技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バリアフィルム技術の基礎・入門講座

バリアフィルム技術の基礎・入門講座

~基礎・メカニズム・評価・高機能化・市場動向~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、ハイバリア包装材料の基礎から解説し、包装用途からエレクトロニクス用途までを網羅的に詳解いたします。

開催日

  • 2016年9月14日(水) 11時00分 16時00分

修得知識

  • ハイバリア包装材料の基礎
  • 真空薄膜技術
  • アルミ蒸着フィルムの特性と用途

プログラム

 これまで、バリアフィルムは主に食品包装の分野で用いられ、酸素バリア性が酸化による食品の味や風味の劣化抑制に、防湿性が内容物の吸湿・乾燥防止など食品の保存期間延長に役立つことから、広く利用されてきました。
 一方、有機EL、太陽電地、量子ドットなどの分野では製品のフレキシブル化、薄型化、軽量化等が求められ、ガラス基板からプラスチック基板への代替検討が進められております。
 ところが、エレクトロニクス用途が必要とするバリア性は、包装分野で必要とされるバリア性より数桁厳しく、従来と違ったハイバリア性に関する技術展開が求められるようになってきました。
 このような我が国におけるバリアフィルムに関する技術の状況を、「バリアフィルム技術の基礎・入門講座」にまとめて講演します。

  1. プラスチックフィルムの謎に迫る
    1. ガス透過のメカニズム
      • ガス透過モデル
      • 定常状態でのガス拡散状態、
    2. ガス透過理論
      • 透過ガス量の式
      • ガス透過係数
      • 積層系のガス透過係数
    3. 高分子構造とガスバリア性】
      • 高分子の構造とガスバリア性
      • 結晶化度とガス透過度
      • 配向度とガス透過度
      • ガラス転移点とガス透過度
      • フリーボリュームとガス透過度
      • 凝集エネルギーとガス透過度
      • PEの熱振動による開閉孔
      • PANニトリル基による極性相互作用
      • PVA水酸基による水素結合
      • 水蒸気敏感度とガス透過度
      • ラミネート構成による透湿度の変化
    4. 各種フィルムのガス、水蒸気バリア性
      • パーマコール
      • 各種フィルムの酸素vs水蒸気透過度
  2. バリア性をどう評価するか
    1. プラスチックの主な規格・試験法
      • ガス透過度測定方法の分類
      • 各種用途に求められるバリア性、酸素・水蒸気透過度の測定感度
    2. ガス透過度測定
      • 酸素・水蒸気透過度の測定感度
      • 等圧法モコン水蒸気透過度測定法
      • 等圧法モコン酸素ガス透過度測定法
      • ボトルの酸素透過度試験装置
      • カップ法透湿度試験方法
      • 差圧法高感度水蒸気透過度試験 (オメガトランス法)
      • デルタバーム法
      • API BARRIER SYSTEM
      • Ca法高感度水蒸気透過度試験
    3. その他の測定
      • ゲルボフレックス試験機
  3. バリア性を付与するドライコート手法
    1. ドライコーティング法の分類
      • ドライコーティング法の分類
      • プラズマCVDの成膜モデル
    2. 薄膜の形成
      • 薄膜成長の3様式
      • 基板面上の核形成と核成長
      • 蒸着膜構造の圧力
      • 温度依存性
      • アルミ蒸着膜の表面・断面写真 (TEM)
      • アルミ蒸着膜のピンホール部写真
      • 無機膜の欠陥とガス分子の透過経路
      • ピンホール数と酸素透過度の関係
    3. アルミ蒸着膜
      • アルミ蒸着フィルムのガスバリア性
      • アルミ蒸着膜厚とバリア性
      • アルミ蒸着膜厚とOD値・電気抵抗
      • アルミ蒸着フィルムのラミネート効果
      • ハイバリア アルミ蒸着フィルム
      • ハイバリア・アルミ蒸着フィルムの構造
      • ハイバリアアルミ蒸着フィルムの物性
      • スナック包材の構成別バリア性比較
    4. 透明蒸着膜
      • 透明蒸着フィルムの構成と性能 PVD透明蒸着プロセス
      • CVD透明蒸着プロセス
      • SiOx膜の酸素透過度とX値の関係
      • SiOx膜の成膜方法と特性
      • 二元蒸着の概念とその蒸着膜の構造
      • アルミナ添加量と密度
      • バリア性の関係
      • 蒸着フィルムの特性 (延展性、印加圧)
      • アルミナ蒸着での真空度とバリア性
      • アルミナ蒸着膜の最適膜厚領域
      • PETボトル内面へのDLC蒸着
    5. ハイブリッド蒸着
      • 有機・無機ハイブリッドバリ膜の比較
      • Barix技術の概要図
      • Barixのハイブリッド積層膜写真
      • GE社UHBのハイブリッド積層膜写真
      • 有機・無機プラズマCVDプロセス条件と物性
  4. バリア性を付与するWET&DRYコーター
    1. ウエットコーティング
      • バリア性付与コーティング技術の分類
      • ウェットコーティング法によるバリアフィルム
      • コーターヘッドの構造
      • 塗工方式と適応粘度、塗布厚み
    2. ドライコーティング
      • 巻取式真空蒸着機の構造
      • 電子ビームを使用した真空蒸着機
      • 巻取式スパッタリング装置の配置例
      • アルミナ蒸着機 (BOBST) と蒸発源
      • マイクロ波プラズマCVD蒸着機
      • PETボトル用DLCコーティング装置
      • PEーCVD装置 (神鋼) とプラズマ発光
      • ロール・ツ・ロールCVD装置
      • PML用ロール・ツ・ロール蒸着機
    3. エアー・ツ・エアー蒸着機
      • エアー・ツ・エアーアルミ連続蒸着機
      • エアー・ツ・エアー全体レイアウト
      • 連続シール装置構造
      • 差動排気システム系統図
  5. 蒸着フィルムのマーケット情報
    1. アルミ蒸着フィルムの市場
      • アルミ蒸着フィルムの用途と販売量
      • 基材別生産量と製品名
    2. アルミ蒸着フィルムの物性と製品例
      • 市販アルミ蒸着フィルムの物性表
      • アルミ蒸着フィルムを使用した包材製品例
    3. 透明蒸着フィルムの一覧
      • 透明蒸着フィルムの特性
      • 市販透明蒸着フィルム一覧
    4. 透明蒸着フィルムを使用した製品例
      • 透明蒸着フィルムの汎用用途
      • 透明蒸着フィルムの包材構成例
      • 包材製品例
      • PET、NY系バリアフィルム市場
      • 用途別酸素、水蒸気バリア性要求
  6. 高機能化技術 – 太陽電池、有機EL、量子ドット用ハイバリアフィルム
    1. 太陽電池の種類と構造とバックシート
      • 主な太陽電池の分類と要求バリア
      • 各種太陽電池の基本構成
      • 結晶シリコン系太陽電池パネルの構造とバックシートの構成
      • 各社バックシートの銘柄
      • デュポン・テドラーPVFフィルムの耐候試験
    2. 有機ELの構造と用途
      • 有機ELを用いた製品
      • 有機ELの発光メカニズムとデバイスの進化
    3. 有機ELディスプレイ用封止膜
      • パイオニア有機EL素子概要図
      • LG社の「G FLEX」の構成と写真
    4. 有機EL照明用超ハイバリアフィルム
      • コニカミノルタの超ハイバリアフィルム
      • テラバリアフィルムの構造
    5. 量子ドット技術
      • 量子ドットの働きと波長変換の仕組み
      • 量子ドット組込バックライトの実装方式
      • タブレット端末向け表面実装方式 (3M)
    • 質疑応答

講師

  • 伊藤 義文
    久留米工業高等専門学校
    研究アドバイザー

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/6 トライボロジー (摩擦、摩耗、潤滑) の基礎と耐摩耗対策、摩擦制御法 オンライン
2024/5/7 異種材料接着に向けた金属の表面処理技術と接着性の改善 オンライン
2024/5/8 高分子の接着性改善と表面処理、界面の構造評価技術 オンライン
2024/5/9 溶融製膜/溶液製膜によるフィルム成形技術の基礎と実際 オンライン
2024/5/10 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/5/14 真空技術の基本と機器の運用・問題解決のコツ オンライン
2024/5/16 半導体めっきの基礎とめっき技術の最新技術動向 オンライン
2024/5/17 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン
2024/5/21 ぬれ性のメカニズムと制御・測定技術 オンライン
2024/5/21 ラミネート技術の基礎・トラブル対策とヒートシール技術のポイント オンライン
2024/5/21 プラズマによる表面改質技術の基礎と応用 オンライン
2024/5/22 防汚コーティング技術の総合知識 オンライン
2024/5/22 プラズマCVD (化学気相堆積) 装置による高品質薄膜の成膜技術、および量産化対応 オンライン
2024/5/24 基材表面への防曇性付与と持続性の向上 オンライン
2024/5/24 塗膜の濡れ・付着・密着コントロールとトラブル対策 オンライン
2024/5/27 スパッタリング薄膜の密着性改善技術とトラブル対策 オンライン
2024/5/28 プラスチックフィルムにおける各樹脂特性、添加剤・成形加工技術および試験・評価方法 オンライン
2024/5/29 ぬれ性のメカニズムと制御・測定技術 オンライン
2024/5/29 フィルムへの塗工技術とプロセス最適化、トラブル対策 オンライン
2024/5/29 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン

関連する出版物

発行年月
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/8/5 透明導電性フィルム 技術開発実態分析調査報告書
2013/8/5 透明導電性フィルム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/7/25 正しい分散剤の選定・使用方法と、分散体の塗布性を上げる添加剤技術
2013/6/26 UV・EB硬化型コート材の基礎、各種機能向上技術
2013/4/5 高分子の延伸による構造と配向の発現およびそれらの制御法を利用した材料開発
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2012/10/31 ハイブリッド・デュアルUV硬化の実践的活用
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/6/1 超撥水・超親水化のメカニズムとコントロール
2012/5/7 機能性ポリエステルフィルム市場の徹底分析
2012/1/30 水処理膜の製膜技術と材料評価
2012/1/15 光学フィルム 技術開発実態分析調査報告書
2010/7/28 柔軟媒体ハンドリング
2010/2/25 コーティング材料のコントロールと添加剤の活用
2009/10/1 国際化時代のポリエステル樹脂総合分析
2009/4/20 富士フイルムホールディングスグループ分析 技術開発実態分析調査報告書 (PDF版)