技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

厄介な分散系を手懐けるコツ

厄介な分散系を手懐けるコツ

~濃厚/非水/多成分系における微粒子/ナノ粒子の分散・凝集制御~
京都府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、「濃厚系」「非水系」「多成分系」の分散の諸問題の解決のために表面自由エネルギー、SP値・HSP値に基づくぬれ・分散化の考え方、静電反発力および立体反発力による安定化理論をどのように適用すれば問題を解決できるか、基礎から分かりやすく説明いたします。

開催日

  • 2020年8月6日(木) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 溶解度パラメータ/表面エネルギー/酸塩基度の新しい測定法
  • 溶媒/樹脂による粒子表面のぬれ性の考え方と評価例
  • ナノ粒子/濃厚系に適したポリマーブラシによる立体反発安定化作用
  • 分散剤/チキソ剤の最適選択および表面修飾とその評価例

プログラム

 微粒子/ナノ粒子分散系は、もともと取り扱いの厄介な分散系ですが、中でも濃厚/非水/多成分系は、それぞれ特有の諸問題を抱えていますから、分散 (ぬれ) ・安定化だけをとっても一筋縄ではいきません。たとえば濃厚系では、隣接粒子群の多体効果のため静電安定化は難しく、その傾向は非水系でより著しくなります。また非水系におけるぬれ性や分散剤の溶解性・吸着性、および多成分系における粒子のヘテロ凝集性・充填特性や樹脂の相分離性・フィラー局在性も課題として挙げられます。
 このような多くの課題に対処するためには、溶媒、粒子表面および分散剤/樹脂の諸特性の中でも、溶解度パラメータ (SP値・HSP値) を中心に、その兄弟分に当たる表面エネルギーや酸塩基度などの活用が欠かせません。そのうえで、最近のポリマーブラシによる分散 (ぬれ) 安定化理論を踏まえて、溶媒/分散剤/チキソ剤の最適選択および粒子の表面修飾とその評価を行う必要があります。

  1. 分散系の厄介な点
    1. 微粒子分散系の調製プロセス
      • 分散 (ぬれ)
      • 安定化
      • 撹拌
      • ミーリングの要点
    2. 濃厚系の問題点
      • 粒子表面積の増大
      • 粒子間距離の短縮
      • ゲル構造の形成
      • 多体効果
    3. 非水系の問題点
      • 溶媒の低比誘電率
      • ぬれ性
      • 分散剤/樹脂の溶解性
    4. 多成分系の問題点
      • 樹脂の相分離性・フィラー局在性
      • 粒子のヘテロ凝集や粒子充填性
  2. 厄介な分散系を手懐けるためのツール
    1. 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎と求め方
      1. HildebrandのSP値とHansenのSP値 (HSP値)
        • 相互作用距離
        • 相互作用パラメータ
        • Hansen球
        • Teas線図とてこの法則
      2. 分散剤・界面活性剤のSP値/HSP値の求め方
        • 原子団寄与法
          • Fedors法
          • vKH法
          • Hoy法
          • Stefanis & Panayiotou法
        • HSPiPの利用法
        • 溶解・膨潤法
          • Hansen球法
          • 固有粘度法など
        • インバースガスクロマトグラフ (IGC) 法
      3. 粒子表面のSP値/HSP値の求め方
        • 凝集・沈降法
          • 分散濃度法
          • 界面沈降速度法
        • 接触角法
        • IGC法
        • パルスNMR法
    2. 表面張力/表面エネルギーの測定法
      1. 表面張力/界面張力と成分項の測定法
        • リング法
        • ウイルヘルミー法
        • ペンダントドロップ法
        • スピニングドロップ法
      2. 粒子の表面エネルギーと成分項の測定法
        • 接触角法
          • 液滴法
          • 薄層浸透法
          • 両面テープ法
        • IGC法
    3. 粒子表面/分散剤の酸塩基性と測定法
      • Sorensenの定義
      • 酸価とアミン価
      • 滴定法
      • 等電点
      • IGC法
      • 酸塩基相互作用パラメータ
  3. 厄介な分散系に適した分散 (ぬれ) 安定化の考え方
    1. ぬれ性の考え方およびそのコントロールと評価例
      1. ぬれ性の基礎
        • 表面張力
        • 表面エネルギーと成分分け
        • Young-Dupre式
        • 付着仕事
        • 界面張力
      2. ぬれ性のコントロールとその評価例
        • Hansen球法
          • グラフェン
          • 表面修飾TiO2の分散化
        • 導電性接合材料
        • パルスNMR法
        • 浸漬ぬれとwetting envelope (薄膜太陽電池)
        • wetting coefficientとフィラー局在性
    2. 粒子間に働く引力とHamaker定数
      • 有効Hamaker定数
      • 枯渇引力
      • 疎水性引力
    3. 粒子間に働く静電反発作用
      • DLVO理論
      • 拡散電気二重層
      • ゼータ電位とその測定法
      • 多体効果
      • ヘテロ凝集
    4. 粒子間に働く分散剤による立体反発作用
      • 浸透圧効果・体積制限効果
      • HVO理論
      • 溶媒力
      • AdG (ポリマーブラシ) 理論
      • 静電立体反発作用
  4. 分散剤・チキソ剤の選択指針と適用例
    1. 分散剤の働きと選択指針
      1. 分散剤構造と吸着形態
        • ランダム型
        • ブロック型
        • グラフト型
        • リビングラジカル重合
        • 最適分子量
        • 良溶媒の選択
      2. 分散剤の吸着性と最適添加量
        • 酸塩基相互作用
        • 疎水性相互作用
        • 吸着等温線
        • 最適添加量
    2. チキソ (粘弾性調整) 剤の働きと選択指針
      • チキソ剤の役割
      • 高分子型チキソ剤
      • 会合型チキソ剤
      • 粒子型チキソ剤
  5. 粒子の表面修飾とその評価例
    1. 界面活性剤の働きと選択指針
      1. 界面活性剤の種類と吸着形態
        • HLB値の求め方と利用
        • 種類と吸着形態
        • 親水化・疎水化
        • 二層吸着膜による安定化
      2. 自己組織化単分子膜による表面修飾とその評価例
        • 化学吸着法
        • 脂肪酸によるマグネタイトの分散安定化
        • PPコンポジット
        • 高熱伝導材料
    2. カップリング法による表面修飾とその評価例
      • 反応機構
      • 適用材料
      • 処理法
      • ゼオライト包埋膜
      • レジンコンクリート調製
    3. グラフト法による表面修飾とその評価例
      • Grafting-from法
      • Grafting-to法
      • ポーラスカーボンのグラフト化と分散
  6. 厄介な分散系にふさわしい分散・凝集試験法
    1. フロック (凝集粒子) 径法
      • 顕微鏡画像処理法
      • 粒度ゲージ法
      • 超音波減衰分光法
    2. 凝集・沈降法
      • 分散濃度法
      • 重力・遠心沈降法
      • 沈殿体積法
      • 毛管吸引時間 (CST) 法
    3. レオロジー法
      • 流動曲線
      • 降伏値
      • チキソトロピー指数
      • 動的粘弾性と粘弾性体の種類
    • 質疑応答

講師

会場

京都リサーチパーク

東地区1号館 4F C会議室

京都府 京都市 下京区中堂寺南町134
京都リサーチパークの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,700円 (税別) / 46,970円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,700円(税別) / 46,970円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/26 ぬれ・接触角の基礎と測定・評価 オンライン
2024/11/26 光学用透明樹脂の基礎、屈折率制御および光吸収・散乱メカニズムと高透明化 オンライン
2024/11/26 ポリマー・高分子材料のモノマー化・解重合技術の基礎とケミカルリサイクルの技術動向 オンライン
2024/11/27 光硬化型材料の基礎と応用のポイント オンライン
2024/11/27 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2024/11/27 粘着剤・粘着テープの剥離メカニズム・動的挙動と応力・変形・レオロジーコントロール オンライン
2024/11/27 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術 オンライン
2024/11/27 プラスチックのマテリアルリサイクル技術入門 オンライン
2024/11/27 パウダー化粧品の処方設計のポイントと粉体物性の機器評価方法 オンライン
2024/11/27 粉体プロセスにおける付着・固結・滞留・ 閉塞・リークなどのトラブル実例と対処 オンライン
2024/11/27 粘着・剥離のメカニズムとその制御 オンライン
2024/11/27 加速する国内外のプラスチック規制の動向とリサイクルの最新事情 オンライン
2024/11/28 固体高分子材料の動的粘弾性測定 オンライン
2024/11/28 乳化重合・懸濁重合の基礎、反応機構と装置設計、重合プロセスの機能化 オンライン
2024/11/28 ダイコーティングの基礎とトラブル対策 オンライン
2024/11/28 プラスチック成形品の残留応力発生メカニズム&長期信頼性の予測法 オンライン
2024/11/28 熱分析の基礎、測定と正しいデータ解釈 オンライン
2024/11/28 粒子の分散安定化と塗布・乾燥における課題、添加剤による解決策 オンライン
2024/11/28 塗布・乾燥工程の基礎と高均質薄膜作製のポイント オンライン
2024/11/29 UV硬化接着剤の材料設計と深部硬化 オンライン

関連する出版物