第1部. 痛みのモデル動物作成とその評価
(2016年3月25日 10:00〜11:30)
本講座では神経障害性疼痛について,小動物 (マウスおよびラット) を用いたモデル動物の作製方法・評価方法から,それらを用いた研究例まで,最新のデータを交え,講演したい。
- 急性痛と慢性痛
- 急性痛とは?
- 慢性痛とは?
- 治療に用いられる鎮痛薬・鎮痛補助薬
- 動物を用いた痛みの研究
- 痛みの評価方法
- 種々の急性痛モデル動物
- 神経障害性疼痛のモデル動物
- 坐骨神経障害性疼痛モデル
- 糖尿病性神経障害モデル
- 帯状疱疹後神経痛モデル
- 脳卒中後疼痛モデル
- 脊髄損傷モデル
- 抗がん剤誘発性の疼痛モデル
- その他
- 神経障害性疼痛モデル動物を用いた研究例
- 疼痛メカニズムの解明と新規鎮痛薬の開発に向けた研究例
第2部. がん治療時でのしびれの診断・治療と薬剤選定
(2016年3月25日 12:10〜13:40)
がん薬物療法によるしびれ (末梢神経障害) は、患者のQOLを低下させる重大な有害反応である。がん治療継続にはしびれ対策が必要であり、臨床現場での実際を症例を提示しながら説明する。
- がん治療時におけるしびれ (末梢神経障害) の基礎
- 神経系の構造
- しびれの発症機序?軸索障害、神経細胞体障害、脱髄障害
- しびれの原因となるがん薬物療法とその症状
- 症例提示
- しびれの評価
- しびれの対策?ケア
- しびれの薬物療法
- 臨床現場からみるしびれの問題点
- 客観的な評価困難
- しびれが患者のQOLを低下させる
- 医療者側の問題点
- 患者側の問題点
- しびれの有効な対策とは何か
- 神経障害の予防
- 神経障害の修復
- しびれの対症療法
- 医師、医療従事者が望む薬剤とは何か。
第3部. 神経障害痛での治療の実際と求める薬剤プロファイル
(2016年3月25日 13:55〜15:25)
神経障害痛の特徴に関して、基礎的なことから、診断のコツ,現在行われている治療法について解説する。また、今後望まれる治療薬に関して臨床医の立場から述べる。
- 痛みの基礎
- 痛みの定義
- 痛みのメカニズム
- 痛みの分類
- 痛覚過敏とアロディニア
- 痛覚過敏について
- アロディニアの定義
- アロディニアのメカニズム
- 神経障害痛について
- 神経障害痛のメカニズム
- 神経障害痛の特徴
- 末梢神経障害について
- 中枢神経障害について
- 神経障害痛の診断のポイント
- 神経障害痛を呈する代表的疾患
- 神経障害痛の治療
- 神経障害痛の急性期における治療
- 神経障害痛の慢性期における治療
- 神経ブロックと用いられる薬剤について
- 神経障害痛の治療における現状と課題
- 具体的な症例提示
- 神経障害痛治療の現状
- 神経障害痛治療の課題
- まとめ
第4部. 末梢神経障害の研究手法と発症機構の解明、新たな治療戦略の開発
(2016年3月25日 15:40〜17:10)
糖尿病やがん化学療法、さらに脱髄性疾患による末梢神経障害に伴う痛みやしびれに対する既存の研究手法は人への外挿性に問題があり、新たな動物モデルや評価法が必要とされる。本講演では、末梢神経障害に伴う痛みやしびれの基本的知識、抗がん剤誘発末梢神経障害の発症機構などについて概説するとともに、最近、演者らが実施している末梢神経-シュワン細胞共培養系を用いた末梢神経障害のin vitro解析法、それに基づく新たな治療戦略について紹介したい。
- 末梢神経障害の動物モデル
- 各種抗がん剤による末梢神経障害モデル 共通点と相違点
- 抗がん剤による急性?亜急性?慢性末梢神経障害モデル、どれを選ぶ?
- オキサリプラチンによる急性末梢神経障害モデル
- 末梢神経障害に伴う痛みやしびれの評価法
- 既存の評価方法 (機械的アロディニア、熱/冷痛覚過敏) は適切か?
- 自発痛の評価法
- しびれの評価法
- 抗がん剤誘発末梢神経障害の発症機構
- 抗がん剤による末梢神経軸索障害と細胞体障害
- 抗がん剤による末梢神経髄鞘障害
- オキサリプラチンによる急性末梢神経障害の発症機構
- 末梢血流障害によるしびれ動物モデルの作成のその発症機構
- しびれの基本的知識
- 感覚過敏と感覚鈍磨
- 末梢血流障害によるしびれ
- 後肢虚血/再灌流によるしびれモデルの作製とその発症機構
- 末梢神経障害のin vitro解析法
- シュワン細胞の培養方法と評価
- 末梢神経-シュワン細胞共培養系とその評価
- 抗がん剤による脱髄と末梢神経障害との関連
- 脱髄性末梢神経障害の新たな治療戦略