技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウムイオン電池用バインダーの設計と高機能化、高容量電極への適用

リチウムイオン電池用バインダーの設計と高機能化、高容量電極への適用

~バインダーの要求特性とドライプロセス、水系化動向、各種高容量電極への適用~
オンライン 開催

開催日

  • 2024年9月12日(木) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の研究開発者、管理者

プログラム

第1部 リチウムイオン電池用バインダーの要求特性と使用方法、PFAS問題、ドライ電極の課題と展望

(2024年9月12日 10:00〜12:00)

 リチウムイオン電池のバインダーはいわゆる4大材料 (正・負極活物質、セパレータ、電解液) ではない。しかし、バインダーは製造プロセスから電池担った後も四大材料及びその他使用材料と密接に関わりあって電池の性能を十分に引き出すために使われている。
 本セミナーでは、バインダーに求められる特性は何か、今、バインダーに使われている材料がなぜ使われているかについて説明する。また、バインダーという切り口で次世代電池を考えると色々な事が分かってくる。次世代電池に使われるバインダーはどうなっていくか分かりやすく説明する。合わせて、昨今話題となっているPFAS問題とドライ電極プロセスとバインダーとの関連にも言及する。

  1. リチウムイオン電池セルに使われる材料
    1. リチウムイオン電池のプロセス
    2. リチウムイオン電池の材料
  2. バインダーの役割と要求特性
    1. バインダーの役割
    2. PVDF
    3. SBR+CMC
  3. 次世代二次電池の候補とバインダー
    1. NEDOのロードマップ
    2. 金属リチウム負極電池
    3. Si系負極電池
    4. 全固体電池
    5. ナトリウムイオン電池
    6. リチウム硫黄電池
    7. リチウム空気電池
  4. リチウムイオン電池におけるPFAS問題
    1. PFASの定義
    2. 影響を受ける業界
    3. 電池におけるPFAS問題
    4. 代替品
  5. ドライプロセス
    1. ウエットプロセスの問題点、ドライプロセスのメリット
    2. ドライプロセスの種類
    3. テスラ4680電池の負極
  6. その他
    • 質疑応答

第2部 リチウムイオン電池用バインダーの高機能化に向けた技術開発

(2024年9月12日 13:00〜14:00)

 電気自動車の普及を押し進めるには、航続距離アップ、充電時間短縮といった高性能化が非常に重要である。航続距離アップには高容量化、充電時間短縮には低抵抗化といった技術が必要であり、それに貢献できる材料開発が強く求められている。
 本講演では、電池を構成する電極の製造に必要不可欠な接着剤であるバインダーの高機能化について紹介する。さらに、環境調和型プロセスへの貢献を目指し非フッ素系の正極用バインダーやその水系化への取り組みについても紹介する。

  1. 株式会社ENEOSマテリアルのご紹介
  2. リチウムイオン電池の市場
  3. リチウムイオン電池の仕組みと構成
  4. 電池用バインダーに求められる特性
  5. 負極用バインダー 電池高容量化に向けた開発
  6. 負極用バインダー 電池低抵抗化に向けた開発
  7. 正極用バインダーの開発
  8. 今後の展望
    • 質疑応答

第3部 高性能LIBの実現に向けた無機バインダの適用

(2024年9月12日 14:10〜15:40)

 電池用途の多様化が進む現在、様々なリチウムイオン電池用電極が開発されている。中でも、Si系負極、Ni系正極は高容量であり、今後の市場も期待される。ただ、これら材料は、バインダとの組み合わせによって電池性能が大きく変わるため、バインダの選定は大変重要である。
 本講義では高容量電池を実現するための各種電極に無機バインダを適用した実験例をデータとともに解説する。

  1. 二次電池の市場動向
  2. 現行のリチウムイオン電池の技術的課題と次世代電池への要求
  3. 無機バインダを用いた高容量負極の開発
    1. 合金系負極の開発
    2. Si系負極の開発
  4. 無機バインダを用いた高容量正極の開発
    1. NCA正極の開発
    2. 3元系正極の開発
  5. 今後の展望 (全固体電池など)
    • 質疑応答

第4部 リチウムイオン二次電池向け機能性バインダーの技術開発

(2024年9月12日 15:50〜17:00)

 機能性バインダーがリチウムイオン電池の性能を大きく左右することが広く認知され、 固液界面の反応を制御する機能性材料として着目されている。
 本講演ではリチウムイオン電池の高性能化に寄与するバインダー技術について、正極、負極、およびセパレータ材料への適用を含む技術動向を紹介する。

  1. 日本ゼオン株式会社のご紹介
  2. 電池バインダーの機能
    1. LIB製造プロセスとバインダー機能
    2. スラリー分散性が電池特性に与える影響
  3. バインダー機能と電池性能
    1. セルの技術課題
    2. 耐熱セパレータ技術
    3. 接着セパレータ技術
    4. 負極バインダー
    5. 正極バインダー
  4. 今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 白井 崇弘
    株式会社ENEOSマテリアル 研究開発本部 高機能化学品開発部
    グループマネージャー
  • 山下 直人
    ATTACCATO合同会社
    業務執行者 ガーディアン
  • 浅井 一輝
    日本ゼオン株式会社 総合開発センター 機能性材料第一研究所
    グループ長

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/23 固体酸化物形燃料電池の材料技術、セル作製と可逆動作セルの開発 オンライン
2024/12/24 粘度、粘弾性の測定法とデータの読み方、活用例 オンライン
2024/12/25 乳化・分散・攪拌の基礎と操作およびスケールアップ評価 オンライン
2024/12/25 粒子・粉体の混合・分散技術の基礎と応用・トラブルシューティング オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高品質スラリー調製のための分散技術とその安定化、評価方法 オンライン
2025/1/9 燃料電池、水素・アンモニアエネルギーの最新動向と今後日本企業がとるべき事業戦略 オンライン
2025/1/10 撹拌装置の設計/スケールアップの基礎とトラブルシューティング オンライン
2025/1/10 導電性カーボンブラックの特性、選定、分散技術 オンライン
2025/1/15 電気化学反応と電極反応のメカニズム、電気化学測定法および電極・溶液界面の解析技術 オンライン
2025/1/15 スラリー中粒子の分散・凝集状態の制御に向けた評価技術 オンライン
2025/1/15 実例を踏まえたスプレードライ技術の基礎とスケールアップ手法 オンライン
2025/1/21 固体酸化物形セルを用いた水素製造・利用技術の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/21 全固体リチウム二次電池の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/1/22 導電性カーボンブラック導電材の分散性向上技術と電池特性の向上 オンライン
2025/1/22 有機分子を活物質とするリチウムイオン電池とレドックスフロー電池 オンライン
2025/1/23 粉体・微粒子の表面処理と機能性ナノコーティング技術 会場・オンライン
2025/1/23 リチウムイオン電池の高性能化、安全性確保のための最新技術動向と業界動向・市場展望 オンライン
2025/1/24 トラブルのない上手な粉体装置・設備のエンジニアリング オンライン
2025/1/24 リン酸鉄 (LFP) 系リチウムイオン電池の開発動向と電極特性 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/8/30 塗工液の調製、安定化とコーティング技術
2024/6/24 EV用リチウムイオン電池のリユース&リサイクル
2024/6/19 半導体・磁性体・電池の固/固界面制御と接合・積層技術
2023/11/30 EV用電池の安全性向上、高容量化と劣化抑制技術
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023 [書籍 + PDF版]
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023
2023/8/31 分散剤の選定法と効果的な使用法
2023/6/14 車載用リチウムイオン電池リサイクル : 技術・ビジネス・法制度
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/4/6 電池の回収・リユース・リサイクルの動向およびそのための評価・診断・認証
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/28 リチウムイオン電池の長期安定利用に向けたマネジメント技術
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ (書籍 + PDF版)
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ
2022/9/16 2022年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2022/9/14 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (進歩編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編 + 進歩編)
2022/8/19 2022年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2022/6/30 二次電池の材料に関する最新技術開発