技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

樹脂・プラスチックの耐候劣化、その対策と分析評価、寿命予測

樹脂・プラスチックの耐候劣化、その対策と分析評価、寿命予測

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2015年11月30日(月) 10時00分 16時15分

プログラム

第1部 ~紫外線や熱・水分など~高分子・樹脂の耐候劣化のメカニズムとその対策

(2015年11月30日 10:00〜11:15)

  1. 高分子・樹脂の耐候性とは?
  2. 劣化に伴う平均分子量の変化
  3. 劣化の過程、メカニズム
    1. 熱劣化
    2. 酸化劣化
    3. 加水分解劣化
  4. 高分子・樹脂の光劣化や変色
    1. 光劣化の特徴
    2. 光化学反応の特質
    3. 光劣化を抑制する添加剤
      1. 紫外線吸収剤 (UVA)
      2. ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS)
    4. 光安定化における相互作用
  5. 耐候劣化対策のケーススタディ
    1. ポリオレフィン
    2. ポリカーボネート
    3. ポリスルホン 他
    • 質疑応答

第2部 ~樹脂の劣化や変色とその対策としての~ 酸化防止剤・紫外線吸収剤・ 光安定剤の選び方、使い方

(2015年11月30日 11:30〜12:45)

近年、産業の複雑化や市場要求の高度化に伴い、基本的な添加剤の機能の向上に加え、新たな問題や課題が指摘され改善が望まれるようになってきた。 本講座では、酸化防止剤、加工安定剤、熱安定剤による高分子の熱および光による劣化対策のアプローチについて説明する。

  1. プラスチックの劣化と添加剤
    1. プラスチックの熱・光による劣化
    2. 添加剤分類
    3. 酸化防止剤
      1. 一次酸化防止剤
      2. 二次酸化防止剤
      3. フェノールフリー酸化防止剤
    4. 光劣化防止剤
      1. 紫外線吸収剤・遮蔽剤
      2. ヒンダードアミン光安定剤
    5. 相乗効果と拮抗作用
  2. 事例からみる課題と対策
    1. 変色の事例と対策
      1. 酸化防止剤による変色
      2. 紫外線吸収剤による着色
      3. 放射線による変色
    2. 耐熱性の課題と対策
      1. 成形加工時の添加剤の揮発
      2. 高温使用時の長期熱安定性
    3. 耐酸性の課題と対策
      1. 酸性物質の影響
      2. 耐農薬性
      3. 塗装密着性
    4. 添加剤の環境への影響
      1. フォギング
      2. VOCエミッション
    • 質疑応答

第3部 高分子材料の環境試験による 変質・劣化機構と分析評価事例

(2015年11月30日 13:30〜14:45)

高分子有機材料に対する信頼性試験の必要性と材料の変質劣化のメカニズム、および変質劣化の分析・評価事例についてご紹介する。

  1. 信頼性試験
    1. 試験装置種類
    2. 試験目的
  2. 材料劣化のメカニズム
    1. 信頼性試験、評価
    2. ポリマー変質・劣化
    3. 劣化反応機構
  3. 分析評価の流れ
    1. 分析装置・手法の選択
      • 装置種類
      • 装置対応内容
      • 装置原理
    2. データ解釈・考察
      • 専門知識の重要性
      • データの読み取り方
      • オージェ分析
  4. 表面分析、定性分析
    • 分析手法の位置付け
    • 分析化学で使用される代表的な装置
    • 対象物ごとの分析手法・装置の選択
    1. 分析事例
      • FT-IR分析
      • TOF-SIMS分析
      • XPS分析 (ESCA)
  5. 観察による分析・評価
    1. SEM観察
      • 表面観察
      • 断面加工からの観察
    2. SAT観察 (超音波顕微鏡)
      • 非破壊観察
      • 空気層、剥離観察
  6. 化学処理、化学分析手法による表面観察
    • ポリマー結晶観察
    • ポリマー海島観察
      (マッピングによる視覚化)
    • 質疑応答

第4部 樹脂の耐候性試験の課題と劣化評価

(2015年11月30日 15:00〜16:15)

耐候性試験は、長い時間と経費のかかる厄介な試験である。それを短時間で行うためには人工促進耐候性試験機が使われるが、試験機メーカが劣化因子をどのようにコントロールしているか、ユーザーがどの程度知っているかが、試験精度と再現性を良くするポイントである。 また促進性の優れたメタルハライドランプ方式試験機の使い方などに関して、詳しく紹介する。

  1. 「たいこうせい」とは何か? 何故行うのか?
    1. 促進耐候性試験 (機) とは何か?
    2. 企業におけるクレーム対応
    3. 規格試験の位置付け
    4. 耐候性に関して、間違われやすい一般概念
  2. 耐光 (候) 性試験の種類
    1. 耐候性試験の分類
    2. 人工促進耐候性試験機の種類
  3. 屋外暴露と人工促進暴露との関係
    1. 暴露環境が変動する試験は再現性のある試験方法か?
    2. 相関性か促進性か、どちらの性能を追求するか?
  4. 各種試験機の特徴と課題
    1. キセノンウエザーメータ
    2. 紫外蛍光ランプウエザーメータ
    3. カーボンアーク灯式試験機
    4. メタルハライドランプ方式試験機
  5. 人工促進試験機に取り込める劣化要因と再現性向上
    1. 水 etc
  6. ランニングコスト耐候性試験はお金がかかる!
    • 質疑応答

講師

  • 黒田 真一
    群馬大学 大学院 理工学府
    専攻長 / 教授
  • 山崎 秀夫
    BASFジャパン 株式会社 高性能製品統括本部 プラスチック添加剤部門 リージョナルテクニカルサービス
    マネージャー
  • 清野 智志
    株式会社アイテス 品質技術部
    取締役, 統括部長
  • 木嶋 芳雄
    クレスール 株式会社
    取締役

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/3/3 高分子材料の物性分析、分子構造解析技術の基礎と材料開発、物性改善への応用 オンライン
2025/3/4 加硫剤、加硫促進剤の使い方とスコーチ・ブルーム・分散性 オンライン
2025/3/5 ゴム・プラスチック材料の破損・破壊原因と対策事例及び寿命予測 東京都 会場・オンライン
2025/3/5 発泡成形の基礎とトラブル対策 オンライン
2025/3/6 エポキシ樹脂の耐熱性向上と機能性両立への分子デザイン設計および用途展開における最新動向 オンライン
2025/3/6 EUVレジストの高感度化、感度測定とメタルレジストの反応機構 オンライン
2025/3/6 樹脂・ゴム材料中におけるブリードアウト&ブルーム現象の発生メカニズムの解明と防止・対策技術 オンライン
2025/3/6 高分子材料の結晶化度測定と分子構造解析およびその応用 オンライン
2025/3/7 「モノマテリアル包装」の動き、バリア向上などの物性向上、企業採用・海外規制などの展望 オンライン
2025/3/7 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と構造・物性制御 オンライン
2025/3/7 難燃剤、難燃化技術の基礎と最新動向 オンライン
2025/3/10 UV硬化型樹脂の基礎と硬化過程の測定法及び評価・解析手法 オンライン
2025/3/10 エポキシ樹脂の化学構造と硬化剤および副資材の使い方 オンライン
2025/3/10 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/3/12 Tダイ法による押出成形とトラブル対策 オンライン
2025/3/12 高温/直流高電界下における高分子絶縁材料の特性と評価法 オンライン
2025/3/13 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) におけるブリードアウト&ブルーム現象の発生メカニズムの解明と防止・対策技術 オンライン
2025/3/13 半導体封止材用エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤と分析・特性評価法および技術動向 オンライン
2025/3/13 熱伝導性フィラーの充填・表面処理技術とポリマー系コンポジットの開発、微視構造設計・特性評価技術 オンライン
2025/3/13 高屈折率ポリマーの合成法と応用、およびそれらの評価方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/9/1 プラ容器 vs 紙包装 vs パウチ包装市場の現状と展望 [書籍 + PDF版]
2023/9/1 プラ容器 vs 紙包装 vs パウチ包装市場の現状と展望
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/12/31 容器包装材料の環境対応とリサイクル技術
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価