技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

樹脂用添加剤のブリードアウト発現機構とその制御

樹脂用添加剤のブリードアウト発現機構とその制御

~ブリード物を同定するには~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーではブリードアウトについて基礎から解説し、ブリードアウトの原因と対策・未然防止、添加剤の特性とブリードアウトへの影響について詳解いたします。

開催日

  • 2019年11月12日(火) 10時00分 17時30分

受講対象者

  • 高分子製品に関連する技術者、品質担当者
    • 自動車材料
    • 複合材料
    • 電気・電子材料
    • 包装 など
  • 高分子製品の品質で課題を抱えている方

修得知識

  • 樹脂・ゴム材料の成型後の外観不良原因の見分け方
  • ブリード,ブルーム現象の発生原因の解析の方法
  • ブリード/ブルームの原因に対応する防止対策の考え方
  • ブリード/ブルーム現象を逆手にとった機能性製品・商品の設計方法
  • ポリオレフィン樹脂からのブリードアウトを抑制するための材料設計
  • ポリオレフィンとシリコーンのブロック化技術

プログラム

第1部 ブリード/ブルームの発現機構と対策

(2019年11月12日 10:00〜14:40)

 樹脂・ゴムなど実用高分子材料は、素材生産、成形加工、製品保管など条件の異なる各種の環境下に置かれることにより、劣化・変質の危険性を孕んでいる。このような変質を防止すると同時に、性能・機能の効果的な発現のために各種添加剤が配合されて用いられている。
 樹脂・ゴム材料中の成分の一部や添加剤は、成形条件や樹脂・ゴム材料本体との親和性の程度によっては成型品表面にまで拡散し、意図せぬ模様を発生させることがあり、外観特性の低下として嫌われる。本講では、この現象と 他の外観特性の異常との違いや見分け方について述べ、ブリード/ブルームの発現機構と防止法の考え方について解説する。

  1. ブリード/ブルーム現象
    1. 成形不良とブリード・ブルーム現象の見分け方
    2. ブリード・ブルームと高分子材料の分子構造
      1. 分子量分布
      2. 組成や規則性の分子間分布、
      3. 高分子材料の構造の組織階層
    3. ブリード・ブルーム発生機構の理論:拡散と溶解度
    4. ブリード成分の同定と解析:
      1. 分離抽出
      2. 機器分析
  2. 樹脂・ゴム材料におけるブルーム・ブリード現象の制御
    1. 添加剤の種類と処方
    2. ブリード・ブルーム成分の種類
    3. 樹脂・ゴム材料におけるブルーム・ブリード防止技術
    4. ブリード・ブルーム防止技術や処方の実例紹介
  3. ブリード・ブルーム現象の制御と活用
    1. ブリード・ブルーム制御による機能発現
    2. ブリード制御による商品設計
  4. 新規な樹脂材料におけるブルーム・ブリード制御
    1. ポリマーアロイ・モルフォロジー設計理論の応用
    2. 相溶性制御と樹脂・ゴム材料設計
  5. まとめ
    • 質疑応答

第2部 ブリードアウトを抑制したシリコーン系フィルム改質剤

(2019年11月12日 14:50〜15:50)

 無機成分を骨格とするシリコーンは耐熱性、撥水・撥油性、離型性、摺動性など、ポリオレフィン樹脂には無い特有の性質を有している。しかしながら、ポリオレフィン樹脂との親和性が低いため、改質剤として利用する場合にはブリードアウトが問題となる。このようなシリコーンとポリオレフィンの親和性の低さに起因する問題を本質的に解決するために必要な材料設計について解説する。

  1. 背景
    1. ポリオレフィンとシリコーンの特徴
    2. シリコーン系改質剤について
  2. ブリードアウトを抑制するための材料設計
    1. ポリオレフィン – シリコーンブロック共重合体の構造設計
    2. ブロック共重合体合成の反応設計
    3. ブロック共重合体合成反応のための触媒設計
  3. ポリオレフィン – シリコーンブロック共重合体の特性
    1. 材料の特長
    2. 用途展開例
    • 質疑応答

第3部 高分子材料中のブリード物の同定・状態分析

(2019年11月12日 16:00〜17:30)

 ゴム、プラスチック等は、様々な分野で必要不可欠な材料であるが、使用環境下で様々なトラブルを生じることがある。例えば、ブルームや変色などがあり、変色等を生じた製品は、品質は維持されていたとしても商品価値が著しく低下する。これらの対策を講じるためには、その原因を調査する必要がある。本講座では、ブルームや変色問題の考え方の基礎と分析手法について、事例をあげて紹介する。

  1. ブリード・ブルーム現象のメカニズム
    1. ブリード・ブルーム現象とは?
    2. 発生原因と対策の基本的考え方
    3. ブリード成分の同定と解析
  2. 高分子材料の劣化メカニズム
    1. 劣化因子
    2. 熱劣化
    3. 光劣化
    4. 金属による劣化など
    5. 自動酸化反応
    6. 高分子材料の劣化とトラブルの関係
  3. 変色原因
    1. なぜ変色が起きるのか?
    2. ポリマーの劣化による変色
    3. 酸化防止剤による変色
    4. 付着による変色
  4. 劣化及び変色解析のための分析法
    1. FT – IR
    2. DSCによる酸化開始温度
    3. GPC
    4. TG
    5. ESR
    6. NMR
    7. XPS
    8. EPMA
  5. 劣化、変色対策
    • 質疑応答

講師

  • 今井 昭夫
    テクノリエゾン事務所
    代表 / 研究開発・技術提携・事業企画コンサルタント
  • 岡部 晃博
    三井化学 株式会社 生産技術研究所
    主席研究員
  • 菊地 貴子
    一般社団法人 化学物質評価研究機構 東京事業所 高分子技術部
    主管研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/3/13 熱伝導性フィラーの充填・表面処理技術とポリマー系コンポジットの開発、微視構造設計・特性評価技術 オンライン
2025/3/18 カップリング剤によるフィラーの表面処理と樹脂への複合化、分散性評価 オンライン
2025/3/19 分子動力学シミュレーションの基礎と高分子材料開発への応用 オンライン
2025/3/19 樹脂硬化過程での重合誘起ガラス化およびその近傍での挙動 オンライン
2025/3/25 高分子・ポリマー材料の重合、製造における研究実験から生産設備へのスケールアップ技術 オンライン
2025/3/26 プラスチックの難燃化技術の基礎と技術動向 オンライン
2025/3/27 廃プラスチックのリサイクル最新動向 東京都 会場・オンライン
2025/3/27 高分子の相溶性と相分離および結晶化の基礎 オンライン
2025/3/28 固体高分子の破壊とタフニング オンライン
2025/3/28 フェノール樹脂の基礎と応用のための組成物設計の実務知識 オンライン
2025/3/28 押出成形のトラブル対策 Q&A講座 オンライン
2025/3/28 フィルムの延伸・分子配向の基礎、過程現象の解明と構造形成、物性発現、評価方法 オンライン
2025/4/7 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2025/4/9 レオロジーの基礎と測定法 オンライン
2025/4/10 高分子・ポリマー材料の重合、製造における研究実験から生産設備へのスケールアップ技術 オンライン
2025/4/15 押出機・混練機内の高分子材料の輸送・溶融と混練技術 オンライン
2025/4/15 レオロジーの基礎と測定法 オンライン
2025/4/23 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2025/4/25 ゴム材料における摩擦・摩耗現象の理解と制御・対処に必要な基礎知識 オンライン
2025/4/28 二軸スクリュ押出機を用いたリアクティブプロセシング技術の基礎から応用へ オンライン

関連する出版物

発行年月
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方
2018/7/31 高耐熱樹脂の開発事例集
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2016/2/20 自動車用プラスチック部品・材料の新展開 2016
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/11/26 エンプラ市場の分析と用途開発動向 2013
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析
2013/8/20 導電性ポリマー技術 技術開発実態分析調査報告書
2013/8/20 導電性ポリマー技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)