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研究開発 (R&D) テーマ創出・評価 2日間講座

研究開発 (R&D) テーマ創出・評価 2日間講座

オンライン 開催

開催日

  • 2021年11月24日(水) 10時30分 16時30分
  • 2021年11月25日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 研究開発部門、研究開発企画、技術企画、 商品企画、経営企画などの部門の方
  • テーマ創出において、自社技術活用をお考えの方
  • 製品アイデア創出法に、ご関心のある方
  • コア技術戦略の策定を検討されている方 など
  • 研究開発戦略の策定に関与されている方
  • 研究開発ポートフォリオに関心を持たれている方
  • 研究開発のマネジメントを俯瞰的に見たいと考えている方 など

修得知識

  • 技術の棚卸とコア技術の設定法
  • 技術機能展開法を使ったテーマ創出活動の全体体系
  • テーマ創出の実際の活動
  • 代表的研究開発テーマ評価法とその長所・短所
  • 良い研究開発テーマ評価システムの要件
  • 研究開発テーマの評価の全体体系
  • 全体評価体系としてのステージゲート・プロセス

プログラム

2021年11月24日「組織力で継続的に革新的R&Dテーマを創出する体系的仕組みの構築」

 今、新興国の企業は日本企業の経営や技術を徹底して研究し、既に多くの分野で日本企業を凌駕する状況が生まれています。日本企業がこのようなますます厳しくなる新興国の企業との競争に勝つためには、研究開発においても同じ土俵で研究開発を競うのではなく、これら新興国企業に先んじて革新的なテーマを継続的に創出し、取り組むことが極めて重要になってきています。
 しかし、革新的なテーマを継続的に創出するためには、多くの企業がこれまで行ってきたような、取引先からの依頼への 対応や研究者個人に依存したテーマ選択、小手先のアイデア発想法だけでは不十分です。また、他社が取り組んでいないテーマには、本当にそのようなニーズがあるのか、また研究開発が成功するかには、それまでの取引先ニーズへの対応や競合企業追従に比べて、はるかに大きな不確実性が存在します。
 多くの不確実性の存在を含めこのような問題に対処するために、今、テーマ創出に求められているのは、数多くのテーマを継続的に創出し、その後の活動の中で玉のテーマと石のテーマを見極め (不確実性が高い環境でテーマを選んでいるので、結果的には必然的に石が多くなる) 、石を捨て、玉に集中していくことです。このマネジメントを行うための前提として、数多くのテーマを創出することが必須であり、そのためには体系的・組織的な仕組みが必要です。既に先進的な企業においては、このような取り組みが行われています。
 本セミナーではこの『体系的・組織的仕組み』に焦点を当て議論を行います。また、実際の企業の事例をあげながら議論を進めていきます。

  1. なぜ革新的テーマの創出が必要なのか?
    1. 21世紀の産業界の現実:アジアの新興国の台頭
    2. 日本企業が行く道:革新的テーマの追求
      • 他社と同じテーマではNo.1になれる確率は低い
    3. 日本企業のテーマ創出上の問題点
      • 品質での差別化戦略の限界
      • テーマ創出の仕組みの軽視
      • ”Garbage in, garbage out.”
    4. 研究開発テーマ創出の改革の2つの方向性 (テーマ創出への経営資源シフトと体系的仕組みの構築)
  2. 革新的アイデアを継続的に創出するメカニズム
    1. 大きな枠組みの必要性
    2. 3つの原料のスパークによる革新的アイデアの創出
    3. スパークための4つの要件
    4. 具体的体系的取組事例 (東レ等)
  3. 顧客価値の提供機会を見つける視点
    1. 顧客はQCDだけに価値を見出す訳ではない:顧客価値拡大モデル (VACES)
      • Value:顧客の製品の提供価値向上 (日本触媒の例)
      • Anxiety:顧客の懸念・面倒の払拭 (日東電工の例)
      • Cost:顧客の全体コストの低減 (東洋電機の例)
      • Empowerment:顧客社員の作業環境・能力の向上 (コマツ・日本ペイントの例)
      • Society:顧客の社会的価値向上 (ESG投資の例)
  4. 革新的テーマ創出に向けてのスパークのための3つの原料
    1. 「市場の知識」の強化
      1. 市場・顧客を多面的に理解する3軸 (TADモデル)
        • 時間軸の一例:ライトハウスカスタマーの利用 (島津製作所の例)
        • 分野軸の一例:顧客の製品ライフサイクル全体に目を向ける (日本テトラパックの例)
        • 深度軸の一例:研究者が市場との直接の接点を持つ (NEC・IBMワトソン研究所の例)
    2. 「技術の知識」の強化
      1. スパークに必要な技術知識 (自社技術・周辺技術の知識蓄積・拡大と自社にない技術の吸収)
      2. 技術知識蓄積・拡大モデル (BIRDSモデル)
        • 発信 (Broadcast) 、収集 (Intake) 、研究開発活動 (R&D) 、共有化 (Share)
        • 具体事例 (3M、村田製作所等)
      3. 自社にない世の中の技術の吸収法
        • なぜ自社にない世の中の技術の吸収なのか?
        • オープンイノベーションの実行
        • 組織的なT型・Π型研究者の実現
    3. 「自社の強み」の利用
      1. スパークモデルにおける自社の強みの重要性
      2. 自社の強みの特徴:自社の強みは見えないもの
      3. 自社の強みのありか
      4. 自社の強みとは
      5. 技術の強み
        • 3Mのプラットフォーム技術
        • 富士フイルムの12のコア技術
        • 東レの要素技術
      6. コア技術の3つの選定軸
      7. 技術以外の強みの抽出法:VRIO分析
      8. 強み発想の注意点 (今弱くても将来強くすべき強みを「強み」とする)
      9. コア技術の設定プロセス (参考)
  5. スパークを起こし革新的テーマを創出するための4つの要件
    1. 革新的テーマ創出のための環境の用意
      1. 業務の緊急度と重要度マトリクスからの示唆 (日立の元会長の川村氏の言葉)
      2. 革新的テーマとはの明確化と共有
      3. スラックリソースの提供 (3M、グーグル、東レ等)
      4. テーマ創出のための時間を設定・強制
      5. 筋の悪いテーマを冷静に中止する
      6. 定期的アイデア創出ノルマを課す (小林製薬等)
      7. アイデア発表会の開催
      8. 研究者による社会との共感の実現 (ユーグレナ等)
    2. 多様性の追求
      1. なぜ多様性が重要なのか? (3Mの例)
      2. 日本企業の現状:発想思考の弱さ (サム・スターン)
      3. 多様性の3つの視点 (SMPモデル)
        • 情報・アイデア源を多様化 (Sources)
        • 発想メンバーを多様化 (Members)
        • 一人一人の発想を多様化 (Perspectives)
      4. 具体的事例
        • 富士フイルム
        • 日本GE
        • 日立
        • ホールマーク
        • サムスン 等
    3. テーマ創出に向けて情報・知識を『圧縮』
      1. テーマ創出に向けて情報・知識を『圧縮』するとは
      2. テーマ創出に向けての9つのタスク
        • 発散と収束を繰り返す
        • VACESの視点で視野を徹底して広くする
        • 効果的なブレーンストーミング法 (連想を引き出す)
        • 強制発想法
        • 隣接可能性の活用
        • 自社の適合度より市場魅力度を重視する
        • 情報が無い中で評価する有効な方法
        • 市場との対話でテーマが進化
    4. 組織・構成員の意欲による『点火』
      1. 『点火』の必要性
      2. 『点火』とは
      3. 『点火』の3つの要件
        • 追い込む (ホンダ、3Mの例)
        • 失敗の許容・奨励 (日東電工、米国海兵隊、ゼロ戦の成功例)
        • 非金銭的報酬を与える (3Mの例)
  6. 最後に
    • 質疑応答

2021年11月25日「研究企画が知っておかなければならないR&Dテーマ評価の基礎知識」

 企業の研究開発活動は、社内で「相当の経営資源を使いながら、期待された成果を出していない」と非難され、残念ながら現実にもそうであることは多いものです。この問題の根源的・共通的な原因に、テーマの評価・選択が適正に行われていないことがあります。多くの企業においてテーマの評価・選択は、担当する研究者の熱意の強さや評価する上司の属人的な思いや価値観で決められています。しかし、このような偏った視点に基づく評価は大変危険です。そこには正しい評価の仕組みが必要です。
 本セミナーにおいては、『木』 (個別評価法) と『森』 (全体評価体系) の両方学んでいただきます。最初に『木』の議論として、代表的な研究開発テーマの評価法について、いくつかの演習を含め、学んでいただきます。この中には、代表的な財務指標での評価法であるディスカウント・キャッシュフロー法の明確な分かり易い説明を含みます。後半では『森』の議論として、これらの研究開発テーマ評価方法を、ステージゲート・プロセスを中核のフレームワークとして、どう全体の研究開発テーマ 評価体系の中に組み込んでいくかを、それぞれの評価法の特徴とメリット・デメリットを踏まえた上で議論をしていきます。
 したがって、本セミナーは個別の評価法を学ぶだけではなく、今後皆様が企業に戻り全体の研究開発テーマの評価体系を考える上で大変役立つ知識を習得していただきます。

  1. 研究開発テーマ・マネジメントを取り巻く環境
    1. 21世紀の日本企業が置かれている現実
      • アジアの新興国企業の追撃 (化粧品、航空機の事例) と彼らの戦略「日本に学び、日本を抜く」
      • アジアの新興国企業の脅威:「Low Hanging Fruit (低い所にぶら下がっているおいしい果実) 」
      • アジアの新興国企業の更なる脅威:「High Hanging Fruitでも台頭」
      • 革新的なテーマの創出・評価の必要性
    2. 日本企業の研究開発マネジメントの現状
      • 研究開発テーマを創出・評価する仕組みに目が向けられてこなかった
      • 対象テーマは顧客、業界や競合が提示してくれた
      • 革新的テーマ (High hanging fruit) について革新的テーマは不確実性高く、そもそも評価できないというあきらめ
      • そのため、熱意を過度に重視
      • 「Garbage in, Garbage out. (どんなに研究開発者が強い熱意をもっていても、テーマが悪ければ悪い成果しか生まれない) 」
    3. 日本企業の研究開発テーマ・マネジメントに必要なこと
  2. 日本企業の研究開発テーマの適性の見極めのマネジメントの3つの代表的問題
    1. 評価者の属人的な評価尺度 (化学会社の例)
    2. 研究者の熱意を過度に重視する (無線機器メーカー・食品メーカーの例)
    3. 不確実性を軽視した評価 (オフィス機器メーカーの例)
  3. 『木』の議論:様々な研究開発テーマ評価法:具体的内容、特徴、良い点・悪い点 <非財務法>
    1. 直感法 (スティーブ・ジョブズ、井深大、シャープの例)
    2. 対話法 (化学会社の例)
    3. スコア法
      1. BMO (Bruce Merrifield & Ohe) 法
      2. リスク – リターン法
      3. STAR (Strategic Technology Assessment Review) 法
      4. 演習1:スコア法演習 (「AテーマーBテーマ、どちらのテーマを選ぶべきか?」)
    4. ディスカウント・キャッシュフロー法 <財務法>
      1. NPV (正味現在価値) 法
      2. IRR (内部収益率) 法
      3. 演習1~5 (NPV・IRRの算定と意思決定) ディスカウント・キャッシュフロー法を使う上での注意点・前提
    5. 回収期間法
    6. ECV (期待経済価値) 法 (演習6)
  4. 『森』の議論 (1) :良い研究開発テーマ評価システムの要件
    1. 個別の研究開発テーマ評価法の限界:「一つの評価法では、正しい評価はできない!」
    2. 研究開発テーマ評価の基本フレームワーク:不確実性・複雑性を所与とした評価システム
    3. 良い研究開発テーマ評価システムの要件
      1. 不確実性・複雑性に対処しながらも分かり易い評価体系
      2. 評価者・担当者の間で納得感・信頼感がある
      3. 事業・製品で成功するための重要なポイントをきっちりおさえている
      4. 革新的なテーマを正しく判断し意思決定ができる:多数決は機能しない
  5. 『森』の議論 (2) :全体評価体系としてのステージゲート・プロセス
    1. ステージゲート・プロセスとは?
      • 良い研究開発テーマ評価システムの要件に対処したプロセス
      • ステージゲート・プロセスは方法論ではない
      • 皆さんの会社のプロセスを含め、全てのプロセスは、そもそもゲートとステージのあるプロセスになっている!
    2. ステージゲート・プロセスの11の工夫
    3. ゲートでの評価体系・評価項目例
    4. ゲートでの正しい意思決定法
  6. 最後に
    • 質疑応答

主催

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