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ウェブ巻取りのトラブル発生メカニズムとその対策

ウェブ巻取りのトラブル発生メカニズムとその対策

~シワ、ブロッキング、ゲージバンド、ズレを抑制する張力制御や対策技術を詳解~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ウェブ・ウェブハンドリングについて基礎から解説し、横ずれ、スリップ、シワ、巻きずれ、蛇行等、トラブルの原因と対策・未然防止策について詳解いたします。

開催日

  • 2024年3月25日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • ウェブハンドリング関連の業務に携わる技術者 (設計・開発・生産技術等)
  • 機械系、システム系、電気系担当者でロールTOロールの張力制御に携わる技術者
  • 生産技術・品質保証・装置設計の担当者や製造スタッフ
  • ウェブハンドリング技術に関心のあるマネジメント層
  • OCTに関心のある方

修得知識

  • 巻取理論にもとづいたトラブルの要因把握と対策立案のスキル
  • 製品開発現場での巻取要素技術選定のスキル
  • ウェブハンドリング分野 (ウェブの搬送、巻き取り) における基礎事項
  • コンピュータシミュレーションの現状
  • コンピュータシミュレーションの長所・短所とその利用法
  • 光干渉断層法 (Optical Coherence Tomography:OCT) に関する知識
    • 概要
    • 原理
    • 種類
    • 特徴
  • フィルム製造におけるOCTの利用可能性

プログラム

第1部 ウェブの巻取り理論とトラブル対策

(2024年3月25日 10:30〜12:00)

 フィルムや紙、金属箔などをベースにしたウェブ製品において、生産中やその後の保管・輸送によって巻取ロールにシワやブロッキング、ゲージバンドなどが生じることがあります。これらは製品のロール品質と直結するため、トラブル抑制は極めて重要な課題といえます。
 本セミナーは、トラブルの改善・防止を図るための知識の習得を目的とし、巻取理論の本質とトラブルの発生メカニズムを解説しながら様々な状況を想定した対策事例とその概念をわかりやすく紹介します。生産現場の技術力の強化、さらには企業組織の技術レベルアップによる安定生産につながると確信しています。

  1. イントロダクション
    1. トラブル対策における理論の位置づけ
    2. 巻取トラブルについて
  2. 巻取理論とその活用
    1. 巻取理論の歴史
    2. 基礎理論 (Hakielモデル)
      1. 理論式の本質と概念
      2. 量産化における条件設定への適用
      3. 円周方向しわの発生メカニズム
    3. 巻き込み空気モデル
      1. 理論式の本質と概念
      2. 巻き込み空気起因のトラブルへの適用
    4. 熱ひずみモデル
      1. 理論式の本質と概念
      2. 巻取トラブルの季節要因の原因分析
      3. コアでの品質コントロールの可能性
    5. おわりに
      1. 実生産におけるトラブル対策のポイント
      2. トラブル対策に関する技術情報の紹介
    • 質疑応答

第2部 リワインダーの開発と巻取不具合の改善

(2024年3月25日 13:00〜14:00)

 汎用のウェブハンドリング機械は、フィルムや紙、金属箔などの様々なウェブを対象としなければなりません。巻取理論にもとづき多くの種類のウェブの巻取に対応できるようにすることで機械の汎用性が保たれ、結果として標準化に伴う収益に繋がります。リワインダーの開発を通じていかにして最適な技術の組合せを見出すか考えた例を学ぶことができます。

  1. イントロダクション
    1. オフラインで使用されるリワインダーとは
    2. リワインダーへの要求事項
  2. 張力制御方式
    1. 張力制御方式の種類
    2. トルク制御
    3. 速度制御
  3. 巻取方式
    1. 巻取方式の種類
    2. 中心駆動巻取方式
    3. 表面駆動巻取方式
  4. トライボロジー
    1. ローラー表面の種類と性能
  5. リワインダーの開発と巻取り不具合の改善
    1. 主要諸元
    2. 構造概要
    3. 巻取不具合の改善
    4. まとめ
    • 質疑応答

第3部 コンピュータシミュレーションを利用したウェブの搬送・巻取りの解析

(2024年3月25日 14:15〜15:15)

 ウェブと呼ばれる各種のフィルムや紙の製造・加工プロセスなどにおいては、幅広・薄厚のウェブを高速・高精度でトラブルなく搬送し、巻き取ることが求められているが、実際の現場ではウェブの搬送や巻き取り時にウェブの横ずれ、しわなど多くのトラブルに遭遇する.本講義では、ウェブの搬送や巻き取り中に生じるいくつかのトラブルをコンピュータシミュレーションした結果を用いて、現象の特徴や発生メカニズム、低減策などについて説明する。

  1. ウェブハンドリング基礎
    1. Normal entry law
    2. 摩擦特性
    3. 搬送時のしわ
    4. 巻き取り欠陥
  2. コンピュータシミュレーションについて
  3. 搬送中のウェブのしわ
    1. 波しわ
    2. 乗り上げしわ
    3. 折れしわ
  4. ロールの巻き取りと内部応力
    1. Hakielの計算結果との比較
    2. 層間すべりの影響
  5. ニップローラによるロール内部応力の変化
    1. 巻き付き角とロール応力
  6. ロールの巻きずれ
    1. コアの傾きによる場合
    2. 張力不均一による場合
  7. ローラの傾き角と波しわ
    • 波しわの発生について
    • 質疑応答

第4部 光干渉断層法 (OCT) を用いたフィルム巻取りの非破壊イメージング検査

(2024年3月25日 15:30〜16:30)

 本研究ではフィルム巻取りの非破壊検査手法として、対象の断面構造を可視化する技術である光干渉断層法 (Optical Coherence Tomography:OCT) の利用を提案してきました.本講座では、OCTの種類や原理、特徴などを説明したのち、OCTで撮影するフィルムロール断面画像の特徴を紹介・解説します.また、企業の抱える課題に対してOCTを適用した結果や、現状のOCTの課題・将来性についても紹介します。

  1. イントロダクション
    1. フィルムの製造と既存の検査方法について
    2. 断層イメージング検査の必要性について
    3. 光干渉断層法 (OCT) について
  2. 光干渉断層法 (OCT)
    1. OCTの概要
    2. 時間領域OCTの原理
    3. フーリエ領域OCTの原理
    4. スペクトラルドメインOCTと波長掃引OCT
    5. まとめ
  3. フィルムロールへのOCTの適用事例
    1. PET,PP,PIフィルムロールサンプルへのOCT適用結果
    2. 企業の課題に対するOCT適用の検討
  4. OCTを利用した非破壊検査の課題と将来性
    1. AIによる欠陥の自動検出
    2. 生体用OCTから産業用OCTへ
    3. 機能イメージングと応力計測
    • 質疑応答

講師

  • 神田 敏満
    株式会社KANDA
    代表取締役
  • 岩田 哲
    株式会社 東伸 技術部
    部長
  • 矢鍋 重夫
    長岡技術科学大学
    名誉教授
  • 中道 友
    山陽小野田市立 山口東京理科大学 工学部 機械工学科
    助教

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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