利用に向けてパワーモジュールの普及が進み、放熱基板は高耐圧、高放熱、高信頼性が求められる電鉄、車載用途を中心に広く使用されている。今後、次世代半導体素子 (SiC、GaN等) の普及に伴い、パワー密度の増加に伴う放熱特性の改善、使用温度の高温化 (175℃→250℃) による耐熱性の向上が要望されており、回路基板の高熱伝導化、高信頼性に向けた種々の取り組みが図られている。
 本発表では、放熱構造も含めた放熱基板の技術開発状況について報告を行う。

  1. 放熱基板の用途と要求特性
  2. 樹脂基板 (高熱伝導アルミニウム基板)
    1. 高信頼性に向けた取り組み
    2. 高耐熱性に向けた取り組み
    3. 高放熱性に向けた取り組み (高熱伝導フィラーについて)
  3. セラミックス基板 (窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板)
    1. 絶縁層 (セラミックス) からの取り組み
    2. メタライズ層、回路金属からの取り組み
  4. 高放熱化に向けた放熱構造の取り組み
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 : 窒化アルミニウムウィスカー状フィラーの開発

(2017年6月29日 13:00〜14:10)

 様々な半導体デバイスの性能向上において、半導体素子から発生する熱の放熱を以下に効率よく行うかが、重要な課題となっている。たとえば、電子デバイスの場合は放熱がプロセッサなどの速度を律しているし、最近、省エネ技術の要として注目されているパワーデバイスにおいては、大電力を扱うことから、その重要度がより一層高い。半導体素子からの放熱の改善においては、絶縁性基板、封止材、接着剤、グリースなどの熱伝導の向上が必要となる。
 一般に、樹脂などの熱伝導率向上においては、比較的熱伝導率の高い材料をフィラーとして混合する手法が用いられる。窒化アルミニウム (AlN) は、高熱伝導性と高絶縁性を併せ持つ。そのためフィラー材として大きな期待が寄せられている。しかし、AlNフィラー材の作製コストが高いという問題があった。
 我々は最近、比較的容易にAlNフィラーを作製できる手法を開発した。しかも、この方法により形成されるフィラーはウィスカー (ひげ結晶) 状のものであり、より一層の熱伝導率向上が期待できる。

  1. AlNウィスカー状フィラーの可能性
  2. AlNウィスカー結晶の合成
    1. AlNウィスカーの合成法の基礎
    2. 形成メカニズム
    3. 最適条件の探索方法
    4. AlNウィスカーの評価
    5. 樹脂への混合
    6. 今後の課題
    • 質疑応答

第3部 : 高熱伝導率化のためのc軸配向窒化ケイ素セラミックスの開発

(2017年6月29日 14:20〜15:30)

 SiCパワーデバイス実用化に向けたサーマルマネージメントのために、放熱基板の革新的性能向上は急務である。
 SiCパワーデバイスのより高い動作温度と大きな熱応力に耐えうる、優れた機械的特性と熱伝導率を両立できる材料として、窒化ケイ素 (Si3N4) が注目されている。Si3N4は大きな熱伝導率異方性 (理論値でc軸方向に400W/ (m・K) 、a軸方向に180W/ (m・K) ) をもつ。
 我々は、磁場を用いた配向プロセスにより、試料の厚さ方向にc軸配向した高熱伝導率Si3N4基板を開発した。さらに、「使われてこそ材料」という理念から、実用性の高い低磁場を利用する革新的プロセスの開発にも取り組んでいる。
 本講演では、これらの内容について紹介する予定である。

  1. SiCパワーデバイス用放熱基板
  2. Si3N4セラミックス
    1. Si3N4とは
    2. 高熱伝導率化のための微構造制御
  3. 磁場配向法により作製された高熱伝導率Si3N4セラミックス
    1. 超伝導磁石による高磁場を利用した配向プロセス
    2. 実用的な革新的低磁場による配向プロセス
  4. 今後の展望
  5. 総括
    • 質疑応答・名刺交換

第4部 : 窒化ホウ素焼結体の熱伝導度と樹脂用窒化ホウ素熱伝導フィラーの開発

(2017年6月29日 15:40〜16:50)

 六方晶窒化ホウ素 (h-BN) は、グラファイトと似た構造を持ち、軽い元素であるBとNが六角形状に強い共有結合で結びついた六角網面層が弱いファンデルワールス結合で積層された構造を有している。このa軸方向に相当する六角網面層は、強い共有結合で結びついているため400W/mK程度の高熱伝導を有していると言われているが、弱いファンデルワールス結合で積層したc軸方向では2W/mK程度と報告されている。
 本講演ではまず、熱伝導異方性のあるh-BNを用い、高熱伝導h-BN焼結体の可能性について報告するとともに、BNフィラーを添加した樹脂複合材料の熱伝導性の改善についても報告する予定である。

  1. h-BN
    1. h-BNの構造
    2. h-BNの位置づけ
  2. 高熱伝導BN焼結体
    1. 焼結助剤の影響
    2. BN粒径の影響
  3. 高熱伝導ハイブリッド材料
    1. BN凝集体添加エポキシハイブリッド材料の熱伝導度
    2. ホウ素源としてBを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度
    3. ホウ素源としてB4Cを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 西村 浩二
    デンカ 株式会社 セラミックス基板プロジェクト
  • 宇治原 徹
    名古屋大学 未来材料・システム研究所 附属未来エレクトロニクス集積研究センター
    教授
  • 高橋 拓実
    神奈川県立産業技術総合研究所
    研究員
  • 楠瀬 尚史
    香川大学 工学部 材料創造工学科
    教授

会場

名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール

4F 第2会議室

愛知県 名古屋市 千種区吹上二丁目6番3号
名古屋市中小企業振興会館 吹上ホールの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 51,300円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,000円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 51,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 81,000円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/8/27 xEV車載機器におけるTIMの最新動向 オンライン
2025/8/27 ゴム・プラスチック材料のトラブル解決 2コースセット 東京都 会場
2025/8/28 セラミックス焼結・一体焼結プロセスの高度制御のための計測・解析技術 オンライン
2025/8/29 スラリー中の粒子分散制御及び評価の要点 オンライン
2025/8/29 熱工学の基礎と演習 オンライン
2025/9/1 熱工学の基礎と演習 オンライン
2025/9/1 セラミックス焼結・一体焼結プロセスの高度制御のための計測・解析技術 オンライン
2025/9/2 バッチ化学合成プロセスのスケールアップによる化学品・医薬原薬の製造のポイントとトラブル対策 オンライン
2025/9/2 製品設計に役立つゴム材料の勘所と最適設計手法 東京都 会場・オンライン
2025/9/5 エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤の種類、特徴と硬化物性の評価、トラブル対策 オンライン
2025/9/5 押出機内の樹脂挙動および混練の基礎と最適化 オンライン
2025/9/5 マイクロ波加熱の基礎と工学応用 オンライン
2025/9/8 ベーパーチャンバー、薄型ヒートパイプの設計、性能と応用 オンライン
2025/9/8 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の主にセラミックス材料設計から見た技術動向 オンライン
2025/9/9 エポキシ樹脂の配合設計と硬化剤の選び方、使い方 オンライン
2025/9/9 マイクロ波加熱の基礎と工学応用 オンライン
2025/9/11 セルロースナノファイバーの樹脂との複合化技術とその応用 オンライン
2025/9/17 伝熱の基礎と熱計算・温度計測のポイント オンライン
2025/9/17 化学プロセスの評価と熱エネルギー効率の最適化 / プロセスシミュレーションとピンチテクノロジーの活用 オンライン
2025/9/17 エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤の種類、特徴と硬化物性の評価、トラブル対策 オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/7/18 世界のAIデータセンター用冷却技術・材料 最新業界レポート
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/5/30 熱、排熱利用に向けた材料・熱変換技術の開発と活用事例
2024/11/29 パワーデバイスの最新開発動向と高温対策および利用技術
2024/2/29 セラミックス・金属の焼成、焼結技術とプロセス開発
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例
2021/7/30 電子機器の放熱・冷却技術と部材の開発
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/2/28 伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集
2018/3/30 熱利用技術の基礎と最新動向
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2013/6/26 UV・EB硬化型コート材の基礎、各種機能向上技術
2013/3/21 目からウロコの熱伝導性組成物 設計指南
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/20 導電・絶縁材料の電気および熱伝導特性制御
2012/9/27 熱膨張・収縮の低減化とトラブル対策
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書