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ペプチド医薬スクリーニングでの分子設計・合成法の開発

ペプチド医薬スクリーニングでの分子設計・合成法の開発

~標的への結合性付与と結合の加水分解性・凝集性の解決~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年12月14日(水) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部. 特殊ペプチドの合成手法と医薬シーズの探索

(2016年12月14日 10:00〜11:30)

 近年、ペプチド化学および遺伝子工学の発展により、天然に存在しない多様な化学修飾を持つ「特殊ペプチド」の創製が可能になっており、その分子特性から医薬品のシーズとして期待されている。
 本講座では、「特殊ペプチド」の作製技術について化学的手法と遺伝子工学的手法の両側面から紹介すると共に、標的タンパク質に結合するペプチドの探索技術についても紹介する。

  • 特殊ペプチドとはどのような分子か?
  • リボソームによる翻訳反応と特殊ペプチド
  • 多様な非天然アミノ酸をアミノアシル化するリボザイムFlexizyme
  • FIT systemによる標的タンパク質に結合する特殊ペプチドの選別
  • 変異リボソームとtRNAによるオルソゴナル翻訳システムの創製研究
  • ペプチド固相合成法による特殊ペプチドの創製
  • 標的タンパク質に結合する化学合成特殊ペプチドのスクリーニング
  • より大きな特殊ペプチドを作製するためのタンパク質化学合成法
  • 細胞内へ特殊ペプチドを運ぶための課題 ?細胞膜透過性ペプチドは有用か?
  • 質疑応答

第2部. 立体構造規制ペプチド~マイクロ抗体~を土台分子とした分子標的医薬創成研究

(2016年12月14日 12:15〜13:45)

 ヒトゲノム中には、50万種類以上のタンパク質 – タンパク質相互作用 (PPI) の存在が予測されている。癌などの各種疾患では異常型PPIがみられ、これらに特異的な阻害剤が医薬品として期待されている。しかしながら、このような明確な目標があるにもかかわらず、従来の低分子化合物ではPPI阻害剤の創出はいまだに困難である。一方で、PPI阻害活性をもつ抗体医薬品が創出されていが、抗体医薬品は製造コストが高い。また、分子サイズが大きく細胞内に入らないため、細胞内タンパク質を標的とすることができない。
 これらの課題を解決する次世代抗体医薬として、化学合成ができて安価なPPI阻害活性をもつ医薬品の創出を提案する。立体構造規制ペプチド~マイクロ抗体~を土台分子とした分子標的医薬品創製研究について最新の事例を交えて紹介する。

  • マイクロ抗体の分子設計:ヘリックス – ループ – ヘリックス (HLH) 構造ペプチド
  • ファージ表層提示法を用いたマイクロ抗体ライブラリー
  • マイクロ抗体を土台分子とする分子標的リガンドの分子設計
  • マイクロ抗体を土台分子とする細胞膜透過性PPI阻害剤の分子設計
  • マイクロ抗体の効率的化学修飾方法
  • 質疑応答

第3部. インシリコ技術を活用したペプチドのスクリーニング

(2016年12月14日 14:00〜15:30)

 ペプチドは20種類のアミノ酸で構成されるため、10残基ともなると10兆種類を超え、組み合わせの数が分子の長さとともに爆発的に増大する。このため、未だ発見されていない新たな機能を持ったペプチドが存在する可能性が高い分子であるとも言える。機能性ペプチド探索ツールとして、ペプチドアレイが知られており、その特徴は、基盤上に任意のペプチド配列を任意の位置に合成可能なことである。しかし、ペプチドアレイの最大の問題点は、その網羅数の少なさである。
 そこで、ペプチドアレイと情報処理解析を用いた効率的かつルール化可能な、新規手法を考案し研究を進めてきている。他のペプチド探索手法と比較したペプチドアレイ法の利点に、①任意のペプチドを合成することが可能な点、②ネガティブテータを取得することが可能な点が挙げられる。
 本講演では、これらの利点をうまく活用する事例を紹介する。

  • ペプチドアレイとは
  • ペプチドの数値化に関して
  • アミノ酸インデックスとは
  • 事例①:胆汁酸結合ペプチドの探索
  • 事例②:タンパク質結合ペプチドの探索
  • 事例③:細胞接着ペプチドの探索
  • 事例④:ペプチドトランスポーター結合解析
  • ペプチドからの拡張
  • 質疑応答

第4部. 生体内安定性を有するペプチド結合等価体の設計と応用

(2016年12月14日 15:45〜17:15)

 微量で強力な生理活性を有し、標的とする受容体に特異的に作用するペプチドは、創薬的価値が高いものの、ペプチドの主鎖骨格を形成するペプチド結合の加水分解性や、構成分子であるアミノ酸の側鎖に起因する凝集性などが問題となり、医薬品への直接展開は容易ではない。
 本講座では、ペプチドが有する生物活性や機能を保持したまま、ペプチドの弱点を克服するペプチドミメティックなどの有機化学的手法について、検討する。

  • ペプチドの医薬品としてのポテンシャル
  • ペプチド性医薬品の問題点
  • ペプチド結合の特徴と加水分解のメカニズム
  • 遷移状態模倣型ペプチドミメティック
  • HIVプロテアーゼ阻害剤に含まれる生物学的等価体
  • 基底状態模倣型ペプチドミメティック
  • アルケン型ペプチド結合等価体の分子設計
  • アルケン型ペプチド結合等価体の合成法
  • アルケン型ペプチド結合等価体の応用例
  • ペプチド結合等価体の展望
  • 質疑応答

講師

  • 林 剛介
    東京大学 工学系研究科 化学生命工学専攻
    助教
  • 藤原 大佑
    大阪府立大学 大学院 理学系研究科 生物科学専攻
    助教
  • 蟹江 慧
    名古屋大学 大学院 創薬科学研究科
    助教
  • 鳴海 哲夫
    静岡大学 学術院 工学領域 化学バイオ工学系列
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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