技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

二酸化炭素回収技術の開発動向と展望

二酸化炭素回収技術の開発動向と展望

~ネガティブエミッション技術動向、分離膜による回収技術とプロセス計算手法~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年10月7日(金) 10時30分 16時10分

受講対象者

  • CO2回収技術に関心のある方
  • CO2回収・利用 (CCU) および関連分野の技術者・研究者

修得知識

  • プロセスの物質収支とエネルギー収支の計算原理
  • CO2分離プロセスに含まれる圧縮動力や液の加熱などの計算
  • コスト計算方法の基礎
  • CO2分離回収コストの概算見積もり手法

プログラム

第1部 ネガティブエミッション技術の動向と今後の展望

(2022年10月7日 10:30〜12:00)

 カーボンニュートラルな社会を実現する上で、大気中からCO2を取り除く技術、つまりネガティブエミッション技術がどうしても必用となる。
 このセミナーでは、ネガティブエミッション技術が必用となる科学的な背景、その方法や必要な規模と時期について、これまでの研究による知見を紹介する。また、変化が激しい世界的な技術開発動向、市場開拓に向けた動き、実施における課題についても検討する。

  1. 地球規模の炭素循環への人為的な撹乱および気候変動
    1. 人為CO2排出と地球規模の炭素収支
    2. 大気中CO2濃度と気候変化
  2. パリ協定の長期目標と炭素管理の必要性
    1. パリ協定の長期目標
    2. Remaining carbon budget (残余カーボンバジェット) と社会経済シナリオ
    3. IPCC AR6 WG3 での社会経済シナリオにおけるネガティブエミッション
    4. ネット・ゼロ排出のエネルギーシステム
    5. ネット・ゼロシナリオ分析
  3. ネガティブエミッション技術詳細とポートフォリオ
    1. 大気中のCO2を除去・隔離する技術
    2. ネガティブエミッション技術の炭素フロー
    3. ネガティブエミッション技術のポテンシャル・影響・制約
    4. ネガティブエミッション技術の研究開発動向
  4. 政策支援、炭素市場、ガバナンスの動向
    1. ネガティブエミッション技術の必要性と政策提案
    2. 各国研究予算の動向
    3. スタートアップ動向と政策支援
    4. 企業活動における炭素市場への期待
  5. まとめ
    • 質疑応答

第2部 大気中から直接CO2回収を可能とする分離ナノ膜の開発

(2022年10月7日 13:00〜14:30)

 地球温暖化対策として、これまで二酸化炭素の排出・削減に関する取り組みがなされてきました。特に火力発電所などの大規模CO2排出源からのCO2回収とその地下貯留 (Carbon Capture and Storage, CCS) は世界中で推進され、欧米をはじめとする海外では社会実装が始まっています。しかしこの排出抑制だけではIPCCの目標である気温上昇1.5度以下を実現するのはもはや不可能であり、大気中に放出されてしまったCO2の回収 (DAC) が必要となっております。
 本セミナーでは、特にこの大気からCO2の直接回収に関する、現在の状況と、技術開発情報についてご紹介いたします。また地球上にどこにでも存在する「大気」という特徴を最大限生かすため、”どこでもCO2回収 (ユビキタスCO2回収) ”は、今後ますます重要な技術として必要になります。そこでこのユビキタスCO2回収に向け、我々が進める分離膜による大気からのCO2回収についても紹介します。

  1. CO2回収技術の動向
  2. 大気からCO2を回収するネガティブエミッション技術の概要
  3. Direct Air Capture技術の動向・課題点
  4. 分離膜によるDAC技術 (m-DAC) の利点と特徴
  5. DAC向け分離膜の開発動向
    • 質疑応答

第3部 CO2分離回収プロセスにおけるエネルギーおよびコスト概算手法

(2022年10月7日 14:40〜16:10)

  1. はじめに
  2. プロセス計算の基礎
    1. プロセスの物質収支
    2. プロセスのエネルギー収支
    3. 化学吸収プロセスの計算例
    4. 膜分離プロセスの計算例
  3. プロセス計算とコスト計算の例
    1. コスト計算の概要
    2. エネルギーコストの計算
    3. 設備コストの計算
    4. 化学吸収プロセスのコスト計算例
    5. 膜分離プロセスのコスト計算例
  4. おわりに
    • 質疑応答

講師

  • 加藤 悦史
    エネルギー総合工学研究所 (IAE) プロジェクト試験研究部 地球環境グループ
    副部長 主管研究員
  • 藤川 茂紀
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 ネガティブエミッションテクノロジー研究センター
    教授 / センター長
  • 小玉 聡
    東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 関口研究室
    助教

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/26 カーボンニュートラル社会を支えるカーボンリサイクル・CCUSの開発動向 東京都 会場・オンライン
2024/4/26 二酸化炭素資源化におけるマテリアル・バイオ技術融合の重要性と微生物による新規バイオ技術の最先端および展望 オンライン
2024/5/7 工業触媒の基礎とスケールアップ技術および触媒劣化対策 オンライン
2024/5/15 「トランジションファイナンス」の魅力とその享受の為のポイント 東京都 会場・オンライン
2024/5/16 化学・材料分野における「LCA」、GHG排出量計算、「Scope3」への対応、(自動車などユーザー企業への) 情報開示、その活用 オンライン
2024/5/16 CO2-メタネーションに関する開発動向と課題・今後の展望まで オンライン
2024/5/17 Excelとシミュレータによる化学プロセス計算入門 オンライン
2024/5/22 出光興産株式会社における苫小牧CCUS構想と今後の課題 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/5/22 CO2-メタネーションに関する開発動向と課題・今後の展望まで オンライン
2024/5/24 金属有機構造体 (MOF) の基礎と機能性薄膜としての可能性 オンライン
2024/5/29 CO2分離回収技術に関連したプロセスおよびコスト計算の基礎と実例 オンライン
2024/5/29 活性炭の特性と最適設計の要点、選定方法と利用 東京都 会場・オンライン
2024/5/29 ガス分離膜の細孔径・ガス透過性評価手法とシリカ系多孔膜によるCO2分離技術 オンライン
2024/5/30 分離工学の基礎と装置設計法 オンライン
2024/5/30 微生物による二酸化炭素固定、カーボンリサイクルの現状と将来展望 オンライン
2024/5/31 二酸化炭素 (CO2) 、二硫化炭素 (CS2) を原料とする高分子材料の合成技術と応用 オンライン
2024/6/3 MOF/PCPを利用したCO2の分離・回収技術 オンライン
2024/6/4 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/6/5 分離工学の基礎と装置設計法 オンライン