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生分解性プラスチックの基礎・最新動向と繊維・不織布への応用展開

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生分解性プラスチックの基礎・最新動向と繊維・不織布への応用展開

~新規製品事業創出最前線~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、生分解性プラスチックを中心とした材料開発の動向、展望と狙いどころを解説いたします。

開催日

  • 2020年12月14日(月) 10時30分 16時30分

プログラム

 コロナ禍と海洋プラスチック汚染問題が深刻化する中、生分解性プラスチック、とりわけポリ乳酸 (PLA) の存在感が日増しに向上しつつある。
PLA繊維は単なる植物由来の生分解性繊維ではなく、一切の添加剤なしで既存の天然・合成繊維にはない安全・衛生性、抗菌・防黴性、防炎性、吸・放湿性、耐候性、圧電性等のポリ乳酸繊維固有の卓越した高機能性を有する類い稀なる“スマート・ファイバー” である。 昨今のコロナ禍やレジ袋禁止令の中で、マスクやマイバッグ (エコバッグ) 素材として一躍注目を浴びている。
 今や合成繊維・不織布は量で勝負する高度成長期のトップダウン型消耗戦の時代は終了した。 21世紀の成熟社会においては消費者の多様な潜在的ニーズをいち早く探り当てる機動戦の時代へと突入しつつある。 折しも、日本の古都京都の中小企業から10年余の雌伏期間を経て、今や世界市場を席巻する画期的な新製品、ポリ乳酸繊維製ティバッグが誕生した。
 旧来の既成概念や価値観を根底から覆す真のイノベーションは顧客の目先のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。
 本講は旧来の既成概念や価値観の呪縛から解放され、スマート・ファイバーとしてのポリ乳酸繊維・不織布の新規製品事業の最前線を踏査する。

  1. イノベーション (Innovation) とは? – イノベーションが渇望される今こそ、多くの日本人の誤解を覚醒する!
    1. J.A.シュンペーターによる「新結合」の概念提唱:「経済発展の理論」 (1912)
    2. 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
    3. シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは、顧客のニーズに基づくのではなく顧客にないニーズを創発することである!
    4. 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは?
    5. イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をブレイク・スルーするには!?
    6. C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
      • なぜ優良企業が、優れた経営が失敗するのか?
    7. 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか?
      • WhyやWhatを語らないHow to病の日本!
    8. 「PDCAサイクル」の進化形、機動戦を勝ち抜くためのOODAループとは?
  2. 生分解性プラスチックの本格的実用化時代の到来 – 繊維・不織布素材におけるグリーン・イノベーション
    1. 地球環境保全と持続的な資源循環型社会の建設
      1. 海洋プラスチック汚染問題とその解決策としての生分解性プラスチック
      2. 海洋プラスチック汚染の実態
      3. 海洋プラ濃度の経年変化曲線
        • 非生分解性プラと生分解性プラの比較
      4. ポリ乳酸の海水中での分解挙動
      5. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
      6. 自然生態系が許容し得る生分解速度 (ポジティブ・コントロール) とは?
      7. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
        • グリーンプラとバイオマスプラ
      8. カーボンフットプリント (CFP)
        • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
      9. 欧米グリーンガイド指針
        • biodegradableではなくcompostable (堆肥化可能)
      10. 欧州の法規制動向
        • 使い捨てプラ容器の使用禁止新法の制定 (2020, 仏) 他
    2. 生分解性プラスチックの分類と基本特性
      1. ポリ乳酸 (PLA)
        • 高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA) /第二世代PLA
      2. ポリブチレンアジペート。テレフタレート (PBAT)
      3. ポリブチレンサクシネート (PBS)
      4. その他 (微生物産生ポリエステル、デンプン系)
  3. スマート・ファイバーとしての高機能性ポリ乳酸 (PLA) 繊維・不織布 – その潜在的可能性と新規製品事業の創出最前線
    1. PLA繊維・不織布
      • テラマック (TERRAMAC) R /ユニチカ
      1. 繊維
        • モノフィラメント
        • 長繊維
        • 短繊維
        • ショートカット
        • 芯鞘複合繊維
        • サイド・バイ・サイド複合繊維
      2. 不織布
        • スパンボンド
        • メルトブローン
        • サーマルボンド
        • 湿式
        • 乾式
        • スパンレース
        • ニーパン
    2. PLA繊維の糸質特性
      • PET繊維との比較
    3. スマート・ファイバーとしての基本的要件
      1. 植物由来の完全生分解性合成繊維: 自然から生まれ自然に還る
        1. 環境低負荷
        2. 耐久性と生分解性の両立
        3. 再資源化 (堆肥化) 可能
      2. 一切の添加剤や後加工を必要としない素材固有の多彩な高機能性
    4. PLA繊維・不織布の高機能性認証基準
      1. 生分解性
        • ISO 14855 (JIS K6395)
        • ISO14985 (JIS K6398)
      2. 堆肥化可能性
        • EN13432 by Din Certco
        • ASTM D6400 by BPI
      3. 安全・衛生性 (食品衛生性)
        • 食品衛生法370号
        • ポリオレフィン等衛生協議会
        • FCN
        • EU
      4. 抗菌・防カビ性
        • 抗菌防臭加工新基準/繊維製品新機能性評価協議会
      5. 防炎性
        • LOI値、JIS K7201/日本防炎協会
      6. 吸・放湿性
        • 水滴落下法 (湿潤⇒乾燥速度の観察)
      7. 耐候 (光) 性
        • Sunshine Weather Meter
        • フェードメータ
        • 屋外暴露試験
      8. 圧電性
        • 圧力を加えた時に発生する電気エネルギーの計測
    5. PLA繊維・不織布固有の高機能性と期待される用途・製品分野
      1. 生分解性
        1. 土中・水中での生分解性⇒使用後分解消滅、自然生態系の復元
          • 農林・土木・園芸・水産用資材
        2. 堆肥化可能性
          • 食品並びに廃棄物用フィルター⇒生ごみと共に堆肥化
        3. 生体内分解吸収性⇒治癒後分解消滅
          • 医療用具 (縫合糸や骨折固定用ボルト)
      2. 安全・衛生性⇒食品衛生性、安全性
        • 食品包装材や生活衛生品
        • 衣類
      3. 抗菌・防カビ性⇒衛生性・快適性
        • マスク
        • タオル
        • ワイパー
        • フィルター
      4. 防炎性⇒火災時の延焼と発生ガスの抑制
        • インテリア
        • 寝具
        • 詰め綿
      5. 吸・放湿性
        • 肌着
        • インナー⇒衣服内環境ムレ防止
        • 壁紙
        • 室内環境結露防止
      6. 耐候性
        • 農林・園芸・土木・水産資材⇒屋外環境下劣化防止
        • カーテン
      7. 圧電性⇒動きを生地でデータ化
        • 圧電ファブリック
        • ウエアラブル・センサー
    6. 代表的な製品事業化例
      1. エコバッグ
        • クナプラス (kna plus) R/クナプラス
      2. 浴用タオル
        • 泡立ちマシュマロ/原田織物ほか
      3. ティバッグ・フィルター
        • ソイロン (SOILON) R/山中産業
      4. ヘッドレストカバー、ワイパー
        • JR東日本
        • ボーデンほか
      5. 土木用シート
        • チカミミルテック、ユニチカほか
      6. シェールガス採掘用目止め材
        • 米国
      7. 3Dプリンター用モノフィラメント
        • ユニチカ
      8. ウエアラブル・センサー (圧電組紐)
        • 関西大・帝人
  4. 質疑応答

講師

主催

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  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
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