技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品製造における品質リスクの要因分析と品質リスクマネジメント 入門講座

医薬品製造における品質リスクの要因分析と品質リスクマネジメント 入門講座

~実際の品質リスク事例から「リスク項目」「リスク評価」を学ぶ~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年6月27日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 品質リスク全般の基礎知識
  • 実践に即した効果の現われる対策とその事例
  • GMP適合性調査不適合による新製品上市遅れと製品回収リスク
  • 包装工程のミスによるトラブル/製品回収事例
  • 資材ミスによるトラブル/製品回収事例
  • 製造設備による製品回収防止対策

プログラム

 品質リスクはICH Q9でリスク対策が紹介されていますが、一番効果的なリスク対策は実際に起きている品質リスクから学び、それが自社/委託先製造所で起きないことを確認することです。
 品質リスクで絶対に避けることは健康被害を避けることです。健康被害に影響するのは意図的な犯罪行為と表示ミスです。そして、その次に避けたいことは、欠品です。欠品に大きくかかわるのが製品回収です。そのためにいかにして製品回収を防ぐかが重要な対策になります。GMPを十分やっていたが製品回収になっているケースが多々あります。GMPをやっていれば製品回収にならないとの考えは絵に描いた餅です。製品回収を防ぐ手立てが必要です。
 PMDAの最近の動向を見ていると、GMP不備を指摘しています。その結果新製品の上市が遅れるまた、製品回収になるケースが増えています。それをいかに防ぐかについても紹介します。
 GMPをしっかり行い、製品回収を防ぐ仕組みを作っても、意図的にそれを守らない (犯罪) 、また隠蔽/偽証を行ってしまうと新たな品質問題を起こすことになり、今の品質保証の仕組みでは防ぐことは不可能です。犯罪/隠蔽/偽造を防ぐ風土創りとマネイジメント、それを防ぐ仕組みについても言及します。

  1. 医薬品製造における具体的な品質リスク
    1. 健康被害を起こす。
    2. 製品回収を起こす (製品苦情が増える) 。
    3. 欠品を起こす。
    4. GMP適合性調査で期日までに適合せず承認が下りないまたは承認が遅れる。
    5. 製造コストを高める。
    6. 会社の信頼を損ねる。
  2. 他産業の大きな品質リスク事例紹介
    1. 知識がなかったケース
    2. 犯罪 (ルールを守らない) のケース
    3. マネイジメントが悪かったケース
    4. コストを優先してしまったケース
  3. 健康被害を起こす可能性のあるリスク (過去から学ぶ)
    1. トリプトファンのケース
    2. ヘパリンのケース
    3. エチレングリコールのグリセリン表記
    4. アレルギー性物質の混入
  4. 製品回収のリスク
    1. PMDAの製品回収のHPより
    2. 生物由来異物の製品回収についての通知
    3. 製品回収の流れと社内SOP
    4. 製品回収事例の紹介 (PMDAのHPより)
      1. 実際の製品回収の事例紹介
      2. 問題の発覚と調査
      3. 社内会議
      4. 当局対応
        • 当局への報告
        • 回収着手報告書
        • PMDAの製品回収ホームページへの掲載
        • 回収品の当局確認
        • 回収終了報告
      5. 社外への連絡
      6. 欠品対応
      7. 是正改善
      8. 次回製造販売業の業更新時の査察に備えて
  5. GMP適合性調査不適合による新製品上市遅れと製品回収リスク
    1. 製剤設計/導入品の評価
      1. 製剤設計/導入品への関与
      2. 安定性試験結果の評価 (特に製品回収の多い設計品質)
        • 溶出試験の対応
        • 注射剤の不溶性異物/不溶性微粒子試験対応
    2. 申請前
      1. 申請資料への関与
        • 外国製造所認定
        • GMP適合性調査申請
      2. GMP適合性調査不適合のリスク
        • 新製品申請時のGMP適合性調査に期日まで適合しないため、新製品の承認が遅れるリスク
        • 定期あるいは一変時のGMP適合性調査で問題点が見つかり製造に影響するリスク
        • 他社のGMP適合性調査での問題による自社製品回収のリスク
    3. 安定供給の確認
      1. 申請段階での安定供給の手当
      2. 安定供給に疑義が生じた時の当局への連絡
      3. 承認申請中の安定供給に疑義が生じた事例
    4. レギュレーションに適合していないリスク
      1. 製造販売承認書の記載事項から逸脱する。
      2. 変更管理が適切でなく、製造販売承認書に反映されない。
      3. 原薬/委託先管理が適切でなく、製造販売承認書に反映されない。
  6. 包装工程のミスによるトラブル/製品回収事例
    • 添付文書の最新版との不一致 (包種追加反映されず)
    • 使用期限と製造番号逆転
    • ドリンク剤 (食品) の表示ミスによる回収事例
    • 異種ラベル接続による回収事例
    • 異種アンプル混入による品質トラブル
    • 錠剤の刻印ミスによる製品回収
    • PTP包装ラインでの欠錠センサーの排出同期化トラブル
    • PTP包装ラインのシートカッターのずれトラブル
    • プラスチックアンプルのカッターずれトラブル など
  7. 資材ミスによるトラブル/製品回収事例
    • 箱の有効成分の単位ミス
    • 異種添付文書混入
    • 異種フリップキャップコンタミによる回収事例
    • 異種ロールラベルに混入
  8. 製造設備による製品回収防止対策
    • URSの実施 (設計ミスによる異物問題)
    • ラインでの表示資材のバーコード管理
    • 原料の篩過
    • 粉で除鉄機、整形でメタルセンサー
    • フェールセイフ機構 (ポジティブセンサーとネガティブセンサー)
  9. 品質問題が発生した時の具体的な対応
    1. 外部からの品質問題の指摘
      1. 製品苦情 (クレーマーへの対応含む) 孟子の母から学ぶ
      2. 収去
      3. 査察
      4. 他社製造所での品質問題の影響
      5. MFのクローズド・パートの不備の影響
    2. 内部からの品質問題の発見
      1. 逸脱 (他のロット/製品への広がり)
      2. 製造販売承認書とSOPの齟齬
  10. 偽造、隠ぺいを防ぐために
    1. 偽造、隠蔽の事例
      • 他産業の事例
      • 医薬品産業での偽造、隠ぺいの事例
      • 内部報告での製品回収事例
      • 厚生労働省の改善命令より
    2. 重大な品質問題が生じた時の実際のマネイジメント対応例
      • 報告すると製品回収のリスク/報告しなければ製品回収はないとの狭間のジレンマ
      • なぜ作業者は報告しない/隠ぺいするのか
      • 地雷 (品質問題) を埋めない、先送りしない、自爆を恐れない
      • 評価はその品質問題を起こした人であり、その時対応した人でない
  11. 教育/訓練
    1. GMPの順守
      1. ミスと違反の違い
      2. ミスの原因分類
    2. GMP上乗せ基準
      1. 製造で品質を造り込む
      2. 製造ラインの設計思想
    3. 人の能力/意欲を品質保証に生かす
      1. 割れ窓理論
      2. ハインリッヒの法則
      3. 品質KYT
      4. 人の感性が品質を救う
      5. 感性を養うためには
      6. 3H (初めて、変更、久しぶり) 、5H (犯罪、普段と違う)
      7. 3H – 4M活動
      8. Spiritual 5S (精神、整理、整頓、清掃、清潔)
  12. 最後に – 人が創る品質 –
    1. 女性社員の感性が工場を救った事例
      • 日本電気 熊本工場の不良率低減
    2. 一人ひとりが品質保証の大切な役割を担う
      • 映画「動脈列島」より
    3. 品質を高めるには人の質を高める
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第1講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/24 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2024/12/24 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2024/12/24 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン
2024/12/24 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン
2024/12/25 グローバル開発における承認申請のための医薬英語/英文ライティング入門 オンライン
2024/12/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2024/12/26 再生医療等製品/細胞治療製品における規制要件の理解と申請書作成のポイント (入門講座) オンライン
2024/12/26 原薬GMP/ICH Q7・Q11の要件理解と原薬プロセスバリデーション実施時の注意点 オンライン
2024/12/27 PIC/Sを踏まえた治験薬GMPガイドラインと運用上の注意点および三極 (日米欧) 規制の解説 オンライン
2024/12/27 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/27 英文メディカルライティング基礎講座 オンライン
2024/12/27 医薬品製造施設 (バイオ、合成原薬、固形製剤、無菌製剤) の構造設備に関わるGMP講座 オンライン
2024/12/27 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン
2025/1/6 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2025/1/6 改正GMP省令、PIC/S DIガイドをふまえたGMP文書・記録の再点検 (データ改竄、捏造、隠蔽防止のための工夫) オンライン
2025/1/6 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2025/1/6 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2025/1/7 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2025/1/8 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2025/1/8 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/2/27 リスクマネジメント・CAPA(是正措置・予防措置)導入手引書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/1 患者情報の安全管理と法的にみた診療記録のあり方
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/3/29 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違
2012/3/13 超入門 GMP基礎セミナー
2012/3/5 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/12/8 最新のCSV動向および21 Part 11も視野に入れたFDA査察対応方法
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座