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フォノンエンジニアリングの基礎と熱電変換応用事例

フォノンエンジニアリングの基礎と熱電変換応用事例

~ナノスケールでのフォノン輸送に基づく、エネルギーおよび熱伝導の制御・計測の考え方とは / 放熱熱伝導、熱絶縁、熱電変換、量子工学、先端医療など、応用展開とその可能性~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、フォノンエンジニアリングについて取り上げ、ナノスケールにおける熱伝導の基礎から先端材料への応用事例までを解説いたします。

開催日

  • 2025年1月29日(水) 10時30分 17時00分

修得知識

  • ナノスケールにおける熱伝導の基礎知識
  • ナノ構造を用いた半導体における高度な熱伝導制御技術
  • 先端半導体デバイスの放熱において重要となる物理
  • ナノ構造を使った熱電変換材料の設計指針とデバイスの応用研究事例
  • 界面熱抵抗の基礎
  • 塗布熱電材料の基礎
  • 機械学習を用いた分子動力学計算
  • フォノンエンジニアリングの基礎
  • フォノンエネルギーの評価

プログラム

第1部 フォノンエンジニアリングの基礎と半導体熱マネジメント技術

(2025年1月29日 10:30〜14:00)

 先端半導体デバイスの放熱問題の意識の高まりやゼロカーボン社会の実現に大きな関心が集まっている。ナノ構造を含んだ半導体材料・デバイス中の熱伝導は特殊で、正確な熱伝導の理解と半導体デバイスの熱設計を行うためには、弾道性などのナノスケール特有の輸送特性と界面熱輸送を正しく理解することが必須である。熱伝導をナノスケールフォノン輸送の観点から解析することで、ナノ構造により高度な熱輸送制御が可能になっている。
 本講演では、ナノスケールにおける特殊な熱伝導の基礎物理をわかりやすく解説し、先端半導体デバイスの熱マネジメントと熱電変換材料開発に重要となるフォノン・熱伝導の基礎と応用について解説する。

  1. ナノスケールフォノン輸送と熱伝導
    1. なぜ今、「熱マネジメント」が重要なのか?
    2. ナノスケールの熱伝導は何が特殊なのか?
    3. 高度な熱伝導制御のための基礎知識
    4. 過去の代表的な研究の紹介
  2. フォノンエンジニアリングの基礎
    1. フォノンの弾道性を用いた熱伝導制御
      1. フォノニック結晶の作製法
      2. ナノ・マイクロ構造の熱伝導測定法
      3. ナノ構造Siにおける熱伝導の物理
      4. 指向性をもった熱伝導と集熱
    2. フォノンの波動的性質を用いた熱伝導制御
      1. フォノニクスと研究の歴史
      2. フォノンとフォトンの類似性と相違性
      3. 熱を光のように操れるのか?
      4. フォノニック結晶とバンドエンジニアリングの基礎
      5. フォノニクスに基づく熱伝導制御
  3. ナノ構造による熱伝導制御の応用例:熱電変換と先端半導体の熱マネジメント応用
    1. 熱電変換
      1. 熱電変換の基礎
      2. 熱電変換材料開発と高性能化
      3. 熱電変換デバイスの熱設計事例
    2. ナノ構造による熱伝導制御の応用例:先端半導体の熱マネジメント応用
      1. 先端半導体における熱マネジメントの重要性
      2. 先端半導体の放熱において理解すべき熱伝導の物理
      3. 界面熱抵抗の微視的解析例
    • 質疑応答

第2部 フォノンエンジニアリングによる異種熱電材料間の界面熱抵抗と塗布熱電材料

(2025年1月29日 14:10〜15:25)

 異種材料が接触する場合、接触面が完全に接触していても界面熱抵抗という小さな熱抵抗が生じる。ナノテクを用いて、この界面の数を増大させると見かけの熱伝導率を下げることができ、熱電変換材料の高効率化などに応用が期待される。この界面熱抵抗について、実験と第一原理計算からアプローチした結果を解説しながら、それら手法にについて解説する。

  1. 界面熱抵抗とは
    1. 熱伝導と界面熱抵抗
    2. 異種材料間の界面熱抵抗
    3. 界面熱抵抗を考慮した混合物の見かけの熱伝導率
  2. 塗布熱電材料
    1. 熱電塗布膜
    2. 熱電塗布膜の熱伝導率測定
    3. 3オメガ法による異種材料の界面熱抵抗測定
  3. 界面熱抵抗モデルについて
    1. 界面熱抵抗モデル
      • DMM
      • AMM
      • MTM
    2. フォノン分散関係
    3. 古スペクトルDMMモデルによる計算とメカニズム理解
  4. 機械学習を用いた分子動力学計算
    1. 分子動力学法について
    2. MTPポテンシャルについて
    3. 得られた熱伝導率と界面熱抵抗
    • 質疑応答

第3部 フォノンエネルギーの測定方法、応用

(2025年1月29日 15:35〜17: 00)

 近年、デバイスの高性能化に伴い熱が重要視されており、材料・デバイス中の熱特性を正しく捉えることは高効率デバイスを作製する上で欠かせない。計算によるフォノン輸送の予測、熱伝導および熱散逸の機構を調べる研究などが活発に行われている。
 本講座では、格子振動とフォノンの関係について触れたあと、フォノンエネルギーの評価手法として挙げられるX線非弾性散乱、ラマン分光法の原理、活用法について紹介する。

  1. はじめに
    1. フォノンエンジニアリング
    2. 格子振動とフォノンの関係
    3. フォノンエネルギー測定手法
  2. X線非弾性散乱法
    1. 原理
    2. X線非弾性散乱装置
    3. X線非弾性散乱スペクトル、フォノン分散曲線の一例
    4. 計算結果との比較
  3. ラマン分光法
    1. 原理
    2. ラマン分光装置
    3. ラマンスペクトルの一例
    4. ラマンスペクトルの活用方法
    • 質疑応答

講師

  • 野村 政宏
    東京大学 生産技術研究所
    准教授
  • 宮崎 康次
    九州大学 大学院 工学研究院 機械工学部門
    教授
  • 横川 凌
    明治大学 理工学部 電気電子生命学科
    助教

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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