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感光性樹脂の評価

感光性樹脂の評価

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概要

本書では、観光樹脂の評価方法の解説を中心に、リソグラフィーの工程に沿って、リソグラフィーの基礎から、感光性樹脂の品質管理まで、感光性樹脂の評価方法全般について、一般には公表されにくい実測データを用いてわかりやすく纏めております。

ご案内

2011年6月30日: 好評につき完売いたしました。
2012年3月5日: 改訂版として フォトレジスト材料の評価 が発刊されました。

感光性樹脂の開発は特許性が高いために、感光性樹脂には標準的な評価基準は無く、各社独自の評価方法が採用されています。
一般的には、樹脂に感光剤を配合し、基板に塗布、露光後、現像し、得られたパターンをSEMで観察する方法が用いられています。この方法を直接評価法といい、評価方法としては絶対的であると言えます。しかし、高額な露光装置や走査電子顕微鏡を必要とすることから、新たな感光性樹脂・材料の試作・開発や一時的な評価には向かない面もあります。
これに対し、現像速度データからシミュレータを用いて現像後のパターン形状を予測し、リソグラフィ特性の評価を行う間接評価法をリソテックジャパンでは開発・提案しています。この手法は一般的な形状シミュレーションと違い、実際のレジストの現像速度データを用いることを特徴し、より現実的なシミュレーションと言えるでしょう。
本書では、当評価方法の解説を中心に、リソグラフィーの工程に沿って、リソグラフィーの基礎から、感光性樹脂の品質管理まで、感光性樹脂の評価方法全般について、一般には公表されにくい実測データを用いてわかりやすく述べています。
感光性樹脂の研究開発、評価、プロセスアプリケーション、製造、品質保証の業務にかかわる多くに人々の参考書、また、ビギナーの人々のテキストとしてご活用いただければ、大変幸いです。
(「はじめに」より抜粋。一部変更)

目次

第1章 リソグラフィーの概要

リソグラフィー技術とは何か? リソグラフィーの基礎について解説しています。

第2章 感光性樹脂の塗布

感光性樹脂の評価は基板に樹脂を塗布することろから始まります。塗布装置、塗布方法の概説と、塗布プロセスについて解説します。

  • 1. 感光性樹脂塗布装置の概要
    • 1.1 スクリーン塗布方法
    • 1.2 スピン塗布法
    • 1.3 ロールコーティング法
    • 1.4 ラミネーター法
    • 1.5 ディップコーティング法
    • 1.6 スプレーコーティング法
  • 2. スピン塗布プロセスの実際
    • 2.1 スピンプログラム
    • 2.2 塗布プロセスの影響
  • 3. HMDS処理
    • 3.1 HMDSの原理
    • 3.2 HMDS処理効果の確認
  • 4. プリベーク
  • 5. 膜厚の評価
    • 5.1 段差計による膜厚測定 (数μm~500μm)
    • 5.2 分光反射率計による膜厚測定 (50nm~300μm)
    • 5.3 エリプソ法による膜厚計 (1nm~2μm)

第3章 露光技術

塗布の後は、露光です。露光技術の概要と露光装置の解説を行います。
また、感光パラメータの測定方法についても触れています。

  • 1. 露光装置の概要
    • 1.1 コンタクトアライナー
    • 1.2 プロキシミティー・アライナ
    • 1.3 ミラープロジェクション
    • 1.4 縮小投影露光装置 ステッパの登場
  • 2. 露光技術
    • 2.2 ステッパの光学
    • 2.3 高解像化へのアプローチ
  • 3. フォトレジストの感光の原理とABCパラメータ

第4章 露光後ベーク (PEB)

露光の後の露光後ベーク (PEB) の効果について解説します。
PEBにおける感光剤の拡散距離、表面難溶化効果の定量方法についても紹介します。

  • 1. 露光後ベークの概要
  • 2. PEBにおける感光剤の熱分解
  • 3. PEBによる感光剤の拡散長の測定
    • 3.1 現像速度測定による感光剤の拡散長の推定
    • 3.2 実験結果および考察
  • 4. 表面難溶化パラメータの推算とその評価
    • 4.1 はじめに
    • 4.2 現像速度測定装置の高精度化
    • 4.3 表面難溶化パラメータの推算方法
    • 4.4 表面難溶化パラメータ測定実験および結果の考察

第5章 感光性樹脂の現像

露光後ベークの後は、感光性樹脂の現像を行います。
現像装置、現像方法の概説をします。
また、現像中の樹脂の膨潤量の測定方法についても紹介します。

  • 1. 現像技術の概要
    • 1.1 ディップ現像
    • 1.2 スプレー現像
    • 1.3 パドル現像
    • 1.4 ソフトインパクトパドル現像
  • 2. 現像中の樹脂の膨潤挙動の観察
    • 2.1 QCMの動作原理
    • 2.2 現像解析装置
    • 2.3 実験
    • 2.4 まとめ

第6章 リソグラフィー・シミュレーションを利用した感光性樹脂の評価

リソグラフィー・シミュレータを用いた感光性樹脂の評価方法をご紹介します。
また、リソグラフィー・シミュレーション技術を用いることで、どのような評価が可能なのかを分かり易く解説します。

  • 1. リソグラフィー・シミュレーションを利用した感光性樹脂の評価
    • 1.1 VLESの概要
  • 2. VLES法のための評価ツール
    • 2.1 露光ツール (UVESおよびArFESシステム)
    • 2.2 現像解析ツール (RDA)
  • 3. リソグラフィーシミュレーションを利用したプロセスの最適化
    • 3.1 シングルシミュレーション
  • 4. リソグラフィーシミュレーションを利用したプロセスの最適化
    • 4.1 ウェハ積層膜の最適化
    • 4.2 光学結像系の影響の評価
    • 4.3 OPCの最適化
    • 4.4 プロセス誤差の影響予測とLERの検討
    • 4.5 まとめ

第7章 FT-IRを用いた反応解析

FT-IRを用いた光反応解析の手法について解説します。
特に、化学増幅レジストの脱保護反応や、光酸発生剤からの酸の発生反応の解析方法について述べます。

  • 1. 化学増幅レジストの保護反応の解析
    • 1.1 はじめに
    • 1.2 ハードウェハの概要
    • 1.3 従来モデルの問題点とSpenceモデルの検討
    • 1.4 実験及び結果
    • 1.5 新規な脱保護反応モデルの提案と脱保護反応の解析
    • 1.6 まとめ
  • 2. EUVレジストの脱保護反応の解析
    • 2.1 はじめに
    • 2.2 従来方法の問題点
    • 2.3 EUVLに対応した新規な脱保護反応解析装置の検討
    • 2.4 実験
  • 3. ArF露光中のPAGの分解反応の観察
    • 3.1 はじめに
    • 3.2 ハードウェハの構成
    • 3.3 実験及び結果
    • 3.4 考察

第8章 レジストからのアウトガスの分析

感光性樹脂 (レジスト) からの露光中のアウトガスの定量方法について述べます。
また、液浸露光中のレジストからのリーチング物質の評価・分析方法についても触れています。

  • 1. 露光中のレジストからのアウトガスの評価
    • 1.1 はじめに
    • 1.2 QCMモニターによる露光中のレジストの質量変化の観察
    • 1.3 GC-MSによる露光中のレジストから生じるアウトガスの分析
    • 1.4 FT-IRによる露光中の脱保護反応の観察
    • 1.5 実験および結果
    • 1.6 まとめ
  • 2. 液浸中のレジストからのアウトガス (リーチング) の評価
    • 2.1 はじめに
    • 2.2 液浸露光の歴史
    • 2.3 液浸露光対応反応解析システム
    • 2.4 液浸リソグラフィ用レジスト材料の評価
    • 2.5 実験
    • 2.6 まとめ

第9章 ナノインプリント・プロセスの最適化とその評価

近年、注目される感光性ナノインプリント材料の評価、プロセスの最適化技術について述べます。
また、実際のデバイスパターン製作事例もご紹介します。

  • 1. NIL用光硬化樹脂を用いたナノインプリントの最適化と評価
    • 1.1 はじめに
    • 1.2 実験装置
    • 1.3 Pre-Exposure Process (PEP) 法の検討
    • 1.4 実験および考察
    • 1.5 Pre-Exposure Process法の効果
    • 1.6 考察
    • 1.7 まとめ
  • 2. NIL用光・熱硬化樹脂を用いたナノインプリントの最適化と評価
    • 2.1 まえがき
    • 2.2 SU-8のインプリントへの適用の問題点
    • 2.3 プロセス条件の最適化
    • 2.4 実験
    • 2.5 まとめ
  • 3. 離型プロセスを不要とするレプリカ転写技術-プロセス条件の検討
    • 3.1 はじめに
    • 3.2 レプリカモールド (MXLテンプレート) の作成
    • 3.3 レプリカ転写実験
    • 3.4 実験結果
    • 3.5 レプリカ転写法の限界寸法
    • 3.6 まとめ
  • 4. ナノマイクロ混在構造構造の一括転写技術
    • 4.1 はじめに
    • 4.2 PC制御化したナノインプリント装置 LTNIP-2000
    • 4.3 実験
    • 4.4 まとめ

第10章 感光性樹脂の品質管理

最後の章は、最近採用の増えた、DR法による感光性樹脂の品質管理方法について述べています。

  • 1. 樹脂の溶解速度の管理
    • 1.1 評価装置および評価方法の概要
  • 2. 感光性樹脂のフォトスピード (感度) の管理

執筆者

リソテックジャパン(株)
取締役執行役員
プロセス開発グループ長
関口 淳

出版社

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お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(出版社への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

体裁・ページ数

B5判並製本 211ページ

ISBNコード

ISBN978-4-903413-54-9

発行年月

2009年1月

販売元

tech-seminar.jp

価格

50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

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