技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品の熱分析データの解析、評価

バイオ医薬品の熱分析データの解析、評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、バイオ医薬品における熱分析について取り上げ、測定原理から測定にあたっての注意点、分析によって得られる知見・情報、抗体医薬・核酸医薬・ウイルスベクター・脂質ナノ粒子の評価について解説いたします。

開催日

  • 2022年7月8日(金) 10時30分16時00分

プログラム

第1部 等温滴定熱量計 (ITC) によるバイオ医薬品の分子間結合の親和性、特異性の評価

(2022年7月8日 10:30〜12:45)

 等温滴定型熱量計 (ITC) は、分子間結合時に生じる熱量を直接測定することにより、分子間結合の結合比、結合定数、結合時のギブス自由エネルギー変化、エンタルピー変化、エントロピー変化の全てをただ1回の測定で決定でき、分子間結合の仕組みを解明できる有用な装置である。他の装置で解析することが困難である、分子間結合の結合比や、低分子量の分子の結合時の上記のパラメーターなどを、正確に簡便に決定できることが特徴である。
 本講演では、ITCの測定原理、測定にあたっての注意点、バイオ医薬品 (抗体医薬品、核酸医薬品) 関連分子 (抗体、核酸、核酸結合蛋白質など) の分子間結合に適用した実例などを解説する。

  1. 等温滴定型熱量計 (ITC) とは
    1. ITC測定による解析でわかること
    2. ITC装置の構造と測定原理
    3. ITC測定に用いるサンプルの調製方法と測定までの手順
    4. ITC測定時にITC装置に設定するパラメータ
    5. ITC測定で得られる典型的なプロファイル
  2. ITC測定にあたっての注意点
    1. ITC測定に必要な分子間結合の理論式
    2. ITC測定で得られる結合定数の信頼度を決めるc値
    3. c値の最適範囲
    4. c値が最適範囲より大きい場合の対処方法 (Displacement ITC)
    5. ITC測定に必須である希釈熱の測定
    6. ITC測定に最適である緩衝液の選択
    7. ITC測定でしか正確に得られない結合比
  3. バイオ医薬品 (抗体医薬品、核酸医薬品) 関連分子の分子間結合に適用した実例
    1. 抗体に関連したITC測定の実例
    2. 核酸に関連したITC測定の実例
    3. 核酸結合タンパク質に関連したITC測定の実例
  4. ITC測定に関連した諸事項
    1. ITC測定データのデータベース
    2. ITC測定の基本を学ぶための書籍
    3. ITC装置を販売している会社の担当者と連絡先、講演者の連絡先
    • 質疑応答

第2部 バイオ医薬品開発における示差走査熱量計 (DSC) の活用

(2022年7月8日 13:45〜16:00)

 生体分子の熱安定性評価のスタンダードである示差走査型熱量測定 (DSC) はバイオ医薬品の開発や製造の現場で、コンストラクト選択、精製および製造条件の最適化、生物学的類似性 (バイオシミラー) およびバッチ間の同等性評価などで用いられています。Covid-19関連では、ウイルスベクターや脂質ナノ粒子なども評価されています。
 本講演では、DSCの原理と得られる知見と共に、具体的なアプリケーション事例について紹介する。

  1. DSCの基本情報
    1. DSCとは?
    2. DSCで何か分かるのか?
    3. 熱安定性評価システムとしての特徴
  2. DSCの測定原理と得られる情報
    1. DSCの原理とシステム概要
    2. サーモグラムから得られるパラメータ
    3. 各パラメータから得られる情報
    4. アプリケーション概要
    5. DSCの情報が創薬開発にもたらすメリットとは?
  3. アプリケーション事例1 抗体医薬品開発
    1. 候補選択
    2. プロセス検討
    3. 凝集予測
    4. 品質管理
  4. アプリケーション事例2 その他のモダリティ
    1. 核酸・アプタマー
    2. リポソーム (LNP)
    3. ウィルス・ウィルス様粒子 (VLP) ・アデノ随伴ウイルスベクター (AAV)
    4. 血漿 (クルードサンプル)
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 鳥越 秀峰
    東京理科大学 理学部 応用化学科
    教授
  • 廣瀬 雅子
    スペクトリス株式会社 マルバーン・パナリティカル事業部
    プロダクトスペシャリスト

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/8/18 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMSの効果的かつ効率的運用 オンライン
2025/8/18 GVP実践講座 オンライン
2025/8/18 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/8/18 国内外の査察対応にむけた製造設備の適格性評価及びメンテナンスに関する文書化対策 オンライン
2025/8/19 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/8/19 海外製造所に対して実施する監査のためのGMP英語表現 入門講座 オンライン
2025/8/20 開発・薬事担当者のためのeCTD v4.0適応にむけた重要ポイントと見直し事項 オンライン
2025/8/21 安定性試験のための統計解析 オンライン
2025/8/21 薬事申請をふまえたICH Q5A (R2) ウイルス安全性評価 / 次世代シーケンシング (NGS) 導入の考え方とVirus Filtrationのポイント オンライン
2025/8/21 開発段階に応じた治験薬GMP管理を何をいつ準備し、どのような管理をするかの効果的運用方法 オンライン
2025/8/21 コンピュータ化システムバリデーションの効率的な実施法 オンライン
2025/8/25 変更・逸脱管理とOOS/OOT及び一変・軽微変更の判断基準とCAPA実践手順 オンライン
2025/8/25 医薬品の特性を踏まえた外観目視検査基準の設定と検査結果の妥当性評価および検査員の育成・認定 オンライン
2025/8/25 低分子・高分子の高活性物質を扱う共用設備での洗浄評価基準と洗浄管理の留意点 オンライン
2025/8/25 ICH-GCP (R3) のeTMFマネジメントへの影響とeTMFシステムのセキュリティ オンライン
2025/8/26 GMP適合機器・設備のための設計・バリデーション・保全とクラウドを含むCSV・DI対応・実践 (全3コース) オンライン
2025/8/26 海外CTD-M3を活用した承認申請時の「規格及び試験方法」の簡略記載の注意点 東京都 会場・オンライン
2025/8/26 基礎から学ぶクラウド利用におけるCSV実務 / SaaSのバリデーションとIaaS/PaaSクラウド基盤の適格性評価 オンライン
2025/8/27 CSV/DI対応を踏まえた医薬品GMP分野におけるITシステム (MES/LIMS/CDS等) 構築の要点 オンライン
2025/8/27 意思決定にむけたターゲットプロダクトプロファイルの設定 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法 (製本版 + ebook版)
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術