技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

より良い「溶融混練・分散」実現のためのスケールアップの考え方

より良い「溶融混練・分散」実現のためのスケールアップの考え方

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2012年8月28日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 高分子材料・押出成形に関連する製品の技術者、品質担当者
    • 光学フィルム
    • 太陽電池関連フィルム・シート
    • 電池セパレータ
    • 高機能複合材料 (ナノコンポジット)
    • 機能性薄膜・フィルム
    • 食品
    • トイレタリー分野
    • 押出機 など

修得知識

  • 混練の基礎と応用
  • 分散技術の基礎と応用
  • スケールアップのポイント
  • せん断分散において、緩和則を利用して、品質相似に近づく経験則
  • 常に品質の均一性が得られる新しい技術
  • 新技術によって、従来より高度な分散が得られる内容
  • ナノ分散などに応用可能な分散技術

プログラム

 これまでの100有余年で実用化されたせん断による混練、分散の理論は、微視的かつ理想論的であった。さらに、材料内の分散の均一性を達成できる技術も理論も、これまで達成できなかった。特に、押出機のような装置全体で (場所的) 、および材料が分散される過程で (時間的) 、微小材料単位の集合体各々の分散の均一性が異なるのであるから、そうた易く均一性理論が出来るわけではない。高々平均的な挙動が解析できたのみである。このように、現状では、品質のスケールアップは大変難しい命題である。 部分的かつ不完全ではあるが、これまで分散品質に関するスケールアップの方法が試みられた。完全回答が得られないまでも、そこには種々の技術的指針が潜んでいる。実務者がこれらを熟知して、自分の実験もしくは操業の中に、この技術指針を旨く取り入れていくことが必要である。 完全には当たらずとも遠からずの極意である。
 本講演では、私の知る限りの前記「種々の技術指針」を伝えたい。私の経験しているいくつか応用実験及び解析情報は聞いていただく方々の今後の研究の参考になると思われる。 一方私はここ20年間、各分散過程の品質が、材料全体で一定に保たれる技術の開発を行ってきた。品質の均一性の実現である。せん断流動分散と異なるそれらを本講演で説明する。今後の技術展開の基礎にしていただきたい。

  1. 分散を目的とする混練
    1. コンパウンドの分散の実態
      1. 分散とは凝集破壊が主目的で、一次粒子の破壊ではない
      2. 凝集粒子の被破砕特性
    2. 高度分散における材料補強理論
      1. 無機ナノコンポジットにおける材料強度補強の特異性
      2. バウンドラバー、バウンドポリマーの実際
      3. ポリマーアロイにおけるサブミクロン、ナノ分散の物性の特異性
      4. サブミクロン分散、ナノ分散の必要性
  2. 高分子材料混練、分散理論
    1. せん断流動分散
      1. McKelveyの2粒子分割理論 (必要せん断応力説)
      2. 橋爪の転がり粒子分割理論 (必要せん断応力と必要せん断歪み説)
      3. 不均一分散の実態
        • 均一せん断場では高度な分散が得られない。
        • 高速せん断技術の問題点、発熱とせん断応力の低下
        • 応用されるせん断分散手法に、分散の不均一性が同居する
    2. 伸長流動分散
      1. Utrackiの2相液体における伸長流動分散理論
      2. 橋爪の2相液体における伸長流動分散理論
      3. ほぼ均一分散の実態
      4. 分散粒子変形におけるくびれ発生条件の理論
      5. Rayleigh乱れと溶融破壊現象の解明
    3. 2軸押出機を含めた分散装置
      1. 樹脂混練機械の生い立ちと分類
      2. 2軸押出機と各種混練機におけるせん断付加特性
      3. 2軸押出機への伸長流動分散機構の応用
  3. せん断流動分散では、なぜ品質相似実験が出来ないのか
    1. スケールアップ
      1. 挙動の相似と品質の相似
      2. 高分子分散で分散品質に係わる相似則が応用できない理由
      3. 緩和則の理解と応用
      4. 有効混練時間の考え方
      5. 緩和則としての分散パラメータの応用
        • 従来の分散パラメータと新しい概念の分散パラメータ
        • カーボンブラック分散での応用例
    2. せん断流動分散の不均一性を補う緩和則の実際
      1. 混練の有効時間
      2. T関数
      3. 黄金分割理論
      4. 真空混練
  4. 伸長流動分散では、ほぼ均一分散ができる
    1. Utracki理論と橋爪理論の違いと実証実験
    2. Capillary numberの応用
    3. せん断流動分散と伸長流動分散の適応領域
    4. 均一分散の実際
    5. Nylon中へのHDPE分散への応用
    6. 2種エラストマー分散への応用
  5. 分散における不均一性内在技術とほぼ内在しない技術
    1. 内在技術の代表:せん断分散技術
    2. ほぼ内在しない技術
      1. コンパウンド系:スラリー分散技術、プルトルージョン技術
      2. ポリマーブレンド系:伸長流動分散技術
  6. ナノ分散技術への応用
    1. 無期ナノ分散が得られる4方法とその評価
      • In situ法
      • 層間挿入法
      • 高せん断法 (産業技術総合研究所)
      • スラリー分散技術 (橋爪)
    2. 均一分散か否か
  7. スラリー分散技術
    1. 全く新しい分散概念
      • 非せん断流動分散
      • 非伸長流動分散
    2. 均一分散が可能なコンパウンド技術
    3. PET中へのTiO2分散への応用
    4. コンパウンドにおけるナノ分散技術
      • 層間剥離の粒子分散技術への応用
  8. プルトルージョン分散技術
    1. 全く新しい分散概念
      • 非せん断流動分散
      • 非伸長流動分散
    2. アスペクト比の大きい繊維を残すFRTP応用技術
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 研修室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/10 スラリーの分散状態の制御と調製、評価技術 オンライン
2024/5/13 車載用プラスチックの基礎と最新動向 オンライン
2024/5/13 微粒子の分散安定化の基礎と実際 オンライン
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 化学プロセスのスケールアップ、コスト試算および事業採算性検討 オンライン
2024/5/15 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2024/5/16 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2024/5/16 導電性カーボンブラックの使用テクニック オンライン
2024/5/17 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン
2024/5/22 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基礎と応用技術の総合知識 オンライン
2024/5/23 チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法 オンライン
2024/5/24 乳化・懸濁重合の反応機構と装置設計、重合反応の制御 オンライン
2024/5/27 粉体の付着・凝集・流動メカニズムとその評価、トラブル回避の考え方 オンライン
2024/5/28 撹拌・混合の基礎と最適化・設計およびスケールアップからトラブル対策まで オンライン
2024/5/29 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン
2024/5/29 高品質化に向けた乳化・分散・溶解・攪拌技術の基礎および化粧品・皮膚外用剤への応用 オンライン
2024/5/30 溶解度パラメータ (3D, 4DSP値) の基礎と活用技術 オンライン
2024/5/31 リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化 オンライン
2024/5/31 Tダイ成形機の基礎とフィルム成形トラブル対策 東京都 会場
2024/6/3 高品質化に向けた乳化・分散・溶解・攪拌技術の基礎および化粧品・皮膚外用剤への応用 オンライン