技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集メカニズム、凝集体形成防止・製剤安定化と培養プロセスでの凝集抑制・凝集体除去/高品質化の細胞構築

バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集メカニズム、凝集体形成防止・製剤安定化と培養プロセスでの凝集抑制・凝集体除去/高品質化の細胞構築

~どのような培地添加物で凝集抑制が可能なのか~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、液剤のバイオ医薬品の品質試験・物理化学分析の基礎を解説し、バイオ医薬品の溶液物性の基礎、そして品質管理のポイントについて詳解いたします。

開催日

  • 2019年8月23日(金) 10時30分 16時20分

受講対象者

  • 医薬品の研究・開発・製造に携わる技術者、研究者、担当者、管理者

修得知識

  • CHO細胞培養プロセスの抗体凝集の概観
  • 培養プロセスにおける凝集抗体の発生メカニズム
  • 難発現性抗体の凝集抗体形成
  • 抗体品質向上のための細胞構築
  • バイオ医薬品に含まれる凝集体に対する考え方
  • バイオ医薬品中の蛋白質凝集体の発生機構と低減方法
  • バイオ医薬品の安定化方法

プログラム

第1部 『蛋白質生産細胞の培養プロセスでの凝集抑制・凝集体除去と抗体医薬品高品質化の細胞構築/培養』

(10:30~12:30)

 抗体医薬品生産プロセスにおいて、生産培養、抗体精製、製剤化の各過程において凝集抗体が形成されることが報告されている。なかでも培養プロセスにおける凝集形成については、そのメカニズムも含めて基礎的な知見を含めた研究開発の実例が少ない。本講演では抗体生産CHO細胞の培養プロセスにおける凝集抗体の形成とその抑制法、さらに凝集を抑えるための細胞株構築などに関するアカデミア研究のシーズ技術開発を紹介する。

  1. はじめに
    • バイオプロセスにおける抗体凝集
    • 細胞培養中の抗体凝集に関する研究報告例
  2. 細胞培養プロセスにおける凝集抗体形成機構
    • ケミカルシャペロン添加による難発現性抗体の凝集抑制の試み
    • 抗体生産CHO細胞からの凝集抗体分泌とその構造的特徴
  3. 抗体品質を向上させるCHO細胞株構築は可能か?
    • 細胞工学、培養工学の観点からの抗体品質向上アプローチ
    • 合理的細胞設計へ向けて
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 『バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集メカニズム、凝集体形成防止・製剤安定化に関する取組み方、ストラテジー』

(13:20~16:20)

 近年、バイオ医薬品に含まれる蛋白質凝集体の免疫原性が懸念されており、凝集体の発生機構の理解と発生の抑制は重要な課題である。本講演では、バイオ医薬品の凝集体発生のメカニズムを解説し、ケーススタディを交えながら、製剤による安定化の方法と注意点について説明する。適宜、凝集体についてレギュレトリーサイエンスの観点からの動向についても述べる。

  1. バイオ医薬品の製剤に関連した基礎知識
    1. バイオ医薬品の構成
      • 蛋白質の一次構造、二次構造、三次構造、高次構造
      • 化学構造変化
      • 変性
  2. バイオ医薬品に含まれる凝集体に関する基礎知識
    1. バイオ医薬品に含まれる凝集体研究の現状、免疫原性との関係
    2. 凝集体の分類
      • 解離会合
      • 物理ストレスとの関係
      • サイズによる分類
      • 特性解析と規格との関係
    3. バイオ医薬品における凝集体関連情報
      • 2014年8月発表”Guidance for Industry” について
      • USP787について
      • 日本薬局方での取扱について
  3. タンパク質の安定性と凝集メカニズム
    1. タンパク質の安定性
      • コロイド安定性と構造安定性
      • コロイド安定性とDLVO理論
      • 構造安定性と自由エネルギー変化
    2. タンパク質の凝集メカニズム
    3. 第2ビリアル係数、拡散係数の濃度依存性
  4. タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤の効果
    1. タンパク質の安定性と塩
      • ホフマイスター系列
      • 塩とタンパク質の相互作用
      • 塩によるタンパク質の安定化・不安定化
    2. タンパク質の安定性と糖類
      • 選択的溶媒和
      • 糖によるタンパク質の安定化
      • 糖を添加する場合の注意点
    3. タンパク質の安定性と界面活性剤
      • 界面活性剤とタンパク質の相互作用
      • 界面活性剤によるタンパク質の安定化
      • 界面活性剤を添加する場合の注意点
    4. タンパク質の安定性とその他の添加剤
      • アミノ酸
      • アルコール
  5. タンパク質医薬の保管容器
    1. タンパク質容器における注意点
    2. 具体的な容器
      • バイアル
      • プレフィルドシリンジ
      • 容器と凝集の関係
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 鬼塚 正義
    徳島大学 大学院 工学部 生物工学科 生物機能工学講座
    助教
  • 内山 進
    大阪大学 工学研究科 生命先端工学専攻
    教授

会場

芝エクセレントビル KCDホール
東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
芝エクセレントビル KCDホールの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 51,300円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,000円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 51,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 81,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/28 具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と開発段階に応じた規格設定 オンライン
2025/2/28 Excelスプレッドシートの作成、バリデーション、運用管理のポイント オンライン
2025/2/28 データインテグリティの重要性とGMP文書への落とし込み方 オンライン
2025/2/28 アクティブターゲティング型DDSの現状と展望 オンライン
2025/3/3 PIC/S GMP Annex I 改定セミナー オンライン
2025/3/4 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Dコース:CMC申請・薬事デザイン編) オンライン
2025/3/4 PMDAから高評価が得られるメディカルライティング中級講座 オンライン
2025/3/4 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発 オンライン
2025/3/5 (薬物) 国内治験と国際共同治験のモニタリング業務の差異と実務対応力の習得 オンライン
2025/3/5 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2025/3/7 リスク分析をした洗浄バリデーションの実施方法と残留許容限度値の設定 オンライン
2025/3/7 PMDA審査官から高評価が得られる非臨床領域のメディカルライティング オンライン
2025/3/7 マイクロバイオームの実用化にむけた課題と現状 オンライン
2025/3/10 GMPにおける (製造・試験) 外部委託業者管理・監査の留意点とチェック項目 オンライン
2025/3/12 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2025/3/12 データインテグリティの重要性とGMP文書への落とし込み方 オンライン
2025/3/13 Excelスプレッドシートを運用した効率的なCSVとデータインテグリティ オンライン
2025/3/13 製造設備のバリデーション実施項目・各段階の様式例と適合性調査にむけた文書作成管理 オンライン
2025/3/13 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/3/14 薬物の消化管吸収について - 評価・予測 オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2013/2/27 リスクマネジメント・CAPA(是正措置・予防措置)導入手引書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/3/29 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違
2012/3/13 超入門 GMP基礎セミナー
2012/3/5 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法