技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

スケールアップ・ダウンのための実験データのとり方・検討と失敗例/解決 (対処) 法

スケールアップ・ダウンのための実験データのとり方・検討と失敗例/解決 (対処) 法

~失敗例から解説する開発初期でのスケールアップ~
東京都 開催 会場 開催

関連セミナーとの同時申し込みで特別割引にて受講いただけます。

開催日

  • 2018年9月25日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • プロセススケールアップ
  • 取得しておくべきデータと活用
  • スケールアップの考え方、ポイント、着目点
  • 医薬品原薬の開発段階に応じた変更管理の考え方
  • スケールアップの失敗例、その原因、解決策
  • スケールアップ前後の同等性の考え方
  • スケールアップ・スケールダウン実験の考え方、進め方、その応用

プログラム

第1部 失敗例から解説する開発初期でのスケールアップ/ラボ検討で取得しておくべきデータと活用

(10:30~13:00)

 本講座では、医薬品開発初期段階のプロセススケールアップに焦点をあてる。プラントでは何が出来て何が出来ないかに着目しながら、ラボ検討で取得しておくべきデータとその活用について解説する。反応危険性評価とプロセスレビューシステムの重要性についても解説する。
 演者が経験した失敗例を紹介しながら、プロセス理解がスケールアップ失敗回避にいかに重要かを説く。

  1. スケールアップ検討に入る前に
    • 医薬品開発におけるプロセス化学
    • 製剤研究との連携
    • 理想的なプロセスとプロセス研究のステップ
  2. ラボとプラントの違い
  3. ラボでのデータ取りとその活用
    • チェックするべき項目
    • サンプリングシートとその活用
    • 安定性データ、ストレステスト
  4. ユーステスト、模擬実験
  5. 反応危険性評価
  6. プラントへ移る前に
    • 攪拌の課題、ろ過の課題
    • プラント機器の材質
    • ダミーラン
    • コミュニケーション、レビューシステム
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法

(13:40~16:30)

 医薬品原薬、中間体、化学品開発の最終目標はその商用生産にあり、スケールアップ検討は避けられない部分である。経験的に商用生産に結び付けたプロジェクトは多数あるが、スムーズに進んだことは殆どなく、失敗した経験 (原因究明に伴うスケールダウン実験) がその後の商用生産に役立つケースが多い。スケールアップで失敗すれば時間、原料費等損失は大きい。
 実際に経験した失敗をどのように解決して商用生産に結び付け、その後の検討に生かしたか実例をもとに説明する。

  1. スケールアップとは
    1. 考え方、医薬品原薬の開発を例に
    2. チェック項目
    3. 実験の進め方、スケールダウン実験の重要性
      • 過酸化水素水によるスルフィド誘導体の酸化反応を例に
  2. アミノチアゾール酢酸誘導体の商用生産 (7工程、数トン/年生産) の例
    • ここでは一つの化合物に絞り、実験室スケールからパイロット (200~300L) 、更に商用生産 (数1000Lスケール) へのスケールアップで経験した失敗例、問題点をどのように解決して商用生産に結びつけたか、各工程のポイントを含め説明する。
      1. 出発原料 (アセト酢酸エステル誘導体) の選定 (何を基本に設定すべきか?)
      2. 原料、中間体の安全性評価
      3. オキシム化工程 (NaNO2/酸) での酸の選択、考え方
      4. ジメチル硫酸によるメチル化工程での塩基の選択、考え方
      5. 爆発性中間体の単離回避の検討、廃液の問題
      6. 臭素化工程のスケールアップの問題点、反応開始、副生物、反応機構
      7. チオ尿素によるチアゾール閉環工程での塩基の選択、副生する異性体の除去
      8. アシル化工程の簡略化 (操作が煩雑、抽出-濃縮工程の省略)
      9. アシル化、加水分解生成物の単離方法 (生成物はクリーム状で濾過性が悪く、遠心脱水に長時間必要)
      10. 加水分解工程の改良 (副生物が発生) 、操作簡略化
      11. 加水分解生成物 (カルボン酸誘導体) の再結晶工程の問題 (異性化) 回避
      12. 最終工程 (五塩化リンによるクロル化)
        • コスト問題から溶媒回収が必須 (塩化メチレン/n-ヘキサン混合溶媒から塩化メチレン、n-ヘキサンを回収できるか)
        • 最終洗浄溶剤と乾燥後の製品の品質の相関性
        • 回収溶剤 (塩化メチレン、n-ヘキサン) に微量のアセトンが混入
  3. その他の事例
    1. 設備が腐食してしまった (小スケール実験では想定不可)
    2. ジャケットの保温効果 (想像以上に保温効果が良く、オーバー反応)
    3. 加水分解後の濃縮 (濃縮中に反応が進行)
    4. 原料のグレード変更:低純度品 (98%) を高純度品 (99.5%↑) に変更したところ逸脱、規格外の製品が得られた
    5. 水和物→無水和物の変換 (乾燥機の選択を誤って失敗)
    6. 危険な試薬を使用しなくてはならない (20Lスケール以上は危険性で実施不可)
    7. 先入観を持って検討を開始したため検討に時間を要した
    8. スケールアップを計画したら目的純度の原料が入手できない
    9. 転位反応が原因でスケールアップしたら目的物が得られなくなった
    10. その他
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 加藤 喜章
    イワキ株式会社 医薬・FC事業部 原料薬品部
    参与
  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長

会場

大田区産業プラザ PiO

6F D会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

2コース 同時申込割引について

割引対象セミナー

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/24 医薬品・食品・化粧品工場における異物混入の具体的防止対策 東京都 会場・オンライン
2024/4/24 化粧品・部外品のGMPと品質監査のポイント オンライン
2024/4/24 信頼性基準適用試験における運用への落とし込みと(国内外) 委託時の信頼性保証 オンライン
2024/4/24 アメリカにおける体外診断薬の事業戦略策定と参入のポイント オンライン
2024/4/24 医薬品・バイオ技術のライセンスと研究提携における「経済条件」 の決め方及びリスク対策 オンライン
2024/4/24 フロー合成・連続生産・マイクロリアクター/スケールアップコース (2日間) オンライン
2024/4/24 ラボにおけるデータインテグリティ実務対応 オンライン
2024/4/25 無菌・滅菌製品、滅菌プロセス、滅菌バリデーション業務者教育コース (初級・入門 Aコース + 中・上級 Bコース) オンライン
2024/4/25 具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と規格設定 オンライン
2024/4/25 滅菌の基礎と滅菌バリデーション入門 オンライン
2024/4/25 局方/GMPに対応する不純物の評価・管理及び原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン
2024/4/25 変形性関節症の発生機序、薬物治療と再生医療の開発 オンライン
2024/4/26 製造員、試験検査員、品質保証員のGMP教育訓練と実効性評価 オンライン
2024/4/26 製品品質照査の活用による製造工程、原料・資材及び製品規格の妥当性検証 オンライン
2024/4/26 GMP監査と当局査察・無通告査察対応セミナー オンライン
2024/4/26 改正GMPに対応した製品品質照査とCAPAの具体的進め方 オンライン
2024/4/26 化学物質を扱う研究所における法規制に準拠した「薬品管理」の進め方 オンライン
2024/4/26 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/4/26 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/4/29 化学プロセスの開発・設計の基礎とシミュレーション技術によるスケールアップの効率化・最適化 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/30 撹拌技術とスケールアップ、シミュレーションの活用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)