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廃リチウムイオン二次電池からの電極分離・精製とその再生

廃リチウムイオン二次電池からの電極分離・精製とその再生

~Li、Mn,、Ni、Coの水平リサイクルに向けて~
オンライン 開催

開催日

  • 2025年2月6日(木) 10時00分 16時15分

修得知識

  • LiB二次電池とEVの現状
  • LiB二次電池に使用されている原料と取り巻く環境
  • LiB二次電池のリユース・リサイクルの状況とビジネス上の注意点
  • 炭素還元法によるリチウムイオン二次電池からの有価金属の回収、精製
  • 水熱酸浸出プロセスによる廃棄リチウムイオン電池からの電極材分離と再生
  • エマルションフロー法による廃LiBからのNi/Coの分離精製と水平リサイクル

プログラム

第1部 リチウムイオン電池リサイクルに関する最近の動向と電池材料の展望

(2025年2月6日 10:00〜11:00)

 LiB二次電池はEVを主流としてその生産/販売量が劇的に増加している。これらをリユース・リサイクルするビジネスもまた活発化しているが、今後の電池の変遷や資源価格によっては注意が必要である。

  1. LiBの広がりとEVに使われる電池の状況
    1. LiBの用途とEV
    2. 1台当たりの電池容量とトレンド
    3. EV販売台数の伸び
    4. EVに使われる電池の種類と使われている資源
    5. EV電池のリサイクル資源
  2. 電力系で使用されるLiB
    1. 電力系で使用されるLiBとトレンド
    2. リユースと電力系LiBの関係
  3. LiBの回収・リユース
    1. EVからのLiBの回収
    2. EVからの電池のリユース
    3. リユースの方向性
  4. LiBのリサイクル
    1. 国内のLiB二次電池リサイクルの動き
    2. 主なプロセスフロー
    3. リサイクルされた物質の行方
    4. ニッケル・コバルトの使用量と今後のリサイクルとの関係
  5. LiBリサイクルビジネスの可能性と問題点
    1. リサイクルビジネスのポイント
    2. LiBに使用されている物質とリサイクル
    3. LiBの資源価格とリサイクル
  6. 二次電池の将来
    1. 過去の二次電池の変遷
    2. 次世代二次電池とその原料
    3. 今後の予想される電池とリサイクルとの関係
    • 質疑応答

第2部 炭素還元法によるリチウムイオン二次電池からの有価金属の回収、精製

(2025年2月6日 11:10〜12:10)

 欧州では規制強化により、LIBに使用されるLi, Co, Ni等の水平リサイクルを義務付けようとしている。製錬を基盤とする従来の技術ではLiの回収が困難であることから、私たちは乾式法の一種である炭素還元法と湿式法を組み合わせたプロセスを提案している。本講演ではこれまで得られた成果について紹介する。

  1. LIBリサイクルを取り巻く状況
  2. 炭素還元法による正極活物質からのLi等回収
  3. 廃LIBからのLi等回収に向けた取り組み
    • 質疑応答

第3部 水熱酸浸出プロセスによる廃棄リチウムイオン電池からの電極材分離と再生

(2025年2月6日 13:00〜14:30)

 リチウムイオン電池正極材のリサイクルにおいて、乾式製錬、湿式製錬、直接再利用の3つの方法が提案されている。いずれも、酸浸出を用いた金属回収と、それにより回収される水溶液を出発原料とする金属単離プロセスとの連結が欠かせない。グリーンケミストリーの観点から、使用する酸性物質の持続可能性やその濃度低減、使用薬剤そのものの低減、安全性向上など、酸浸出ならびに金属単離プロセスの刷新が求められる。
 本講演では、水熱プロセスの優位性を説明すると共に、水熱酸浸出とそれに関連した金属単離技術に関連して実施した検討事例を紹介する。

  1. 水熱技術の概要
    1. 水の相図と物性
    2. 水熱・亜臨界・超臨界水
    3. プロセス開発事例
  2. 酸浸出・湿式製錬の既往の研究
    1. 硫酸・過酸化水素
    2. 有機酸の適用
    3. 水熱酸浸出
  3. 水熱酸浸出プロセスのメカニズム解明と連続化検討
    1. 速度論的検討
    2. 実試料に対する検討
    3. 連続化検討
  4. 金属単離手法の検討事例
    1. 各種金属の単離
    2. 超臨界二酸化炭素を用いた手法の可能性
  5. まとめ
    • 質疑応答

第4部 エマルションフロー法による廃LiBからのNi/Coの分離精製と水平リサイクル

(2025年2月6日 14:45〜16:15)

※本講演は事前録画の配信となります。ご質問は後日メールで回答いたします。

 カーボンニュートラルの実現に向けてEVの急激な普及が見込まれる昨今、LIBなどででは、レアメタルのリサイクルは不可欠である。このような現状を踏まえ、廃LIBに含まれるCo、Niなどのレアメタルを、再度、LIBの素材として高純度 (99.99%) で再生する、いわゆる、水平リサイクルが強く求められているが、Co/Niの分離精製における技術的な課題が、これを阻んでいる。
 本講演では、Co/Ni分離精製の要となる溶媒抽出を革新する新技術、エマルションフローによるLIB水平リサイクルに向けた取り組みを紹介する。

  1. レアメタルリサイクルの社会的背景
    1. 解決したい社会問題 (世界の問題)
    2. 解決したい社会問題 (世界の中の日本の問題)
    3. 脱炭素社会でのレアメタル問題
  2. リチウムイオン電池 (LIB) リサイクルでの理想と現実
    1. レアメタルの水平リサイクル (理想)
    2. レアメタルリサイクルの理想と現実
  3. ブラックマスからのCo/Ni分離精製のコア技術 〜エマルションフローによる技術革新〜
    1. 溶媒抽出の原理
    2. 従来の溶媒抽出技術の課題
    3. 溶媒抽出技術の課題を解決するには
    4. 溶媒抽出技術の革新=エマルションフロー
    5. エマルションフローの技術的な優位性
  4. リチウムイオン電池 (LIB) の水平リサイクルに向けた取り組み
  5. エマルションフローがもたらす新しいコンセプト
  6. 集中型リサイクルと分散型リサイクル
  7. レアメタルを取り巻く最近の情勢
    • 質疑応答

講師

  • 竹田 賢二
    ニッケル協会 東京事務所
    所長
  • 粕谷 亮
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター 資源循環技術研究チーム
    主任研究員
  • 渡邉 賢 (東北大学)
    東北大学 大学院 工学研究科 化学工学専攻
    教授
  • 長縄 弘親
    株式会社エマルションフローテクノロジーズ
    取締役CTO

主催

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: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

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  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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