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高分子の溶解技術と溶媒選定、相溶性予測

高分子の溶解技術と溶媒選定、相溶性予測

~ポリマー/溶媒の親和性評価 / 溶解操作の条件設定、スケールアップ~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高分子の溶解について取り上げ、溶解度パラメータの基礎、高分子の親和性評価・溶媒探索、相溶性のシミュレーション、撹拌機を用いた高分子溶解について詳解いたします。

開催日

  • 2025年10月20日(月) 10時30分16時15分

修得知識

  • 溶解度パラメータの基礎概念
    • Hildebrand溶媒度パラメータ、Hansen溶解度パラメータの理論とその適用範囲
  • 溶解度パラメータに基づいた高分子の親和性評価・溶媒探索手法と最新の研究トレンド
  • 親和性評価ソフトSoluVisionを使った実践的な高分子・溶媒設計
  • ポリマー・溶媒の相溶性に関する基礎理論
  • ポリマー・溶媒の相溶性のシミュレーション方法
  • 実験データとシミュレーションデータの統合的な活用方法
  • 物理モデルを機械学習モデルに反映させる方法
  • 汎用機械学習ポテンシャルの活用方法
  • 撹拌機を用いた高分子溶解の課題
  • 撹拌機を用いた高分子溶解のポイント

プログラム

第1部 溶解度パラメータで読み解く高分子の溶解性

- 基礎から最新研究事例、SoluVisionを用いた実践まで

(2025年10月20日 10:30〜12:00)

 本講座は、高分子材料の溶解・分散・互溶化を科学的に最適化するための“物差し”としてHansen溶解度パラメータ (HSP) を活用する方法を紹介する。「like dissolves like – - 似たもの同士は良く溶け合う」の理念の元、考案された溶解度パラメータの基礎理論を学んだ後、測定テクニック、実際のポリマー/溶媒設計・分散処方のケーススタディまで網羅し、親和性評価ソフトSoluVisionを用いた実演を行う。経験と勘に頼りがちな溶媒選定やブレンド設計を、数値指標で再現性高く行うワークフローを提示し、受講後すぐに自社テーマへ応用できる実践力を養う。

  1. 溶解度パラメータの基礎
    1. Hildebrand溶解度パラメータ (SP値)
    2. 正則溶液理論と混合の熱力学
    3. Hansen溶解度パラメータ (HSP値)
    4. 「分散・極性・水素結合」相互作用の物理的意味
    5. 溶解性判断基準 (相互作用半径)
    6. 混合溶媒への応用
    7. 溶解度パラメータが関連する物性
      • 濡れ性
      • 表面自由エネルギー
      • 屈折率
      • 誘電率
    8. 溶解度パラメータの適用範囲
  2. 溶解度パラメータの取得と推算テクニック
    1. 実測手法:溶解球法、接触角、IGC、吸光度/濁度法
    2. 推算手法 : 分子グループ寄与法、分子動力学法、機械学習
  3. 高分子の相溶性評価・溶媒選択の実務例と最新研究事例
    1. グリーン溶媒・代替溶媒探索
    2. 難溶性ポリマーの最適溶媒設計 (混合溶媒設計)
    3. フィラー分散、ポリマーアロイ設計
    4. ポリマーリサイクルへの活用
    5. 特許事例解析
  4. 親和性評価ソフト「SoluVision」を使った実演
    • 質疑応答

第2部 実験データと量子化学計算データの深層学習統合解析によるポリマーと溶媒の相溶性予測

(2025年10月20日 13:00〜14:30)

 限られた実験データの情報を最大限に活かすためのシミュレーションデータの活用方法と、既存の物理モデルの知見を機械学習モデルに反映させる方法について具体的な研究事例を用いて紹介する。また、近年発展のめざましい機械学習ポテンシャルを活用する方法についても合わせて紹介する。

  1. ポリマー・溶媒の相溶性に関する理論モデル
    1. Flory-Hugginsモデルとその応用
    2. 関連するモデル (溶解度パラメータなど) について
  2. 実験データと量子化学計算データの統合解析による機械学習予測モデルの構築
    1. ポリマー・溶媒系の相溶性実験データとその限界
    2. シミュレーションによるFlory-Huggins相互作用パラメータの算出法
    3. マルチタスク深層学習モデルによる実験データと量子化学計算データの統合解析
  3. 汎用機械学習ポテンシャルを用いたポリマー・溶媒相溶性の解析
    1. 汎用原子レベルシミュレータ「Matlantis」と汎用機械学習ポテンシャル「PFP」の紹介
    2. 汎用機械学習ポテンシャルを用いた記述子生成と機械学習への応用
    3. 汎用機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションによるポリマー・溶媒の相溶性解析
    • 質疑応答

第3部 撹拌機を用いた高分子の短時間溶解

(2025年10月20日 14:45〜16:15)

 高分子材料は広く使用されているが溶解に時間を要することも多い。高分子溶解について撹拌機の観点から溶解性向上のポイントについて説明します。

  1. 高分子の溶解性のポイント
    1. 高分子とは
    2. 高分子と溶媒の相互作用
    3. 高分子の溶解性
    4. 溶解しやすさとギブスの自由エネルギーの関係
  2. 撹拌機を用いた溶解
    1. 撹拌翼の種類
    2. 撹拌槽内の流れ
    3. 撹拌における邪魔板効果
    4. 高分子溶解の課題
      • 粉体投入による凝集塊 (継粉) の発生
      • タンクや撹拌軸への付着
      • ゲル化、泡立ち
    5. 溶解装置
    6. 溶解条件の設定
    7. 溶解条件による物性変化
      • 粘度/分子量変化
  3. 溶解例と評価
    1. ポリビニルアルコールの溶解
    2. ヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶解
    3. ポリビニルブチラールの溶解
  4. スケールアップ
    • 質疑応答

講師

  • 山村 諒祐
    株式会社Material Doors
    取締役
  • 青木 祐太
    Matlantis株式会社
    アプリケーションサイエンティスト
  • 荒木 加永子
    エム・テクニック株式会社 研究開発グループ
    マネージャー

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
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    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
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  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
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  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
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本セミナーは終了いたしました。

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