技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオマスフィラー/樹脂の複合化と特性向上、その応用

バイオマスフィラー/樹脂の複合化と特性向上、その応用

オンライン 開催

開催日

  • 2023年5月12日(金) 10時30分 17時00分

修得知識

  • バイオマスフィラーの処理
  • 水分除去のポイント
  • コンパウンド、複合化の最適化
  • 混練、分散向上⇔加熱防止の両立
  • バイオマスプラスチック及び生分解性プラスチック全般
  • 海洋生分解性バイオマス複合プラ材料「Biofade」

プログラム

第1部 セルロース/樹脂複合材料の応用展開

(2023年5月12日 10:30〜12:00)

 STARCELは、京都プロセス法で得られたセルロース/樹脂複合材料です。本講演では、STARCELの応用/展開事例について解説し、それぞれの特徴や課題について解説します。また最近のセルロース複合材料ならではのトピックとして、加飾への応用事例を紹介いたします。
 プラスチックなどにセルロース材料を利用するためのポイントを網羅的に把握し、広く社会に普及させるための課題点などを理解できる。特に構造材料、発泡材料、ゴム材料への適用事例を知ることができる。

  1. 星光PMCのセルロース複合材料STARCELについて
    1. 京都プロセス法 (CNF強化プラスチック一貫製造法)
  2. 応用事例
    1. 構造材料 (弾性率と耐衝撃性とのバランスに優れたSTARCEL HCシリーズ)
    2. 発泡材料
      • 加圧発泡
      • コアバック射出発泡
    3. ゴム材料
      • 加硫処方への影響
      • ゴム物性
  3. 加飾への応用
    1. 加飾技術とは
    2. CNFの解繊度と表面特性
    3. 塗装性への影響
    • 質疑応答

第2部 バイオマス由来リグニンとその修飾によるエポキシ樹脂製造

(2023年5月12日 13:00〜14:30)

 現在、石油由来代替品が望まれているプラスチックについて、環境問題の提起から始め、バイオプラスチックとは何かという概念を確認した後、熱硬化性プラスチックであるエポキシ樹脂をバイオマスから製造する方法とその機械的熱的特性を高めるための化学修飾方法について検討した研究結果を考察し、今後の課題に触れる。

  1. 環境問題の変遷と生物との関わり
    1. 地球環境問題と思考の変遷
    2. 環境の変化と生物との関わり
    3. 環境と遺伝子
  2. プラスチックについて
    1. プラスチックとは
    2. バイオプラスチックとは
  3. セルロース系バイオマス由来リグニンを用いたエポキシ樹脂
    1. セルロース系バイオマスとは
    2. バイオマス由来リグニンを用いたエポキシ樹脂製造
    3. リグニン化学修飾による特性評価
    4. バイオマス由来リグニン利用によるエポキシ樹脂の特性評価
    • 質疑応答

第3部 バイオマス複合プラと発展形 – 海洋生分解性バイオマス複合プラスチック

(2023年5月12日 14:45〜15:45)

 プラスチック産業においては、樹脂の機械性能や価格しか価値基準がなかったが、今やもう一つ「環境性能」が加わり、3R+1のほかに地球環境を汚染しないという新たな機能が求められている。

  1. 世界の環境課題への取組み
    1. SDGs
    2. 温室効果ガス 海洋プラごみ
  2. バイオマスプラスチックとは
    1. バイオマス由来プラスチック
    2. 生分解性プラスチック
    3. バイオマス複合プラスチック
  3. アイ-コンポロジーがやっていること
    1. i-WPC … バイオマス複合材料
    2. Biofade … 海洋生分解性バイオマス材料
    3. Biofadeによる「海洋環境プラ資材」の成形法・試作例
    • 質疑応答

第4部 バイオマスプラスチックの作り方/バイオマスフィラー、樹脂、コンパウンドプロセスとその条件、必要な設備

(2023年5月12日 16:00〜17:00)

 レジ袋有料化が叫ばれて、全国のスーパーやコンビニなどの小売店でプラスチック製の買い物袋が配布されるようになりました。ただし、プラスチック製でも植物由来のバイオマス素材が25%以上配合されている袋や、海洋生分解プラスチックの袋は対象外で、今後も無料で配布することができます。しかし、実際には3-5円/1枚有料となっています。徐々にバイオマス素材が使われなくなっている状況です。
 バイオマス素材が、プラスチックの重量の25%以上を占めるものについては、地球温暖化対策に寄与することから、省令に基づく有料化の対象外とされました。ところがその後、国連環境計画 (UNEP) は、各種のレジ袋の生産から廃棄後までの環境影響に関し、海外の7件の研究結果を分析した結果、環境中で分解されやすい「バイオマスプラスチック (生分解性プラスチック) 」は、ごみ発生は使い捨てプラスチックより小さいものの、焼却による温暖化や海洋酸性化への影響、含まれる化学物質による汚染などを考慮すると「最悪の選択肢である可能性が高い」と否定的見方を示した報告書を公表しました。そのため、欧州では生分解性樹脂製品ではなく、バイオマスプラスチック樹脂製品が見直され、使用が拡大していると聞きます。
 そこで今回は、「バイオマスプラスチック」、売れるバイオマスプラスチックの作り方についてご紹介したいと思います。

  1. バイオマスフィラー種類と特徴
    1. バイオマスフィラーは天然物である。
    2. 粒度分布管理、水分管理が重要
    3. 不純物をどうするか?
  2. ポリオレフィン樹脂など樹脂選択のポイント
  3. コンパウンド方法;KnowHowの塊
  4. コンパウンド条件;甘くない
    1. バイオマスフィラーは熱分解する
    2. いかに混練向上を狙いつつ、加熱防止が重要
    3. 水分除去が、ポイント
  5. コンパウンド設備;選択が重要
    1. 大部分のコンパウンド設備はポリオレフィン用に設計されている。
    2. そのまま、バイオマスフィラーには使えない。
  6. バイオマスプラスチックに求められる性能
    1. 既存樹脂代替狙いは失敗する。
    2. 汎用樹脂、PP、PEは素晴らしい樹脂である。
  7. バイオマスプラスチックの問題点
  8. 生分解性樹脂との違いは、差別化をどうするか
  9. 日本国政府の動向
    • 質疑応答

講師

  • 黒木 大輔
    星光PMC株式会社 CNF事業推進部
    課長
  • 淺田 元子
    徳島大学 社会産業理工学研究部 生物資源産業学域応用生命
    教授
  • 三宅 仁
    アイ-コンポロジー株式会社
    代表取締役
  • 山本 登
    戸出化成 株式会社
    顧問

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/20 二軸押出機における樹脂流動解析の基礎と AI/IoT 活用展開 東京都 会場
2024/12/23 高分子延伸による分子配向・結晶化制御技術 東京都 会場
2024/12/23 プラスチックリサイクル技術の現状・課題・最新動向 オンライン
2024/12/23 熱可塑性エポキシ樹脂の基礎と応用 オンライン
2024/12/24 ポリマーナノコンポジットの基礎と電気絶縁特性・熱伝導性の向上 オンライン
2024/12/24 プラスチックフィルムの種類、添加剤、 製膜、応用、評価 オンライン
2024/12/24 自動車リサイクルの日本および世界の現状と今後のリサイクル戦略 オンライン
2024/12/25 プラスチック廃棄、海洋汚染防止、再生プラスチック、PFAS問題に関する国内外規格規制の動向と対応 オンライン
2024/12/25 加工の基礎と機械加工技術 オンライン
2024/12/25 フィルムの延伸・分子配向の基礎、過程現象の解明と構造形成、物性発現、評価方法 オンライン
2024/12/26 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/27 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2025/1/8 高分子・ポリマー材料の合成、重合反応の基礎、プロセスと工業化・実用化の総合知識 オンライン
2025/1/10 ゴム材料のトライボロジー入門 オンライン
2025/1/10 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/15 高分子重合反応の基礎とモノマー・開始剤の選定、プロセス最適化 オンライン
2025/1/15 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン