技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法

チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法

~「チクソ性」「チクソトロピー」「擬塑性流動」の違いを正しく理解~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、「チクソ性」を測定するためのテクニックを基礎から解説いたします。
また、実用系として微粒子分散系に焦点を絞り、「チクソ性」制御の考え方について概説いたします。

開催日

  • 2023年5月16日(火) 13時00分 17時00分

修得知識

  • 「チクソ性」「チクソトロピー」「非ニュートン流動」の違い
  • 「チクソ性」を的確に評価するための測定手法
  • 微粒子分散系の「チクソ性」をメカニズムに基づき制御するためのコツ
  • 凝集分散系が示す粘度挙動

プログラム

 塗料やインキの流動性を表現するために、しばしば「チクソ性 (チキソ性と呼ばれることもありますが、最近はチクソ性の方が多く使われるようです) 」という技術用語が使われますが、このような学術用語はありません。この基となる用語は「チクソトロピー」と思われますが、両者は必ずしも同じではないため、実用上、不都合が生じることになります。
 本セミナーでは、まず学術的な意味と技術的な意味の違いを明確にして、物性評価として「チクソ性」を測定するためのテクニックを紹介します。
 工業的に「チクソ性」が重要となる材料は微粒子分散系です。液体中に分散した微粒子は、ほとんどの場合、凝集体を形成します。「チクソ性」を支配するのは剪断流動場におけるこの凝集構造の動的変化です。凝集分散系が示すチクソトロピーや擬塑性流動など複雑な粘度挙動をメカニズムに基づいて包括的に説明するとともに、「チクソ性」に関わる最近の技術動向と展望についても概説します。

  1. 粘度の基礎
    1. ニュートン流動と非ニュートン流動
      1. 剪断速度と応力
      2. 粘度の定義とニュートン流動
      3. 擬塑性流動
      4. ダイラタント流動
      5. 降伏挙動
    2. 時間依存性流動
      1. チクソトロピー
      2. レオペクシー
      3. チクソ性
      4. 履歴現象と平衡流動曲線
  2. チクソトロピーの測定と注意点
    1. 測定装置とその選択
      1. 回転粘度計の特徴
      2. 試料に対応した装置選択
    2. 測定プログラムの設定
      1. 二段階剪断法とヒステリシスループ法
      2. チクソトロピー回復過程の測定
  3. コロイド化学の基礎と凝集分散系の非ニュートン流動
    1. 粒子間相互作用と粒子の凝集
      1. 電気二重層
      2. ζ電位
      3. DLVO理論
      4. 高分子による分散安定効果
      5. 高分子の架橋凝集作用
    2. 通常の凝集分散系における非ニュートン流動
      1. 凝集分散系の擬塑性流動
      2. 三次元網目構造の形成と降伏挙動
  4. チクソトロピー性制御の基本概念
    1. 二粒子間相互作用とチクソトロピー
    2. 凝集の空間構造とチクソトロピー
    3. パーコレーション理論の応用
  5. 微粒子分散系の粘度コントロール
    1. 非凝集分散系の粘度挙動
    2. 凝集分散系の粘度コントロールに関する新技術
      1. 粘度レベルと流動パターンの独立制御
      2. 粒子間のベクトル的性質と粘度挙動
  6. 微粒子分散系が示す特異な粘度挙動
    1. 異方性粒子分散系の逆チクソトロピー
    2. ナノ粒子分散系のダイラタント流動
  7. チクソ性に関わる最近の動向と技術展望
    1. 官能評価とチクソ性
    2. 規格基準と粘度調整
    3. パラメータ特許とチクソ性

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/21 粉体の取り扱いとトラブル対策 オンライン
2024/6/21 ゴム・高分子材料のトライボロジー特性と接触面の観察および評価方法 オンライン
2024/6/21 アニオン重合の基礎知識と高分子の精密制御 オンライン
2024/6/21 分子動力学 (MD) 法の基本原理・具体的な技法から高分子材料開発への応用 オンライン
2024/6/24 粘着剤の基礎知識と評価法 オンライン
2024/6/25 高分子の粘弾性挙動と時間-温度換算則の活用事例 オンライン
2024/6/25 フィラーの分散・充填技術およびナノコンポジットの研究開発動向 オンライン
2024/6/25 粉体・粒子を密充填するための粒子径分布、粒子形状、表面状態の制御 オンライン
2024/6/26 UV塗料の設計における必須基礎知識と今後の塗料設計の留意事項 オンライン
2024/6/26 レオロジーの基本 東京都 会場・オンライン
2024/6/27 フィルム製膜における延伸・配向制御、その評価と応用 オンライン
2024/6/27 粘弾性挙動によるプラスチック成形品の残留応力の発生と解放のメカニズム オンライン
2024/6/27 二軸スクリュ押出機を用いたリアクティブプロセシング技術の基礎から応用へ 東京都 オンライン
2024/6/27 高周波用基板材料に求められる特性と材料設計・低誘電損失化 オンライン
2024/6/27 プラスチックの力学特性と評価方法および複合化による改善手法 オンライン
2024/6/27 微粒子・ナノ粒子の基礎と応用 東京都 会場・オンライン
2024/6/27 ダイコーティングの基礎理論とトラブル対策 オンライン
2024/6/27 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/6/27 高分子の結晶化と相分離の基礎的理解および高分子ブレンドへの応用 オンライン
2024/6/27 ポリウレタンの基礎とアミン触媒の構造および開発動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/4/30 建築・住宅用高分子材料の要求特性とその開発、性能評価
2021/2/16 ポリマーアロイ/ブレンドにおける相溶性・分散条件の最適設計、評価応用の最新技術
2021/1/29 高分子材料の絶縁破壊・劣化メカニズムとその対策
2020/11/30 高分子の成分・添加剤分析
2020/11/30 高分子の延伸による分子配向・結晶化メカニズムと評価方法
2020/10/30 ポリウレタンを上手に使うための合成・構造制御・トラブル対策及び応用技術
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/3/31 自己修復材料、自己組織化、形状記憶材料の開発と応用事例
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2020/1/31 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方と微粒子の分散安定化への活用術
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方
2018/7/31 高耐熱樹脂の開発事例集
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2018/2/28 顔料分散の基礎講座