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エマルションの安定性を維持する乳化剤選定と乳化技術・安定性評価

エマルションの安定性を維持する乳化剤選定と乳化技術・安定性評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、安定な乳化製剤の製造に重要な役割を担っている乳化剤 (界面活性剤) の物質/物質間の相溶性の指標値として有効な指標値、HLB値、溶解度パラメータ、有機概念図法、拡張HLB値等の基礎とこれらのパラメータを活用した界面活性剤・乳化剤の使いこなし方について解説いたします。

開催日

  • 2023年10月6日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 乳化、エマルションに関連する技術者、開発者、生産技術担当者、品質保証担当者
    • 化粧品
    • 医薬品
    • 製剤
    • 食品
    • 接着剤
    • 乳化剤・界面活性剤 など
  • 乳化、エマルションで課題を抱えている方

修得知識

  • 乳化剤・エマルションの基礎
  • エマルションの設計
  • 乳化剤の選定ポイント
  • エマルションの安定性と評価方法
  • エマルションの安定性向上のポイント

プログラム

 乳化技術は化粧品をはじめ、食品、医薬品、トイレタリー製品、化学品等の広範囲な産業分野で注目されている基盤技術の一つであるといっても過言でない。これらの乳化製品の長期間の安定性を維持するためには、「乳化剤の選定」が極めて重要な役割を果たしている。しかし、この『乳化剤の選定』はとにかく、個人的な経験に依存しているため、任意性が大きく、課題解決に障害となる場合が見受けられる。
 本講義では、乳化剤の機能の属性性に関わる指標値を駆使し、科学的な視点から、乳化剤の選択、乳化剤の組み合わせ方等の「乳化剤の使いこなし方」を基礎から学び実務に生かせる様に講義する。講義で用いた各指標値は単に乳化現象に留まらず、広く、洗浄、分散、可溶化等の界面現象に展開できる。今回は特に、研究者および生産現場でも同じ技術概念でコミュニケーションが図れる事を目的として、指標値に関わる算定式は出来るだけ簡便で、実用的かつ基礎研究にも十分に耐えるものを選定した。本講演が安定かつ高品質の製品の生産かつ、乳化製剤の効率的な開発の一助となれば幸いである。

  1. 講義の狙い
  2. エマルションの調製・安定化における乳化剤の役割
    1. 「乳化メカニズム」のいろいろ
      1. 自然界の自己乳化形態
      2. 粘土物質による乳化形態
      3. 微粒子を乳化剤とした乳化形態 (Pickering Emulsion, 三相乳化)
      4. 界面活性剤を乳化剤とした乳化形態
    2. エマルション粒子における乳化剤の作用要因
  3. エマルションの主な要素技術を支援するための指標値
  4. 溶液・分散系における物質/物質間の相溶性に対する指標値
  5. 界面活性剤剤 (乳化剤) 水溶液の物理化学的性質
    1. 界面活性剤の化学構造要因と機能・作用
    2. 界面活性剤の相挙動
    3. 界面活性剤水溶液の物理化学的性質
      1. クラフト点
      2. 曇点
      3. 吸着等温式
      4. 臨界ミセル濃度 (cmc) とその作用因子
    4. 界面活性剤の化学構造要因と分子集合体
    5. 界面活性剤高濃度分散液の高次分子集合
  6. HLB方式による乳化剤の選定およびその最適化針
    1. HLB方式による乳化剤の選定法
    2. 油性基剤の所要HLB値および混合油性基材の所要HLB値の計算法
    3. 乳化剤のHLB値および混合乳化剤のHLB値の計算法
    4. 混合乳化剤による所要HLB値の最適化指針
  7. 拡張HLB値
    1. 乳化剤のHLB値の算定式の推移
    2. Davies方式による乳化剤のHLB値の算定式
    3. 有機概念図法による界面活性剤の (親水性/疎水性) 比の指標値の算出法
      - (無機性値/有機性値) 比 (IOB値;Inorganic – Organic Balance)
    4. 小田式による界面活性剤のHLB値の算定式
    5. 混合界面活性剤の拡張HLB値の算定式
  8. 乳化技術
    1. 物理的 (機械的) 乳化方式
    2. 物理化学的乳化方式
      1. 油相混合 – 溶解度パラメータの活用
      2. Fedors式による溶解度パラメータの算出法
      3. 乳化剤の添加方法
    3. 主な物理化学的乳化方式
      1. 転相乳化法
      2. 転相温度乳化法
      3. D相乳化法、
      4. ゲル乳化法
      5. 液晶乳化法
  9. スケールアップ時の留意事項
    1. スケールアップの基本要素
    2. 剪断力
    3. 乳化時の機械力
    4. 乳化時間の推定
  10. 低エネルギー乳化法
  11. エマルションの安定性評価法
    1. 保存経日中に見られる主なエマルションの変化
      1. 化学変化
      2. 物理的変化
      3. 微生物汚染
    2. エマルションの不安定化過程
    3. マルションの粒子径とクリーミング速度およびブラウン運動の変位
  12. エマルション製剤の安定性評価の主な加速試験法
  13. 加速試験法の事例研究
    1. 画像解析法による経日安定性評価
    2. 光子相関法によるヘキサデカンエマルション粒子の合一速度
      1. 原理
      2. 合一速度定数のアレニウスプロット
    3. Q10値 評価法
  14. エマルションのレオロジー的性質
  15. おわりに
    • 質疑応答

講師

  • 堀内 照夫
    株式会社 ミルボン 中央研究所
    開発顧問

主催

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お問い合わせ

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受講料

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

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  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

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    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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