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ADCを含む次世代抗体医薬の知財戦略および強い特許明細書・クレームの書き方

ADCを含む次世代抗体医薬の知財戦略および強い特許明細書・クレームの書き方

オンライン 開催 演習付き

視聴期間は2024年12月9日〜13日を予定しております。
お申し込みは2024年12月11日まで承ります。

概要

本セミナーでは、激変する次世代の抗体医薬の知財戦略について取り上げ、各社のADC分野の知財戦略について、ADCの架空事例を用いた演習を交えて解説いたします。

開催日

  • 2024年12月11日(水) 13時00分 2024年12月13日(金) 16時30分

プログラム

 1990年代にジェネンテックによって実用化された抗体医薬は、2000年代に入って産業として大きく花開いた。特に2010年代に入ってからの市場の伸びは急激であり、今や、新薬に占める抗体医薬のシェアは数十%にものぼる。
 さらに、2010年代に入って、第一世代の抗体医薬の基本特許が切れ始めたために、いわゆるバイオシミラー、バイオベターの研究開発が盛んになった。その際、第1世代の抗体医薬を改良してさらに薬効を高めるために、多くの革新的な要素技術が搭載されることになった。これらの要素技術は、もちろん、第一世代では実用化されなかったターゲットに対する第二世代の抗体医薬にも搭載されることになった。
 また、2010年代に入って、日本発の画期的な抗体医薬のプラットフォーム技術としてADC (抗体薬物複合体、Antibody-drug conjugate) の技術が、「Enhertu」「Kadcyla」等として次々と実用化されるようになってきた。ADCは、ターゲットへの結合にかかわるモノクローナル抗体と、細胞障害性物質 (抗がん剤) を、リンカーによって結合して複合体化したものである。そのため、ADCの特許ポートフォリオを分析するには、モノクローナル抗体の特許ポートフォリオ、細胞障害性物質 (抗がん剤) の特許ポートフォリオ、そしてリンカーの特許ポートフォリオの3つの観点での分析が必要である。
 そのため、ADCをはじめとする抗体医薬の知財戦略においては、従来の低分子医薬のような物質特許+用途特許を中心としたシンプルな知財戦略では、最近の抗体医薬のパイプラインを効果的に保護することは難しくなってきている。今では、ADCをはじめとする抗体医薬のパイプラインを、物質特許、用途特許、製剤特許、製法特許、用法用量特許などにくわえて、抗体医薬の薬効を高めるための要素技術の特許なども加えた、数十もの特許ポートフォリオで保護する時代になってきている。
 もっとも、この状況は、創薬系スタートアップについては、有利な状況になりつつあるといえる。なぜなら、創薬系スタートアップとしては、数十もの特許ポートフォリオが絡むADCをはじめとする抗体医薬のパイプラインの中に、自社のリサーチツールから生まれたプラットフォーム技術の特許を一つでも絡ませることができれば、メガファーマへのライセンスアウトの交渉が可能になるからである。うまくいけば、創薬系スタートアップとしては、一つのプラットフォーム技術の特許を横展開して、多くのADCをはじめとする抗体医薬のパイプラインに対してライセンスアウトをすることも可能な状況となりつつあり、極めて強力な追い風が吹いていると言えよう。このように、激変する次世代の抗体医薬の知財戦略のあり方についてお話したい。

  1. バイオ・製薬企業の知財戦略
    1. 抗体医薬市場の現状分析
      • ついに歴史的な和解!小野薬品工業・BMS VS アストラゼネカ社
      • 免疫チェックポイント阻害薬を巡る特許訴訟
      • アクテムラのバイオシミラーについての特許訴訟がアメリカで勃発
      • 20件もの特許で侵害訴訟を提起
      • 大型化+クラスター化する抗体医薬の特許ポートフォリオ
      • 抗体医薬に関する最近の注目判例
      • ジェネンテック
      • ジェネンテックの知財戦略
      • ライセンス戦略 (共存共栄)
      • IDECとのリツキサン共同開発成功事例 (同業他社への支援の成功)
      • ヒト化・フラグメント化・修飾などによる改良特許戦略
      • 抗体断片化によるルセンティスの成功
      • 日本の中外製薬のグループ化に成功
      • ADCである「Kadcyla」の特許ポートフォリオの分析
      • ロッシュ=ジェネンテック=中外製薬グループのADC分野の知財戦略
      • 協和発酵キリン
      • 協和発酵キリンの知財戦略
      • クラスター戦略 (一点集中強行突破)
      • 瓢箪から駒のポテリジェント技術を目利力によりクラスター展開
      • 個別疾患ターゲットに限定したライセンスポリシーによる収益最大化
      • 垂直統合戦略 (コア技術の川下展開) +水平分業戦略のハイブリッド戦略
      • 自社開発による付加価値の内部取込+世界標準化による収益最大化
      • オランダのシナフィックス社と提携してADCの開発に乗り出す
      • 協和発酵キリンのADC分野の知財戦略
      • 第一三共
      • 第一三共の知財戦略
      • 第二世代の抗体医薬で花ひらいたADCの研究開発
      • 抗体+リンカー+薬剤の組合せ
      • 従来の低分子医薬や、第一世代の抗体医薬に比べて圧倒的に複雑な構成
      • 知財戦略もそれにあわせて複雑化
      • ハイブリッド型知財戦略
      • リンカーの要素技術の特許ポートフォリオが命運を分ける
      • 他の化学+材料+機械+電機などの技術分野の知財戦略に近づく
      • ADCである「Enhertu」の特許ポートフォリオの分析
      • 第一三共のADC分野の知財戦略
      • Baili Biopharma (Baiokin Pharmaceutical、SystImmune)
      • 上海証券取引所の科創板に時価総額5,000億円を超えてユニコーン上場
      • アメリカ子会社で研究開発
      • マルチスペシフィック抗体
      • 免疫チェックポイント阻害抗体のバイスペシフィック抗体
      • 欧米のメガファーマとアライアンス
      • 第二世代の抗体医薬の中国におけるスター企業
      • 従来型のパイプライン型知財戦略
      • マルチスペシフィック抗体の構成が複雑化
      • そのため従来型とはいえ知財戦略も複雑化
      • SystImmuneもADCの開発に乗り出す
      • SystImmuneのパイプラインに含まれるバイスペシフィックADC
      • SystImmuneのADC分野の知財戦略
  2. 抗体医薬品特許の強い特許明細書・クレームの書き方
    1. 強い特許明細書・クレームとは何か?
      • スムーズに権利取得できる
      • 無効審判で潰れない
      • 公開後ライバル企業を牽制できる
      • 訴訟でライバル企業を排除できる
      • 自社の研究開発戦略がばれない
      • どんな国でも通用する
    2. 実施可能要件を満たす明細書の書き方
      • 実験データはどこまで開示すべきか
      • テクニック1:釣道具は開示せず釣果のみ開示する
      • テクニック2:ダミー化合物の中に本命化合物を隠す
      • テクニック3:実験プロトコル&定性データのみ開示する
      • テクニック4:定量データは実験成績報告書で後出しジャンケン
      • テクニック5:作用機序を開示すべき場合・隠すべき場合
      • テクニック6:薬理データを開示すべき場合・隠すべき場合
      • 最新判例解説:実施例の後出しが認められた判決 (日焼け止め剤組成物事件)
      • 最新判例解説:医薬組成物の製造方法の実施可能性が争われた事件 (リーチ・スルー・クレーム事件)
      • 最新判例解説:薬理データとサポート要件に関する判決 (フリバンセリン事件)
      • 従来判例解説:実験成績証明書を参酌すべきかどうかについて述べた従来の判例 (エテンザミド事件)
      • 従来判例解説:実験成績証明書を提出してサポート要件を充足させることを認めなかった大合議判決 (偏光フィルム事件)
      • 従来判例解説:実験結果を定性的に記載してもOKという判例 (除草剤事件)
    3. 新規性・進歩性を満たすクレームの書き方
      • 化合物クレーム&剤クレーム&医薬クレームのどれが有利か
      • 構成&作用&効果のどれで差別化するのが有利か
      • テクニック1:抗体・組成物の構成の違いで差別化
      • テクニック2:試験管内の生化学的作用を限定して差別化
      • テクニック3:細胞内の生理学的作用を限定して差別化
      • テクニック4:組織・臓器・個体での病理学的作用を限定して別化
      • テクニック5:効果のある疾患・病態・患者を限定して差別化
      • テクニック6:薬理データがある場合・ない場合のクレームの立て方
      • 最新判例解説:第2医薬用途発明の容易想到性が判断された判決 (胃炎治療剤事件)
      • 最新判例解説:「機能限定剤」のサポート要件・進歩性を認めた判決 (ドロキシラジカル消去剤事件)
      • 従来判例解説:用途発明の技術的範囲のラベル化権的な解釈の判例の解説 (アレルギー性喘息の予防剤事件)
    4. ユニバーサル・ドラフティングという考え方
      • 一つの原稿で全ての国に対応する
      • 日米欧に対応可能な特許明細書・クレーム
        • 先進国で新規性・進歩性を満たす
        • 先進国のライバルにアッセイ系を教えない
        • 先進国のライバルに候補化合物を教えない
      • 中印に対応可能な特許明細書・クレーム
        • 発展途上国で実施可能要件を満たす
        • 発展途上国のライバルに製造困難な製造方法の書き方
      • 日米欧中印に対応可能な理想のユニバーサル・ドラフティング
        • 日本、米国、欧州、中国における医薬用途発明の記載形式の違い
      • 欧州拡大審決例解説:保護対象にならないバイオ関連発明 (G1/04)
      • 欧州拡大審決例解説:投与方法に特徴がある医薬発明の
      • 新規性とスイスタイプクレームに関する欧州拡大審決 (G2/08) (スイスタイプクレームの禁止)
      • 米国判例解説:アメリカにおけるパリン事件により立法化された米国特許法第287条第c項 (1) (2) (医師免責規定)
      • 米国判例解説:バイオ分野にも関係あるBilski事件 (MTテスト)
      • 米国判例解説:Bilski事件の悪夢の予言がMyriad事件で実現! (MTテスト)
      • 米国判例解説:LabCorp事件 (バイオ分野の保護対象)
      • 中国専利法25条1項 (疾病の診断方法の保護対象除外)
      • 中国司法解釈:最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈
      • 中国専利審査基準:物質特許&用途特許制度あり
      • 中国専利審査基準:中国で生き残るスイスタイプクレーム、用途発明は
        「一般式Iの化合物はある病気の治療に用いる薬剤の製造における応用」のような製薬方法のクレームで権利化
  3. クレームの書き方の演習
    1. 架空実験データを素材とする出題
      • ADCの架空事例
    2. クレームの講評
      • 新規性・進歩性
      • 実施可能要件
      • 技術的範囲
      • 総合的な講評・優秀者表彰

講師

主催

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本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
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受講料

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: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

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  • 視聴期間は2024年12月9日〜13日を予定しております。
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  • セミナー資料は別途、送付いたします。

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