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蛍光・発光・波長変換材 2日間スペシャルセミナー

蛍光・発光・波長変換材 2日間スペシャルセミナー

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーは、蛍光・発光・波長変換材に関するセミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 102,600円(税込) → 割引受講料 82,080円(税込)
通常受講料 : 95,000円(税別) → 割引受講料 76,000円(税別)

開催日

  • 2015年8月26日(水) 10時30分 16時30分
  • 2015年8月27日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 実用LED用蛍光体の長所と欠点
  • LED照明用蛍光体の技術開発動向・市場動向
  • 蛍光体の分子設計の概念と実際

プログラム

2015年7月30日「蛍光体/希土類の材料・技術・市場動向」

第1部 LED用蛍光体の新材料、最新合成技術とマーケティング ~合成技術からビジネスまで~

(10:30~14:50 途中12:00~12:50は昼食休憩)

 2014年10月7日に青色LEDの開発で、赤崎勇教授、天野浩教授、中村修二教授の三氏がノーベル物理学賞を受賞し、日本中の関心を集めている。青色LEDの最も重要な用途は白色LEDの光源であり、受賞理由にも記されている。そのため、白色LED用蛍光体はバブルとも言うべき注目材料となっているが、その市場そして開発動向は従来の蛍光体とは大きく異なっている。 しかし、長き泰平の世に慣らされてしまった日本の蛍光体研究は、新しい蛍光体の開発において様々な混乱を来している。励起源が異なると蛍光体の設計思想は全く異なるにもかかわらず、旧来の伝説的な研究仮説が開発現場にまかり通っている。
 本講演では、LED用蛍光体の開発における現状での問題点、それを解決するための技術動向および今後の展望について各メーカの実用材料および窒化物、フッ化物、硫化物蛍光体などの新規蛍光体も具体的に解説する。内容としては、輝度向上への多くの研究者の取り組み、そして経営上最も重要である現在および将来の蛍光体産業の市場成長性についてもふれる。

  1. 蛍光体合成の基本と分子設計
    1. 蛍光体の歴史 「Phosphor」の語源は悪魔
    2. 蛍光体における発光スペクトルの形 なぜフッ化物蛍光体とMn4+の組み合わせが注目されているか?
    3. Mn4+酸化物蛍光体は植物工場と太陽電池で利用する
    4. 希土類発光の特徴 なぜLED用蛍光体の母体はケイ酸塩と窒化物で、発光イオンはEu2+とCe3+ばかりなのか? 実はこれらの結晶構造には共通する特徴があった
    5. バンド理論に基づく新しい熱消光理論、次世代レーザー励起用蛍光体で重要な考え方
    6. Eu2+やCe3+を青色励起で黄色、赤色に発光させるために必要な分子設計とその実例
    7. 窒化物蛍光体の時代は終わるのか?
    8. 新しい合成法の長所と問題
      1. 水溶性シリコン化合物を用いた溶液法
      2. 一酸化ケイ素を用いた気相法および固相法の将来性 単結晶コンビナトリアルの可能性
      3. 数秒で完了するメルト合成により得られる新規蛍光体群
      4. 窒化物の合成法 量産における最も重要なノウハウは? (反応容器、ガス、原材料の影響)
  2. 実用LED用蛍光体の長所と欠点
    1. 黄色 (Y,Gd) 3 (Al,Ga) 5O12:Ce (日亜化学) 特許切れ以降はどうなるか?
    2. 黄色 (Ba,Sr) 2SiO4:Eu (豊田合成) Baリッチの緑はリモートフォスファーで生き返るか?
    3. 黄色α-Caサイアロン:Eu 赤みの強い発光色を活用する用途は?
    4. 赤色 Sr2Si5N8:Eu カズンに匹敵する優れた蛍光特性だが劣化問題とその解決法
    5. 赤色 (Ca,Sr) AlSiN3:Eu 合金法でリモートフォスファーに対する対応ができるかどうかは不透明
    6. 緑色β-サイアロン:Eu 思ったほど色と効率が良くないのに使われる理由と内製化によるビジネスの難しさ
    7. 緑色Ca3Sc2Si3O12:Ce ガーネット構造はパンドラの箱
    8. 緑色CaSc2O4:Ce 強力なライバルのLuAG
    9. 黄色Li2SrSiO4:Eu 新しい黄色蛍光体のビジネス的な問題点
    10. 黄色La3Si6N11:Ce 最近動きのある黄色蛍光体のYAGとの違いは?
    11. その他の蛍光体
      1. 東北大学の青色励起可能な赤色蛍光体とは? その組成となぜ今まで見つからなかったか?
      2. 北海道大学の耐熱性有機蛍光体とは? 無機蛍光体の100倍の明るさは本当?
      3. レンゴーのガイアフォトン (銀発光ゼオライト) とは?
      4. 宇部興産のMelt Growth Composite蛍光体ゼブライトとは?
      5. 小糸のクルムス蛍光体とは?
  3. LED用蛍光体のビジネス状況
    1. 1kg何十万円以上の高価なLED用蛍光体がビッグビジネスにならない理由とマーケットの見積もり
    2. 世界における蛍光体企業
      1. 日亜化学 蛍光体分野の大巨人の向かう方向
      2. 三菱化学 LED用蛍光体に特化も、最終的な狙いは自社製固体照明へのシフト
      3. 東京化学研究所 ランプ用蛍光体で培った高い開発力
      4. 根本特殊化学 中国での強い基盤
      5. 電気化学工業 窒化物材料での豊富なノウハウ
      6. Daejoo Electronic Materials (韓国) 高い開発能力を持つ新しい参入メーカー
      7. LWB シリケート蛍光体の老舗
      8. Intematix 特許紛争での苦しみ
      9. 北京有色金属研究総院 強い基礎科学のバックグラウンド
      10. 北京宇極科技発展有限会社 中国での主軸になるか?
      11. あまり知られていない台湾メーカー
      12. その他
    3. 世界の蛍光体研究者
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 最新!希土類を取り巻く産業情勢 ~新技術・応用・需給動向~

(2015年8月26日 15:00〜16:30)

蛍光体材料としても用いられている希土類の産業情勢や需給状況と課題、さらに注目されている新しい希土類の応用研究について概説する。また、希土類の安定供給確保対策として注目されているリサイクル技術や海底資源探索の最新の研究成果についても紹介する。

  1. 希土類の特性・機能・用途
  2. 中国の政策動向の変遷
  3. 希土類危機とその後:希土類の需要推移と課題
  4. 希土類業界の業況:研磨剤・コンデンサ・磁石・触媒・蛍光体・二次電池
  5. 希土類の安定供給確保対策
  6. 国内で注目されている新しい希土類の研究
    • 質疑応答・名刺交換

2015年7月31日「蛍光・発光・波長変換材料の合成・開発技術動向と各市場への応用展開」

第1部 セラミックスナノ蛍光体の合成・開発とバイオフォトニクスへの展開

(2015年8月27日 10:30〜11:50)

3価の希土類イオンを付活剤としたセラミックスは、従来ディスプレイ、レーザーや光増幅のための蛍光体として知られてきた。講演者はこの希土類含有セラミックスをナノ粒子化し、従来用いられることのなかった、生体透過性の高い1000nm以上の近赤外波長域における蛍光バイオイメージングに応用し、セラミックスナノ粒子の合成、生体機能化からイメージングシステムの開発に及ぶ一貫した開発を行うことにより、従来数mmに限られていた蛍光バイオイメージングの観察深度を数cmにまで拡張することに成功した。本講演ではこの新たな波長域での蛍光バイオイメージング技術の開発経緯を概観するとともにセラミックス蛍光体のバイオフォトニクス応用について概説する。
  1. 希土類含有セラミックスの合成と発光
    1. 3価希土類イオンの蛍光特性と特徴的な発光
    2. 近赤外励起光と3価希土類イオンの蛍光
    3. 希土類含有セラミックスナノ粒子の合成と粒径制御
  2. 蛍光バイオイメージング
    1. 蛍光バイオイメージングとは
    2. 生体の窓
    3. OTN近赤外イメージング
    4. セラミックスナノ粒子の生体応用
  3. 新たな応用展開
    1. OTN近赤外蛍光イメージングのメディカル応用
    2. OTN近赤外蛍光イメージングとマルチモーダルイメージング
    3. OTN近赤外波長域におけるスペクトルイメージング
    4. OTN近赤外波長域におけるナノ温度イメージング
    • 質疑応答・名刺交換
第2部 ガラス系を中心とした、蛍光・波長変換材料の開発とその特性

(2015年8月27日 12:40〜14:00)

ガラスは透明でかつ、大面積パネルやロッド、円筒、ファイバー化など形態の自由度が高く、社会インフラのさまざまな分野で活用されている。光の分野では、光通信用ファイバーや、医療用ファイバーレーザー、蛍光体の母体材料として用いられており、近年ではガラス内部に微細な構造を導入した新しいタイプの材料が開発されてきている。本講演では、ガラス蛍光体の波長変換機能に注目し、白色LED用蛍光体や太陽光波長変換パネルへの応用に関する、演者の取り組みと最新の研究成果を紹介する。

  1. 現代社会における光の利用と蛍光体の役割
    1. 白色LEDと蛍光体
    2. 蛍光体の波長変換機能と太陽電池
  2. ガラスとは?
    1. ガラスの基礎
    2. ゾルゲル法によるガラスの低温合成
    3. 結晶化ガラス ~ガラスと結晶の両方の特性を併せ持つ材料~
  3. 希土類イオンの電子状態と蛍光
    1. 蛍光体の基礎
    2. d-f遷移とf-f遷移
    3. 励起エネルギー移動と蛍光
  4. ゾルゲル法による蛍光体の合成と応用
    1. 紫外LED用蛍光体の開発
    2. 太陽電池用波長変換パネル材料の開発
    • 質疑応答・名刺交換
第3部 ナノ蛍光体の開発と太陽電池変換効率向上への応用展望

(2015年8月27日 14:10〜15:10)

本講演では、代表的なナノ蛍光体として、ノンドープ型量子ドット、ドープ型量子ドット、YAG:Ce3+、YVO4:Bi3+,Eu3+を取り上げ、液相法による合成について解説します。また、それぞれのナノ蛍光体の蛍光特性についても紹介します。さらに、ナノ蛍光体の波長変換としての機能を生かし、太陽電池の分光感度の低い光を分光感度の高い光へ変換し、太陽電池の光電変換効率を向上させる試みについて説明します。

  1. ナノ蛍光体の合成と蛍光特性
    1. ノンドープ型量子ドット
      1. ホットインジェクション法
      2. ノンホットインジェクション法
      3. 蛍光特性
    2. ドープ型量子ドット
      1. 表面修飾剤共存下での沈殿法
      2. 逆ミセル法 (マイクロエマルション法)
      3. 核生成ドーピング法
      4. 蛍光特性
    3. YAG:Ce3+ナノ蛍光体
      1. グリコサーマル法
      2. 蛍光特性
    4. YVO4:Bi3+,Eu3+ナノ蛍光体
      1. クエン酸前駆体を介した共沈法
      2. 蛍光特性
  2. ナノ蛍光体の太陽電池への応用
    1. 波長変換層に求められる特性
    2. ナノサイズ化に適した蛍光体材料の選定
    3. ナノ蛍光体の太陽電池への応用例と展望
    • 質疑応答・名刺交換
第4部 ALGaN窒化物半導体の結晶品質向上とデバイス化技術、深紫外LEDの応用展開

(2015年8月27日 15:20〜16:40)

波長が200-350nmの深紫外発光ダイオード (LED) は、殺菌・浄水、医療、生化学産業、公害物質の高速分解 (ダイオキシン、PCB) 、紫外硬化樹脂応用など、さまざまな分野での応用が考えられ実用化が期待されている。最近、窒化物AlGaN系半導体を用いた殺菌用途 (波長260-280nm) UVC-LEDの高効率化・高出力化の進展は特に目覚ましく、各社の開発競争はしのぎをけずっている。本講演では、殺菌用途UVCLEDの高効率化技術について、最近までの進展と、今後予測される飛躍的な高効率化の方法についてそれぞれ説明し、今後の展望を述べる。

  1. AlGaN系深紫外LEDの最近の動向
    1. 殺菌用途の重要性と要求波長
    2. 深紫外LEDの開発競争
    3. 高効率化への問題点と改善方法
  2. AlGaN系半導体の高品質結晶成長と高効率発光の実現
    1. MOCVDによる結晶成長の基礎
    2. アンモニアパルス供給多段成長法
    3. サファイア上AlN結晶の貫通転位密度の低減
    4. AlGaN量子井戸の内部量子効率
  3. 深紫外LEDの実現と高効率化技術
    1. 低転位AlNテンプレート上の深紫外LED
    2. 電子オーバーフロー制御
    3. 最短波長領域への挑戦
    4. InAlGaN4元混晶を用いた高効率化
  4. 光取り出し効率の向上、今後の課題と展望
    1. 光取り出し効率向上の重要性とその方法
    2. 透明p型AlGaNコンタクト層の導入
    3. 高反射p型電極
    4. フォトニック構造の導入と効果
    5. 効率向上に関する今後の展望
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 戸田 健司
    新潟大学 大学院 自然科学研究科
    研究教授
  • 増井 敏行
    鳥取大学 大学院 工学研究科
    教授
  • 曽我 公平
    東京理科大学 基礎工学部 材料工学科
    教授
  • 早川 知克
    名古屋工業大学 大学院 未来材料創成工学専攻 エネルギー変換工学分野
    准教授
  • 磯部 徹彦
    慶應義塾大学 理工学部 応用化学科
    教授
  • 平山 秀樹
    国立研究開発法人 理化学研究所 平山量子光素子研究室
    主任研究員

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5階 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 76,000円 (税別) / 82,080円 (税込)
複数名
: 40,000円 (税別) / 43,200円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 40,000円(税別) / 43,200円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 76,000円(税別) / 82,080円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 80,000円(税別) / 86,400円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 120,000円(税別) / 129,600円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

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