技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

次世代バイオプラスチックの開発最前線

次世代バイオプラスチックの開発最前線

~可食から非可食バイオマス原料への転換 / 非可食バイオマスからのプラスチック、バイオプラスチックの展望~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。

開催日

  • 2024年12月20日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 地球環境保全と持続的な資源循環型社会に向けての業界や法規制動向
  • 非可食バイオベースモノマーや化学品の最新開発動向と技術的課題
  • 新規バイオプラスチックの開発動向と基本特性、用途・製品・市場開発動向

プログラム

 昨今の地球環境・資源・廃棄物問題の背景下、再生可能なバイオマスを原料とするバイオプラスチックの開発が進められる中で、これまで原料としてはコーン等の食料資源が用いられてきたが、近年は食料問題と競合しない非可食バイオマスを原料とするバイオプラの開発が活発化している。例えば、次世代バイオプラと世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸 (PLA) に関しても、最近日本で木材パルプから酵素法によるセルロース系糖質の乳酸発酵によるPLAの画期的な製造法が報道されている。また、世界的には木質・草本系バイオマスからパラキシレンを経て100%バイオベースPETの開発と実用化が進展しつつある。
 本講では、これら非可食バイオマスを原料とする新しいバイオリファイナリーの現状と将来展望を交えながら、次世代バイオプラスチックとして期待される有力素材・技術・市場開発の最前線を踏査する。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
    1. 石油由来合成高分子化合物が内包する地球環境・資源・廃棄物問題とは
      1. 原料枯渇問題
        • 50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係から価格高騰必至
      2. 地球温暖化問題
        • 焼却に伴う温暖化ガスの増大
      3. 廃棄物問題
        • 海洋プラスチック汚染問題等
    2. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
      1. 海洋プラ濃度の経年変化 (累積増加) 曲線
      2. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
      3. 海洋自然生態系が許容し得る分解速度、ポジティブ・コントロールとは?
        • 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
    3. バイオプラスチックの識別表示制度と環境負荷低減効果
      1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度 (2021年9月改定)
        1. 生分解性プラスチック
        2. 生分解性バイオマスプラスチック
        3. バイオマスプラスチック
      2. カーボン・フットプリント
        • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    4. 世界の法規制、グリーンガイド指針、業界動向
  2. バイオベース・プラットホームケミカルとバイオリファイナリー最前線
    1. バイオマス資源
      1. 可食バイオマス
        • デンプン (トウモロコシ) や廃糖蜜 (サトウキビ)
      2. 非可食バイオマス
        • リグノセルロース
          • 茎や葉
          • 雑草
          • 稲わら
          • 廃木材
        • ヒマシ油
        • 廃植物油
        • その他
    2. 非可食バイオマスファイナリーとプラットフォームケミカル
      1. シュガープラットフォーム
        • セルロース系糖質から微生物発酵又は触媒化学的手法により化学品を得る
        1. 分解酵素 (セルラーゼ) 法
          • 酵母や乳酸菌による発酵生産
            • エタノール
            • 乳酸
          • 酵素生産、糖化、発酵の生化学的過程をすべて統合化したCBP (Consolidated Bioprocessing) とは?
        2. 超臨界加水分解法
          • PlantroseR/Renmatix社の触媒化学的バイオリフォーミング (パラキシレン)
      2. 合成ガス (CO, H2) プラットフォーム
        • 低酸素下の熱分解ガスから化学品を得る
        • 微生物触媒によるエタノール生産、微生物による排ガス発酵技術とは?
      3. バイオマスナフサ調製法と誘導化学品
        • 廃植物油の高温熱分解から得るバイオマスナフサのクラッキング (エチレン等)
    3. バイオベースモノマー又は中間体
      1. C2
        • エチレングリコール (EG)
      2. C3
        • グリセリン
        • 乳酸
        • 1.3-プロパンジオール (PDO)
        • 3-ヒドロキシプロピオン酸 (3-HP)
        • アクリル酸
      3. C4
        • コハク酸
        • 1,4-ブタンジオール (BDO)
        • γ-アミノ酪酸 (GABA)
      4. C6
        • ソルビトール
        • イソソルバイド
        • フランジカルボン酸 (FDCA)
        • アジピン酸
        • 北海道大学が従来法の限界を突破する画期的な高効率FDCA新規化学合成法を開発
      5. C8
        • p-キシレン (PX)
      6. C10
        • セバシン酸
      7. C18
        • リシノール酸
  3. バイオプラスチックの最新動向
    1. バイオポリエチレン (bio-PE)
    2. バイオポリプロピレン (bio-PP)
    3. バイオポリエステル (bio-PES)
      1. 生分解性バイオポリエステル
        1. ポリ乳酸 (PLA)
          • 生分解性 (堆肥化またはバイオマス発電可能) と長期使用耐久性 (構造材料) の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
          • 非可食木材パルプからのセルロース系糖質を原料にPLA生産技術開発 (王子HD)
          • 世界的にPLA生産設備の新設・増産計画が相次ぐ (約50万トン/年)
        2. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT)
        3. ポリブチレンサクシネート系 (PBS, PBSA)
        4. 微生物産生ポリエステル系 (PHBV, PHBH)
        5. その他 (デンプン系, PGA, PEST)
      2. 非生分解性バイオポリエステル
        1. バイオポリエチレンテレフタレート (bio-PET)
          • RenmatixのPlantroseRを用いたVirentのBioReforming プロセスによるバイオパラキシレンの生産が主流に!?
        2. ポリトリメチレンテレフタレート (PTT)
        3. ポリエチレンフラノエート (PEF)
          • 化学構造
          • 植物由来フランジカルボン酸 (FDCA) から成るバイオポリエステル
          • 基本特性
          • PET対比で優れたガスバリア性と耐熱性
    4. バイオポリアミド (bio-PA)
      1. ポリアミド11
        • 最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
      2. ポリアミド10T
        • 化学構造
        • 1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
        • 基本特性
        • 超高耐熱性 … Tg/Tm:160/314 (°C) , DTUL (1.8MPa) >300°C
        • 低吸水率耐薬品性
        • 耐摩耗性
        • 電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ
    5. バイオポリカーボネート (bio-PC)
      • 化学構造
      • 植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
      • 基本特性
      • 光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
    • 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/3 カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが求められる次世代自動車とプラスチック オンライン
2025/2/5 脱炭素と循環型経済社会の実現に向けたプラスチックリサイクルの課題と展望 オンライン
2025/2/6 エポキシ樹脂 2日間総合セミナー オンライン
2025/2/7 バイオマス由来モノマーの開発と応用事例 オンライン
2025/2/7 カーボンニュートラル時代のプラスチック入門 オンライン
2025/2/7 プラスチック射出成形過程の可視化とソリ変形予測技術 オンライン
2025/2/7 高分子材料の相溶性・相分離現象の基礎と相容化剤を用いたポリマーブレンド材料およびマテリアルリサイクルへの応用 東京都 会場
2025/2/12 防振ゴムの劣化メカニズムと耐久性試験・寿命予測 オンライン
2025/2/12 プラスチック加飾技術の最新動向と環境負荷低減に向けた展望 オンライン
2025/2/12 プラスチック材料・製品の耐久性向上、劣化度評価、寿命予測 オンライン
2025/2/13 高分子の (黄変・ピンク変など) 変色・劣化の発生メカニズム、変色箇所の評価、その対策 オンライン
2025/2/13 ゴム材料の分析手法および劣化現象とその分析 オンライン
2025/2/13 プラスチック成形部材の劣化・破損・破壊のメカニズムと評価・改善方法、破面の特徴、トラブル対策 オンライン
2025/2/14 半導体封止材用エポキシ樹脂の種類と特性および解析方法 オンライン
2025/2/14 国内外における食品用容器包装および器具・接触材料の法規制の動向把握と必要な対応 オンライン
2025/2/14 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/2/14 高分子フィルム・繊維の延伸プロセスにおける分子配向形成、結晶化とその制御 オンライン
2025/2/17 ゾル-ゲル法の基礎と材料合成、(新規) 材料開発で活用するための実用的な総合知識 オンライン
2025/2/17 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/17 結晶性高分子の材料設計・改良・加工性向上に必要な基礎知識 オンライン

関連する出版物

発行年月
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/11/26 エンプラ市場の分析と用途開発動向 2013
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析
2013/6/3 プラスチックのタフニングと強度設計
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/4/25 新しいプロピレン製造プロセス
2013/4/5 高分子の延伸による構造と配向の発現およびそれらの制御法を利用した材料開発
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/1 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ
2012/10/30 植物由来プラスチックの高機能化とリサイクル技術 (新装版)
2012/9/27 熱膨張・収縮の低減化とトラブル対策
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/9/20 フッ素樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/5/28 微量ガスの高感度分析方法
2011/12/22 植物由来ポリマー・複合材料の開発
2011/11/25 アクリル酸エステル 技術開発実態分析調査報告書
2011/6/20 高分子材料のフラクトグラフィ