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微粒子の分散・凝縮メカニズム、安定化、評価

微粒子の分散・凝縮メカニズム、安定化、評価

オンライン 開催

開催日

  • 2022年9月27日(火) 10時15分 16時45分

受講対象者

  • 粉体・微粒子分散で課題を抱えている方
  • 粉体・微粒子分散に関連する技術者・研究者、品質担当者
    • 医薬品
    • 化学品・化学原料
    • 食品
    • 化粧品
    • 塗料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金
    • セラミックス
    • 肥料 など

プログラム

第1部 微粒子の分散・凝集メカニズムとその考え方

(2022年9月27日 10:15〜12:00)

 微粒子の分散・凝集は粒子間ファンデルワールス引力と粒子周囲の電気二重層間の斥力の大小で決まる。それぞれハマカー定数 (凝集促進因子) およびゼータ電位 (分散促進因子) で表される。これらの因子を用いてDLVO理論に基づき粒子間相互作用のポテンシャル曲線を描くと分散安定性を定量的に評価できる。本講演では2つの因子の評価、DLVO理論およびポテンシャル曲線の描き方を解説する。

  1. はじめに:自然界における2つの原理 (自然の意思)
    1. 確率の大きい状態へ:エントロピー (無秩序さの度合) を増やす
    2. 力に逆らわない:ポテンシャルエネルギー (力に逆らう度合) を下げる
  2. 微粒子集団は凝集する
    1. 分子間ファンデルワールス引力がないと分子集団から微粒子はできない
    2. 微粒子間に斥力がなければ微粒子集団は凝集する
    3. エネルギーと電位の尺度:熱エネルギー
  3. 分子間引力と微粒子間引力
    1. 微粒子間引力は分子間ファンデルワールス引力の総和
    2. 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
    3. 似た者同士は引き合う:疎水性コロイドと親水性コロイド
  4. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:何かの層で粒子表面を覆う
    1. 静電斥力:対イオンの雲で粒子表面を覆う
    2. 高分子による立体相互作用:高分子層で微粒子表面を覆う
  5. 界面電気現象の基礎
    1. 帯電微粒子は裸ではなく電気二重層 (対イオンの雲) で覆われている
    2. ポアソン・ボルツマンの式
    3. 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
  6. 電気泳動移動度の測定値からゼータ電位を計算する式
    1. スモルコフスキーの式:任意の形状の大きな固体粒子
    2. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系
    3. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球または円柱
    4. ゼータ電位が50mV以上では緩和効果 (電気二重層の変形) を考慮
    5. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動
    6. 柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) ではゼータ電位の概念は失われる
  7. 沈降電位、濃厚系および動的電気泳動:CVPとESA
    1. 沈降電位
    2. 濃厚系
    3. 動的電気泳動:CVPとESA
  8. 微粒子間の静電反発エネルギー: DLVO理論
    1. 粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なり
    2. DLVO理論:分散安定性を評価する標準理論
  9. 分散系の安定性の評価:ポテンシャル曲線の作成
    1. 微粒子間全相互作用エネルギーと微粒子分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ
    • 質疑応答

第2部 微粒子の分散安定化と分散剤の選択について

(2022年9月27日 12:45〜14:15)

 塗料などのコーティング剤に機能性粒子を配合することで、高性能化・多機能化が期待されるが、粒子は微粒子に分散するほど不安定になり様々なトラブルを発生しやすい。安定な分散を達成するための分散剤の選定、分散条件の考え方について、トラブル事例を交えて解説する。

  1. 分散安定化の考え方
    1. 溶剤系での分散安定化
    2. 水系での分散安定化
  2. 微粒子の分散モデル
    1. 微粒子にしていくと何が変わるのか
    2. 微粒子化と分散安定性のトラブル事例と対応策
    3. 分散剤としてどのようなものがあるのか
    4. 分散剤の選択方法と配合設計
  3. 過分散について
    1. 分散条件の影響
    2. 分散機の動向
    • 質疑応答

第3部 ビーズミルによる微粒子分散技術

(2022年9月27日 14:30〜15:30)

 スラリー中に存在する微粒子の凝集体を分散するためには分散機が必要である。分散機には様々な種類があるが、ビーズミルは微細化が可能で分散効率のよい装置である。このビーズミルの分散技術について解説する。

  1. 粉砕・分散・乳化について
  2. ビーズミルの用途
  3. 分散機の原理・特徴
  4. ビーズミルの原理・特徴
  5. ビーズミルの運転方法
  6. ビーズミルの粉砕・分散効率に影響を与える因子
  7. 微小ビーズの効果
  8. 投入動力量と粉砕・分散の関係
  9. 過分散とマイルド分散 ®
  10. マイクロビーズ対応型ビーズミル
  11. ビーズミルでの分散例
    • 質疑応答

第4部 ゼータ電位・粒子径測定による微粒子分散系の安定性とその評価

(2022年9月27日 15:45〜16:45)

 溶液中に分散する粒子の分散・安定性の評価は、一般的にゼータ電位や粒子径、粒度分布などがある。特にナノ粒子から数μmの粒子においては、最も簡便な測定法として光散乱電気泳動法、動的光散乱法がある。今回、その手法の測定原理、測定時のノウハウおよびアプリケーションデータを紹介したい。

  1. 光散乱について
  2. ゼータ電位測定の原理
    1. ゼータ電位とは
    2. 原理について
    3. 解析方法について
  3. 粒子径測定の原理
    1. 原理について
    2. 解析方法について
    3. 動的光散乱法の特徴
  4. ゼータ電位、粒子径の測定技術
    1. 測定上の注意点
    2. サンプル調製時のノウハウ
  5. ゼータ電位、粒子径・粒度分布の測定例

講師

  • 大島 広行
    東京理科大学
    名誉教授
  • 郷司 春憲
    郷司技術士事務所
    代表
  • 石井 利博
    アシザワ・ファインテック株式会社 微粒子技術研究所
    主任研究員
  • 稲山 良介
    大塚電子 株式会社 粒子物性開発部 粒子物性西日本分析グループ

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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本セミナーは終了いたしました。

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